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───オークションから数日後の朝。
宿泊していたホテルのチェックアウトを済ませた俺達は、首枷騒動の褒美として王国が用意してくれた念願のリゾート『マルテミ』に向かう為の馬車の前にいた。
そう、何を隠そう今日は!今日という日は!旅立ちの日だ!!
ダンジョンでのバトル!変態インキュバスとのバトル!そしてディザベルとのセックス!!
ここ最近の怒涛のイベントの疲れを癒してくれる、そんな理想の地を目指して!今日、旅立つ!!
そんな俺の旅に同行するのは100歳超えのロリババア、ディザベル。
俺を異世界に召喚した張本人で、魔法の師匠で、俺の恋人の彼女なんだが……何故か今日はツインテールだ、普段はポニーテールか髪を下ろしてるのに。
そして、これまた履いている所を一度も見た事がないミニスカートを着用していた。後で何でか聞いておこう。
次に同行するメンバーは白馬のリヴァータとその連れの雌馬。
運命的な出会いをして俺の旅に付いて来てる奴だ。
そして最後に、カイザースライムのクリスタル・ボゥル。
激しい戦いの末、仲間になった強敵と書いて友と呼ぶ奴だ。
カイザースライムっていうのは、なんか強くて滅茶苦茶デカいスライムで可変式。今は30cmくらいにサイズダウンしている。
そんな愉快な仲間達と馬車でリゾート地に向かう訳だが、王様から貰った肝心の馬車はというと、貴族や王族が使いそうな装飾の入った豪華な感じの奴ではなく、機能美を追求した実用重視な物だった。
それでいて馬車の御者の他に数名の護衛の騎士達のオマケ付き、かなり気が利いている。
「ふむ、悪くはない」
隣にいたディザベルにもご満足いただけたようだ。
クリスタル・ボゥルも馬車が気に入ったのか、ぴょこぴょこ跳ねながら馬車の屋根の上に乗っかり『ここは俺の特等席だ』と言わんばかりに堂々と鎮座している。
リヴァータは……自分の女と仲良くやっていた。マイペースな野郎だ。
俺は御者と騎士達に軽く挨拶しておく。
これからリゾート地、マルテミまでの約7日の長い旅を共にする事になるんだ、印象は良くしておいて損は無いだろう。
さてと、挨拶も済んだことだし、少々名残惜しい気もするが、この国を出よう。
当初の目的だった、ディザベルを苦しめた首枷の製造者兼元凶の馬鹿インキュバスも倒した。
この国のダンジョンも攻略した。
大金も手に入った。
この国には約2週間程度しか滞在してなかったが、もうこの国でする事は何も無い。
ここを去る時が来たという訳だ。
「長かったような、短かったような……とにかく濃密な2週間だった気がする。特に後半が」
「フッ……確かにそうじゃのう」
ディザベルは笑みをこぼしながら俺の前に踊る様に立った。
この『自分の格好に関して何か感想無いのか?』って感じの露骨な態度。
「それにしても珍しいね、ツインテールにミニスカートなんて。それも特別な装備とか?」
「…………単に、お主に可愛いと思ってもらいたかっただけじゃ」
片方のツインテールを指で弄りながら恥ずかしそうに言った。
可愛いな、このロリババア。
「もう、さっさと行くぞっ!」
ディザベルは顔を真っ赤にしながら馬車に乗り込んだ。
「はいはい……それじゃあ、よろしくお願いします」
御者と騎士達に改めて挨拶をしてから俺も馬車に乗る。
ふむ、馬車の内装はしっかりしているし、座席も長時間座っても痛くならなそうな、ふかふかのソファーだ。広さも6人程が座れそうな広さで悪くない。
俺はディザベルの対面の席に深々と座るとタイミングを見計らったかのように馬車が動き出した。
馬車の窓から見える外の景色がゆっくりと流れていく。
俺は馬車の窓を開けて深く深呼吸する。
「んん~~~っ!やっっっと一息つける」
「なんじゃ、ジジ臭いのぅ」
「ババアに言われるとは」
「ふん。それで?これからどうするつもりじゃ?」
「まずはマルテミに行くだろ?それから家を買う!」
「家?」
「ホテル暮らしも特別感あって悪くは無かったけど……やっぱりね、自分の部屋が欲しいんですよ!」
「ふむ……」
「お金もあるし!ここは一発、大豪邸でも買って───!」
「大豪邸は別に。しかし拠点を持つのは悪くない。ワシも宿暮らしでは出来なかった事が色々とあるしのぅ」
「色々?」
「実験と研究じゃよ、お主の世界に行く為の」
「ああ、成程ね」
「…………それよりも」
ディザベルは席から立ち上がると俺が開けた馬車の窓を閉じてから俺の足の上に座った。
「感想は!?」
ディザベルは、ムスッとしながら自分の格好について聞いて来た。
ああ……そういえば、まだ感想を言ってなかったな。
俺は右手でディザベルのツインテールの左房に触る。
「可愛いよ」
「……ふん」
ディザベルは、まだ少し拗ねているが俺はそんな事はお構いなし。
ツインテールに触れていた右手を下ろし、スカートの上からディザベルのお尻に触る。
「いつものショートパンツもいいけど、やっぱりミニスカートはいいね」
「そうか?」
「ああ」
そのままスカートを捲ってパンツの上からお尻を撫で回す。
「こういう事もスムーズに出来るし」
「変態」
ディザベルは俺を罵ってくるが別に抵抗はしない。
俺の右手はエスカレートし、遂にはパンツの中に手を突っ込み、直接お尻に触れる。
「んっ…………」
ディザベルの口から艶めかしい声が漏れる。
『もっと聞きたい』そう思った俺は、右手だけじゃなく左手でもディザベルの生のお尻を撫で回したり揉んだりする。
「んっ……あ……っ…………きょ、キョウ……」
俺の愛撫にディザベルも興奮して来たのか、ディザベルは俺の首に手を回しながら顔を近づけて来た。
この顔はもう何度も見て来たキスの催促だ。
俺はディザベルの催促に従うように唇を近づけるとディザベルは瞳を閉じてその時を待っていた。
そんな時、一本の槍が馬車の壁をぶち破って俺の顔のすぐ隣に現れた。
「な、何~~~ッ!?」
「…………チッ、もう来おったか」
ディザベルが舌打ちした数秒後、馬車が急停止した。
「オァアアア!?何で攻撃!?お、お前まさか!?もう来たのかって、またなんかしたのか!?」
「ワシは何もしておらん」
「じゃあ何で!?」
「お主、今いくら持っている?」
「いくらって…………あ」
オークションで儲けた金に王様から貰った金、更にはジカスの件を解決した功労者として、ポートリス王国から冒険者ギルド経由で大金をつい先日受け取っており、今の俺の所持金は国家予算並みだ。
そして俺が今現在、国家予算並みの大金を持っている事はガーンデーンにいる人間なら誰でも知っている。
そんな奴が呑気に国外に出るってんなら野蛮な方々としては襲わない手は無い。
「有名になり過ぎてしまったからのう、こういった手合いの人間に狙われるのは必然じゃろう」
お年玉を貰ったばっかりの中学生だって奪われないように慎重になるっていうのに、俺としたことが額が額だからか完全に浮かれていて襲われる可能性を完全に失念していた。
「さて……」
ディザベルは立ち上がって俺を見る。
「これ以上馬車が破壊されない内にさっさと馬鹿共を掃除して続きと行くか」
「そうだな……」
俺は席から立ち上がり馬車のドアを開けて外に飛び出る。
「男は皆殺し、女は生け捕りだァァァ!!」
最早、どちらが蛮族か分からない野蛮な台詞を吐き捨てながら、襲撃者と思わしき盗賊風の奴らをロリババアのディザベル、馬、スライムという愉快な仲間達と一緒に討伐しに行ったのだった。
次から第三章




