俺はこれから……
風呂から出て1時間は経っただろうか……俺は、そわそわしながらディザベルが来るのベッドに座って待ち続けていた。
風呂場でディザベルが去り際に言った「後で部屋に来る」って台詞は恐らく、きっと、いや確実にそういう意味だ。
俺は、これから、セックスをする……!
身体は洗った!歯も磨いた!身体に不調は無い!
邪魔になりそうなスライムのクリスタル・ボゥルだが、奴は本を読むのが好きだから適当な本を10冊買って渡したし、飯もお菓子も与えたから邪魔はして来ないはず!
……完璧だ!今宵の俺は完璧だ!俺が経験の無い童貞なことさえ除けば完璧だ!
さあ、何時でも来い……!ディザベル!!
───その時、部屋のドアが弱弱しくノックされた。
「ど、どうぞ!」
し、しまった!声が裏返った!!気合いも覚悟も十分決めたのに!
しかし俺が慌てふためいていようが関係無くドアは開かれていき、ディザベルが中に入って来た。
部屋に入って来たディザベルはドアを閉めると、こちらに向き直って立ち止まった。
「ディザ……ベル……」
思わず見惚れてしまった。
部屋に入って来た彼女は前開きの黒いナイトドレスを着用していた。
ナイトドレスの生地は薄く、ディザベルの雪の様に白い肌が、乳首や股間が透けて見える。
そしてこの時やっと気付いたが、ディザベルはナイトドレスの下には何も着ていなかった、パンツもブラジャーも何も。
最近のディザベルは風呂場でもそうだったが、肌を隠すようになっていたはずだ。
それなのに当のディザベルは身体を隠そうとはせず、寧ろ自分の身体を積極的に見せようとしていた。
……ただ裸を見られることが平気になった訳では無いらしく、ディザベルは恥ずかしさで耳まで赤くなっていた。
「…………ど……どう……?」
絞り出したような小さな声でディザベルが俺に感想を求めてきた。
「……ごめん、見惚れてた」
「……!それなら良かった」
ディザベルは嬉しそうにしながら俺と真横に座ってきた。
肌が触れそうな至近距離。不意にディザベルの良い匂いが鼻をかすめ、俺は思わず生唾を飲み込んだ。
「……その、聞いておきたい事がある」
「何?」
「ワシの事、何時から好きになった?」
改めて聞かれると恥ずかしい質問が来てしまった。だが答えない訳にはいかないな。
「ディザベルにキスされた時……かな。ジカスの件とかダンジョンとかで庇護欲みたいなのは湧いて来てたし気になり始めてはいたけど、本気で好きになったのはその時かな」
「……そうか」
「ディザベルは?」
「ワシか?ワシは……そうじゃな……初めはお主の事なんてどうでもいいと思っていた。死ぬ前の暇潰しに召喚魔法を使っただけ。暇潰しでお主と過ごしただけ。お主の旅に付いて来たのは若返りの魔法が欲しかっただけ……そう思っていたが違っていた」
ディザベルは、ゆっくりと自分の過去を振り返りながら自分の思いを吐露していった。
「召喚魔法を作ったのは孤独を埋める為。このまま独りで死にたくなかったから、誰でもいいからワシの過去を知らない者と話したかった。復讐に取り付かれた殺人者としてのワシではなく、ただの人として接してくれる者と共に過ごしたかったから」
「お主が召喚されたのは全くの偶然、別に誰でも良かった。しかし共に過ごしていく内に、ワシはお主の事が気に入り始めていた、悪くないと思っていた」
「───そんな時、若返りの魔法でワシは若返り、お主はワシを置いて旅に出ると言い出した」
「あの時のワシは若返りの魔法がどうしても欲しくて、お主の旅に無理矢理付いて行った。だが、今思い返してみればそれも違った」
「……本当は、お主と離れたくなかった、別れたくなかったから。若返りの魔法があれば、ずっと一緒にいられる。お主の旅にずっと付いて行ける。年老いても見捨てられない、そう思ったから……」
「そんな自分の気持ちに何一つ気付かずに一緒に過ごして……ジカスの件で助けられてから無意識の内に異性として見る様になってて……ダンジョンで助けられて……一緒にいたいって言ってくれて……」
「そんな時、お主が魅了され操られてしまった。お主を助ける方法は無いと頭では分かっていたのに、何故か身体が勝手に動いてしまって……それで……キスをして……」
「ディザベル……」
「ふふ……間抜けな話だが、お主の事を好きだと気付いたのはキスした後じゃったよ」
「……そっか」
「……さて、話を戻そう。ワシがお主の事を何時から好きになったのか、じゃが……」
ディザベルは俺の太ももに手を置いて、こちらを見上げる。
「一緒に過ごしていた最初の頃から……じゃな……」
ディザベルは照れくさそうに笑った。
「お主と出会ったあの時から、お主と過ごしたあの頃から、お主に助けられたあの時から、ワシの心は好きで溢れていた、大好きで溢れ返っていた……!」
ディザベルは俺の首に手を回して唇にキスをしてきた。
「愛しておるぞ、今も昔もこれからも、ずーっと」
「ああ、俺もだよ」
俺はディザベルの思いに応えるように彼女を抱き寄せてキスをし返す。
「…………キョウ」
「ん?」
「……お風呂のアレ……またやりたい……」
ディザベルは恥ずかしそうにモジモジしながら言ってきた。
「癖になった?」
「…………うん」
お風呂のアレというのはディープキスの事だろう。当然、断る理由は無い。
俺は少し強引にディザベルの唇を奪って口の中に舌を入れる。
すると間髪入れずにディザベルも舌を出してきて、お互いの舌が口の中で触れ合い、まるで溶け合うかの様に絡み合う。
「ん……ちゅく、ちゅくっ…………んはぁ……ちゅぶっ……ちゅぶぶぅぅう♪」
「……んくっ、はぁ……ディザベル……!」
夢中になって舌を絡ませてくるディザベルに俺も負けじと舌を絡ませる。
「ちゅ、ちゅぅううっ…………んぁ……すき……だぁいすき……」
「……っ、あぁ、俺も……だっ」
俺は更に舌を絡ませるだけじゃなく、ディザベルの舌を吸ったり、唾液を吸ったり混ぜ合ったりしてみる。
「んふっ!?んんぅぅぅ……ちゅぶ、ちゅく、じゅるるぅぅっ♪ちゅっ、ちゅぅううう♪」
舌を絡ませるだけじゃないパターンにディザベルは最初こそ驚いていたものの、ディザベルもすぐに俺と同じように自分の唾液を注いだり混ぜたりしてきた。
「……ん、ぷはぁ……すきぃ……ちゅ、ちゅちゅ、ちゅぅぅうっ♪しゅき、しゅきぃ……じゅるっ、ちゅる、じゅるるるっ♪」
「ディ、ディザベル……!」
お、押し負けそうだ!
俺はディザベルを甘く見ていたのかもしれない……!、ディザベルの飲み込みの早さ、そして愛情の強さを!




