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俺を異世界に召喚した悪い魔女の婆さんをロリババアにしたら何処までも粘着して来るようになったんですけど!?  作者: アステロイドV2
第二章 ロリババアと俺がセックスするまで

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奥の手

ディザベルによる30秒にわたる制圧射撃が終わり、立ち込める粉塵が徐々に晴れてゆく。


「まったく、今の攻撃には驚かされた」


粉塵の中からティーアが姿を現した。


「ふん、どうした?まさか俺を倒したと思っていたのか?」


ティーアは強気な台詞でディザベルを挑発しているが全部が全部無事と言う訳にはいかなかったようで、何百体もいたティーアの分身は40体程までに数が激減しており、更にそのどれもが身体のどこかしらに白金の剣が刺さっていた。ただ一体を除いて。


恐らくアレがティーアの本体。きっと死ぬ思いでディザベルの攻撃から本体だけを守り切ったのであろう。


「剣を飛ばすだけのあの程度の攻撃じゃあ俺は倒せない、残念だったな」


「ならもう一度やってみるか?」


「フッ、やれやれ馬鹿な女だ。何度やっても無駄だという事に気が付かないとは」


「ほぅ?えらく自信たっぷりじゃなぁ?」


「まだ分かっていないようだから教えてやる。俺は全国にいる奴隷達から無尽蔵に魔力と体力を回復出来る。つまり持久戦になれば俺が必ず勝つ。加えて言うならさっきの大規模な攻撃、相当な魔力を消耗したはず、そう何度も撃てるものじゃあない。さっきの攻撃で俺を殺し切れなかった時点で勝負は決した訳だ」


「きひっ、キヒヒ……キヒヒヒヒ!」


ディザベルは、お腹を抱えて笑い出した。


「……何がおかしい?」


「低能な蝙蝠め、あの程度の攻撃でワシの魔力が尽きるとでも?あの程度がワシの全力だとでも?」


「ふん、負け惜しみを」


「ヒギャアアアアアアアア!?!?」


未だに剣が刺さっていたティーアの分身達が悲鳴を上げながら焼却、凍結、感電、蒸発と様々な死因で次々と絶命していく。


「な、何ィィィ!?」


「キヒヒヒヒヒ!!ただ剣を飛ばすだけだと思っていたのか?」


(───思ってました)


キョウは操られていたディザベルとの戦闘を思い出しながら『やっぱ俺が生きてたのって運が良かったなぁ』とそんな事を考えていた。


「何だとォ!?」


常軌を逸した殺され方で次々と倒されていく自分の分身達を見て、ティーアは自分がとんでもない思い違いをしていた事に気付いた。


持久戦になれば勝てるだと!?馬鹿か俺は!


俺はとんでもない思い違いを2つもしていた!


1つは、あの女の攻撃力!


何なんだアレは!イカれている!あんなもの掠りでもしたら……!?クソッ!!


もう1つは、あの女の魔力量だ!


あれだけの攻撃をしたというのに、ちっとも魔力が魔力が減ってない!


奴は自身の魔力量を偽装している。ということはあの攻撃をまだまだやって来るって事だ!


持久戦なんてとんでもない!チンタラしてたら殺されてしまう!勝負は短期決戦しかない!!


ティーアは右手で顔を押さえながら全国に散らばった自分の奴隷達から魔力を掻き集める。


数ではない、質だ、質で勝負するんだ!


「…………下がっていろ」


ディザベルはキョウの前に出てティーアから庇おうとする。


(あの男に負ける気など一切無いが、あの膨大な魔力量だ、何をするか分からない、念のためだ)


「男相手にこれは使いたくなかったが……仕方ない」


ティーアは顔から手を退けてディザベル達を睨みつける。ありったけの魔力が込められたその瞳で。


何かしてくる───!


ディザベルはティーアの動きを注視し警戒するが───何も起こらない。掻き集めた魔力が減っているのにも関わらず。


「まさか───!?」


ディザベルは慌てて後ろにいるキョウを見るがダメージは受けていない。


よかったと安堵した矢先、ディザベルはキョウに肩を掴まれ床に押し倒されてしまった。


「くぅぅぅっ!?なんて力っ!?」


ディザベルは凄まじい力でキョウに押さえつけられている。


(外傷は無い……という事は精神操作の類いか!?)


ディザベルはキョウに精神操作系に対する解除用の魔法を試すが一向に効果が無い。


「……驚いた。まさか魔眼が効かないなんて」


遠くから不愉快な声が聞こえて来る。


「魔眼じゃと!?グゥゥゥ!───がッ!」


魅了に掛かったキョウによってディザベルの首が凄い力で絞められてしまう。


「そうさ、俺の魔眼は『魅了』!!気持ち悪いが、その男は俺に魅了され私の命令通りに動く!女が惚れた男に貢ぐように!献身的に!」


不味い、非常に不味い。


まさか奴の切り札が魔眼だったとは……!


魔眼とは通常の魔法とは段違いの威力と効果を持っている。


それをあの膨大な量の魔力で発動させたという事は───!


ディザベルの脳裏に(よぎ)った最悪の事態。それが確定的になってしまう兆候がキョウに現れていた。


血走った(まなこ)、荒い呼吸、そしてキョウの鼻からポタポタと零れ落ちる血液。


「どうやら効きすぎてしまったようだな。持ってあと数十秒でソイツは死ぬ」


「ぐぅぅぅぅぅ!!」


「限界を超えた極度の興奮状態に脳も心臓も耐えられてないな。その証拠に鼻血がこんなにも噴き出している」


ティーアの言う通り、キョウの身体には末期の症状が現れていた。


こうなってしまったらディザベルに取れる選択肢は限りなく少ない。


まず魔眼の解除だが…………これは無理だ。


魔眼の効果はどれも高すぎて通常の魔法では解除出来ず、時間を掛けて解除用の魔法を新たに作らなければならないのだが、そんな時間は無い。


それにあの膨大な魔力を込めて発動した魔眼だ、もし魔法を開発する時間があったとしても、それは年単位になるだろう。


次に魔眼の発動者を殺して止める方法だが、これも無理だ、時間が無さすぎる。ティーアを殺し切る前にキョウの寿命が尽きてしまうだろう。


つまりディザベルに取れる選択肢は邪魔なキョウを殺してティーアを殺す事だけだ。


───そう、つまりここまでしてもティーアは依然として窮地に立たされていた。


本来なら魅了の魔眼で2人とも操れている筈だった。


しかしどういう訳か、あの女には魅了が効かなかった。


そのせいであの女の怒りを買ってしまい、更に追い込まれてしまったまである。


再び魔力を集め自分を強化し戦ってもいいが、あの女の強さを考えるとそれは安全じゃない、分の悪い賭けだ。


「だがもし俺の提案を飲むなるなら、その男を生かしてやってもいい」


「うぐぅぅぅッ!?」


だからティーアは策を講じた。


「俺に心から忠誠を誓い、首枷を嵌めて俺の奴隷になるなら、その男を助けてやってもいい。勿論死なない程度に魅了を弱めるだけで男の精神は支配したままだがな」


「ぐぅ…………」


このまま、あの女がタロウを殺すのを躊躇っている間に絞め落とされる事を期待してもいいが、それだけでは不十分だ。


人は家族や友人、恋人や仲間を大事にする生き物だ。


その優しさに付け込み奴隷にする事が出来れば、あの女の底知れない魔力量を得る事が出来る!俺はもっと強くなれる!


仮にこの提案が通らなかった場合は、脇目もふらず逃げるだけだ。


この国には自分の味方は多い。あの女に襲われたと逃げ込めば、あの女は国中から追われる身になるだろう。


もし捕まれば裏ルートで自分の奴隷に出来る、良い事尽くめだ。


「さあ、どうする?早く決めないと、その男は死んでしまうぞ?」


キョウを見殺しにするか、キョウを助ける為に奴隷になるか…………。


2つに1つ、究極の選択を前にディザベルは───全く別の選択をしていた。


「んっ…………」


ディザベルは無意識の内にキョウの顔を引き寄せて彼の唇に口付けをしていた。


「フフ……フハハハハハ!!脳に酸素が行かなくておかしくなっちまったか!?」


ティーアの言う通りおかしくなったのかもしれない。


でも自分が取った行動が間違っているとは何故か微塵も思わなかった。


「…………目を覚ませ、バカ……」


たった3秒ほどのキスだったが、様々な感情が、思い出が頭の中を駆け巡り、ディザベルには永遠のように感じられた。


そしてディザベルはキスの後、やっと自覚してしまった。


───キョウへの恋心を。


「ハハハ!別れの挨拶のつもりか!?」


「それは違うな」


いつの間にかティーアの目の前にキョウが立っていた。


「…………え?」


訳が分からずティーアは間抜けな声を出してしまった。


「え、なっ!?はぐぅ───ッ!?」


ティーアは碌に状況が理解出来ぬまま顔面にキョウの右の拳がめり込み、壁までブッ飛ばされた。

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