イヤァァァ!キスは好きな人とがいい!!
「よしやるぞ、すぐやるぞ、今やるぞ」
「待って!待って待って待って!!」
俺は、押し倒して来た元スライムの暴漢クリアさんを力づくで引き剥がす。
「何だ?」
「せめて避妊させてぇ!」
俺は、ディザベルとセックスをする時に使う事になるだろうと、買っておいたが結局使わずじまいだった避妊具をアイテムボックスから取り出して、それを自分のご立派なイチモツに取り付ける。
中々に情けない絵面だが、クリアさんは物珍しそうに見ていた。
「何だ、それは?」
クリアは、俺の男性器に取り付けられた避妊具をマジマジと観察しながら質問してきた。
「何だ?って避妊具だよ、避妊具。俺とお前が交尾して、子供を作らない為の」
「子供…………」
クリアは、心ここに在らずといった感じで何やら考え込んでいる。
……おい待て、変な事を言うなよ!?
「この身体でどんな子供が出来るのか、そもそも子供が出来るのか、興味があるな」
「おい!変な事を言うなよッ!?」
俺が薄っすらと予想していた事をクリアは口にしてきやがった。本当に勘弁してほしい……。
「お前も知りたくないか?人間の子供が出来るのか、それともスライムか、はたまた俺のような特殊な個体か、そもそも生まれないか───」
「気になりはするが、そんな興味だけで子供を作る訳にはいかないだろ!?」
「何でだ?」
魔物と人間の種族としての考え方、価値観の問題か。
クリアは、純粋に疑問なのだろう。何も知らない子供の様に何故と俺に聞いてきた。
「種を繁栄させる為、種の存続の為、より強い個体を産み出す為に交尾をするのが生物だろ?何を拒む理由がある?俺とお前なら強い個体が出来るはずだ」
その考え方、思考回路は魔物としては正しい考え方なのだろう。だが俺は違う!
「それは生物全体としてみたら正しくて効率的な考え方だと思うが俺はそうじゃない。そんな考えで子供を作ろうとは思わない。子供は、深く愛し合っている者同士の元に生まれるべきだと思ってる。だから今のお前とは子供を作ろうとは思わない」
「生物として矛盾した考えだ」
「それが人間なんだよ」
「フン……」
「───それと一応釘を刺しておくが、俺達と一緒にいるなら、別に好きでもないような、そこら辺の男と性行為をしたり、子供を作ろうとはするなよ?もしそんな事をしたら、ご飯も、おやつも、本も抜きだからな?」
「むぅぅぅ………それは嫌だ」
「こ、こいつ……!」
どうやら鍵を刺しておいて正解だったみたいだ。
「……それで?ここからどうすればいい?」
自分の知的好奇心、探求心をグッと我慢したクリアは、俺に何をすればいいのか聞いて来た。
「どうすればいいって?」
「人間がどうやって交尾をするのかは本を読んで知ってはいるが、馬や牛、ゴブリンやオークのようには交尾はしないだろ?お前はアイツらとやる時はどうしてるんだ?」
「アイツらって……ルルとララの事か?」
「そうだ」
「どうやってって……ルルは、キスしながらするのが大好きで───」
「キス?何だ、それは?」
「あの、お互いの唇と唇を合わせるやつだよ」
「ああ、アレか。この前、お前が押し倒されてた奴か」
「そうだよ……」
この前というと、ディザベルがヴィスタとかいう女にやられて重傷を負っていた時の事だ。
回復薬を口渡しでディザベルに与えようとして、キス魔のディザベルに襲われた時、コイツは近くに居てそれを見ていたな、そういえば。
「何か特別な魔法でも使ってるのか?」
「いや、使ってないけど」
「ふーん…………」
クリアは、また何やら考え込んで……って!この感じ、また───ッ!
俺がデジャヴを感じた瞬間には、もう遅かった。
クリアは、俺にのしかかって来た。
「やるぞ。何でアイツが好きなのか、気になる」
「イヤァァァ!キスは好きな人とがいい!!」
俺の悲鳴なんてなんのその。
クリアは、無駄に美人過ぎる、美しいその顔をズイっと近づけて俺の唇にキスをしてきた。
「…………これの無いが良いんだ?」
クリアは、俺から唇を離し、身体を離して疑問に思っている。
「そりゃあねぇ!?好きでも何でもない同士でやっても意味なんか無いに決まってるだろ!?」
「そうなのか?」
「そうなのッ!!」
「そうか。じゃあ別の女は?」
「別の女って……ララは……そうだなぁ……多分抱きしめられるのが好きそうで───」
俺が言い終わる前にクリアは抱き付いて来た。
「……おい」
「これで交尾すればいいのか?」
「…………ああ、もうッッッ!!」
いい加減、面倒くさくなってきた俺は、抱き付いて来たクリアを無理矢理引き剥がしてベッドに寝かせて、そのまま押し倒した。
「おお!?」
「もういい!どの道、俺が全部教えなきゃいけねーんだ……だったら徹底的にやってやる……!全部テメーの身体に叩き込んでやる!」
俺は身体強化魔法を発動し、身体を成長、強化する。
「泣こうが喚こうが絶対に止めてやんねーからな!?やりたい!やりたい!って修行中もずっと言ってたのは、お前だからな!?」
───キョウは、暴走した。
好みの顔、好みの身体つきで交尾しろ、交尾しろと迫られ続けていても俺にはディザベルがいるからと耐えていた。
だが恋人であるディザベルとディスティアから許しも出てしまった以上、こうなるのは必然だった。
……こうして、ディザベルとディスティアとやる時のような優しく愛に満ち溢れたセックスではなく、一方的で乱暴な『調教』と言えるようなセックスをしたのだった。




