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VS 勇者一行(戦士と僧侶)

アルズファミリーを壊滅させ、ヴァイスたちより早めに帰った私はマリアッチの魔獣の世話をしに隠し部屋に来ていた。


確かに獣臭いかも。でも、ソレがかえって落ち着く自分がいた。


ノワール「マリアッチ、それなぁに?」


マリアッチ「春服ですよ!」


通販で届いた春物を段ボールから取り出し目をキラキラさせているマリアッチに問いかけた。


ノワール「着てどっか行くの?」


マリアッチ「ノワール様さえよければ、シンフィールド先輩の所にでもピクニックに行こうかと。」(テレテレ)


そうなの?


ノワール「ちょうどいいわ、シンフィールドさんのところに行く予定があるのよ。その時に一緒に行きましょう。」


マリアッチ「ほんとですか?!やった!」


マリアッチに抱きつかれる。うーん、この子も可愛くなってきた。


最初の頃はパッとしなかったけど、命令コードがちゃんと書けるようなって、ちゃんと魔獣を作れるようになって、自信がついたのか最近はキラキラ輝いて見える。


ノワール「シンフィールドさんが新作を作ったから見に来いって。」


マリアッチ「オー、ソレは楽しみです!」


魔獣「にゃーん。」


あ、今回の子はこんな鳴き方なのか、なんか弱そう。


ノワール『エンハンブルク、私が暴れてこようかな?そのほうが早いかも。』




夕方前に、ヴァイスとホムンクルスが返ってくると私は彼女を玄関で捕まえた。


ホムンクルス「何でしょう?ノワール様。」


ノワール「紋章魔法の魔女の予約が取れたから、あなたに行ってもらおうかと思って。」


ヴァイス「紋章魔法?なんかヤバそうな響きだね?」


隣にいたヴァイスは外套をアルゲンに渡すと、私と影武者との会話に参加してきた。


ノワール「護身用よ。大丈夫。どう?行く?」


ホムンクルス「はい。ヴァイス様を守るためでしたら、是非!」


ヴァイス「決まり。予約の段階では炎系で統一してるけど、注文があったら、店主に言ってね?その分のお代は多めに支払ってるから。」


ホムンクルス「あ、ちなみに何と何ですか?」


ノワール「ファイヤーボールとファイヤーウォール。使いやすそうでしょ?」


ホムンクルス「なるほど。それなら近接戦闘用に刃物も欲しいですね。」


いいわね。


はしゃいている双子のような私たちをヴァイスは物言いたげに黙ってみていた。


ヴァイス『あれ?この子も裏の世界に行く気か?』


ヴァイスの外套をしまってアルゲンが玄関に戻ってきた。


アルゲン「皆様、夕飯の支度はできてますので。食卓へおいでになってください。」


ノワール「それじゃ行きましょう。夕飯食べたら一緒に魔女のところへ行くわよ。」


ホムンクルス「はい!」


ヴァイス「人間とかけ離れてきたノワールは置いといて、帰ってきたばっかりなのにタフだなぁキミは。」


ノワール「ちょっと、どういう意味?」


アルゲン「…………」


ホムンクルス「私、こう見えて魔導生命体なので!」


ヴァイス『元から人間じゃなかった……』




後日


サンドイッチを敷き詰めたピクニックバッグを持ち、ピンクの春服でウキウキのマリアッチとレイピアを腰に下げ男装をした私はシンフィールドの待つ、ドラゴン精製施設に赴いた。


シンフィールド「おう、ノワール。マリアッチも、よく来たな!」


シンフィールドは新しいドラゴンたちを従えて私たちを出迎えた。まだ保護色の緑色の個体と鱗が緑に赤のグラデーションの個体がいる。


見せたいのはこの子たちではないらしい。


シンフィールド「まあ、まだ外には出せない。なんてったって、すぐ飛んで逃げるからな?」


ノワール「逃げる?」


マリアッチ「飛行能力が高いんです?」


シンフィールドはもったいぶって焦らしている。


シンフィールド「フッフッフ、見てのお楽しみだ。」


シンフィールドに案内された新しい区画、自動で開く扉にも驚くが、厚い大きなガラス窓の向こうの天井の高い部屋には細い身体に対して大きな皮膜の翼を持つ蛇のようなドラゴン種が雲梯うんていに留まって羽を休めていた。


ノワール「何アレ?」


私が大きな翼のある蛇(?)を指差して質問する。


マリアッチ&シンフィールド「ワイバーンです(だ)。」


コツン


マリアッチ「あいた!」


シンフィールド「私のセリフだぞ。」


頭を小突かれたマリアッチはそこを撫でながら平謝りしている。


ノワール「何か、空輸でもするの?」


シンフィールド「そうさ。昔は飼い慣らして、小荷物、郵便物の輸送手段、騎兵として運用してたんだ。一回の出産で産む卵が1〜2個だから、度重なる戦争で絶滅したがね。」


ノワール『へぇ。』(ニチャァ)


マリアッチ「積載量は成人男性2人分と少ないですが、数があれば、色々使えそうですよね?」


シンフィールドは自分にはべらせているドラゴンを指して言う。


シンフィールド「まあ、この子たちより劣るが小回りがきくんだ。ワイバーン、使えそうだろ?」


私たち三人は飛び回るワイバーンを鑑賞しつつ、マリアッチの持ってきたサンドイッチで酒盛りした。


ノワール『まるで、首都で小さい時よく連れてってくれた動物園みたい。』


爬虫類かわいい。




その日の夕方頃、馬車で遠出をしていたヴァイスが戻ってきた。


ノワール「おかえり!セルレアはどうだった?」


ヴァイス「備蓄されてた小麦を100万トンほど買い付けできたよ。」


密造してた麻薬や武器のお金、上納させてた売春宿の売上を貯めていた甲斐があった。


ノワール「やったわ!」


かねてより計画していて勇者一行に妨害に遭っていた計画を実行できると知って私は飛び跳ねて喜んだ。


ヴァイス「ノワール。パン屋でもやるの?」『アンパンでも作ってオクシドに売り込むのかな?』


ノワール「じゃあ、早速、焼いてくるわ!」(ニコニコ)


ヴァイス「なんだか、やな予感……」




それから暫くして、

月夜の大空をワイバーンに乗った私はエンハンブルクの穀倉地帯を目指して北へ向かって飛んでいた。


ノワール『まさか、こんな形で乗馬技術が使えるなんてね。』


馬を操る要領でワイバーンを操作する。試乗からワイバーンを自在に乗りこなすのに、騎兵ライダーの私はそんなに時間は要らなかった。


ノワール「見えてきた。」


そうこうしてると、平地の向こうに穀倉地帯が見えてきた。夜風に揺られた麦が月の光を反射して金色に輝いて美しい。


ノワール『神をそろそろ起こすか。』


スルトとアヌビスには普段眠ってもらっている。そうしとかないと、咄嗟の時に能力が発動したりするし、何より脳への負荷が大きい。2人を起動してると思考が極端に鈍化する。


ースルト。戦闘モードで起動。ー

ーアヌビス。戦闘モードで起動。ー


私は脳裏にいるスルトとアヌビスの神々に質問した。


ノワール「2人は遠距離から攻撃できる手段はある?」


アヌビス「私のはアメミットだな。」


ノワール『なにそれ?』


アヌビス「え~と、言語化したことが無かったから、ちょっと待て。」


スルト「我のはアグニだ。説明は面倒だ。使ってみるといい。」


ここで?ワイバーン焼けない?


スルト「我の熱は味方には効果はない。はず。」


はず、かぁ。


ノワール『まだやめとこう。』


何度か試乗してるけど、ワイバーンを私がまだちゃんと仲間だと認識してない可能性もある。


アヌビス「待たせたな。アメミットは大きな爪を飛ばして相手の心臓を貫く魔法みたいなものだ。試してみるといい。」


試した相手は確実にただじゃすまないが、私と倫理観を共有してるからだろうか?それとも最初から、こうなのか?


アヌビス「死が怖くて、ミイラ作りなどできるか。」




ワイバーンから穀倉地帯に降り立つ。


すると、向こうから、見知った顔がこちらに向かって来た。勇者一行の戦士と僧侶だ。


戦士「やっぱりな!穀倉地帯を執拗に狙いやがるからおかしいと思って見張ってて良かったぜ!」


僧侶「あなたが親玉ね!」


ノワール「アメミット。」


ズド!


魔法の大きな爪が避けた二人の間を高速で通り過ぎていく。


ノワール『アレ?ホーミングないの?』


戦士「問答無用かよ!」


僧侶「勇者たちは?!」


戦士「売春宿だ!」


僧侶「あのジジイ!」


戦士が大剣を担いで駆けてくるのを、僧侶が魔法で援護する。


僧侶「風刃(ブレイドストーム!」


体を切り裂く一陣の風が私を中心に巻き起こる。ワイバーンは空へと退避した。しかし、


ユラユラ


私の体には傷1つつかなかった。身体が真っ赤に燃えて光る。それだけでも周りの小麦畑に火がついた。


スルト「五行魔法の金か、効かんなぁ。」


ノワール「アグニ。」


掲げた右手から瞬時に極太のプラズマ化した熱線が放たれる。


戦士&僧侶「!?」


ドパァっ!


ソレをもろに受けた、僧侶は言葉も発することなく上半身が溶けてなくなった。


アヌビス「アメミットを使いやすくしてみたぞ?」


戦士「くそ!よくも!」


大剣の大振りの一撃を後ろに飛んでかわす。


スルト「次からはかわさなくていい。」


ノワール『あんなの受けていいの?』


スルト「まあ、やってみろ。」


ノワール「アメミット!」


左手から親指くらいの小さな爪を放つ。それは器用に曲線を描いて戦士の胸を貫いた。今度のアメミットは狙った相手の心臓めがけて飛んでいくように改良されていた。


戦士「おう。」


鎧を貫通した魔法は心臓に穴を開けたのか、鎧に穿った穴からリズミカルに血が噴き出す。


戦士「僧侶、かい、ふく……を」


戦士はその場に片膝をつきまだ闘志をこちらに向けてくる。


ノワール「トドメだ。」


私は真っ赤に焼ける手で戦士の顔をつかんだ、近づくだけで鎧兜は溶け出し戦士の肉を焼く。


戦士「ギャァァァ!?」


生きたまま、脳を焼かれるのはどんな気分だ?


思考はできても声にはできない。神を二人も使うと、それなりの弊害があった。


ドサ!


内臓が水蒸気爆発して、ほぼほぼ炭化した戦士を投げ飛ばすと。神をスリープモードに戻して、私は光るのをやめた。


ノワール「さてと。」


勇者一行の戦士と僧侶は始末したし、穀倉地帯も焼き払った。


今後、飢饉に陥ったエンハンブルクは同盟国のソリタニアに支援を要求してくるだろう。


ノワール「せいぜい、高値で売り払うか。」(ニチャァ)


私はワイバーンにまたがると帰路についた。


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