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バカしかいない異世界で最強軍師になってみた  作者: 鉄道の人
チート嫌いのソウタの昔話
65/70

チートと目的地

*月 *5日 (土)


ばっかだなぁ。本当に。

徹夜したら体に良くないって親に言われなかったか? ひとまずアレじゃ昼まで起きないだろうから朝飯を抜いてやった。これで頭冷やせ。ばーかばーか。

まあ実際**は殆ど完成しているっているのが只の馬鹿ではないんだよね。

遂に後は実用テストだけとなったか。

それでもどのくらいの時間かかるんだろうな。


あ、そうだ。また買い出ししないとな。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「何ですか? これは……それにこの場所は……」


扉の奥は、今までの閉塞感漂う洞窟とは一転、結構開放的であった。


高さはだいたい人4人分くらいかな。

広さも講堂とまでは流石に言い過ぎだが、かなり広々としている。


そしてさっき見た謎の機械が何台も並び、さらにそれを置く机、研究棚のようなものがびっしりと並んでいた。ここまで言えば何の変哲もない普通の部屋(普通の部屋とは何かによるんだが)と言えるのかもしれないが、後で考えてみたら実際そう簡単にいくことがもうレアケースにしか思えなくなっていた。


机の上まででは飽き足らず、床までも侵食されており、足の踏み場が全く無いとまでは言えないものの、この部屋の主導権ほぼを得ているような紙束や冊子の山。


壁には、何語かもわからない謎の文字が沢山並んでいる。


アルファベットなるものさえ全く理解出来なかったんだ、こんなもの干からびた蚯蚓|≪みみず≫がのたうち回っているようにしか見えない。


さらに、『薬品保存庫』と書いてある小さい扉(もちろん読めないのだが)だったり、正直言って何のために使うのが全く予想ができない器具が無造作に散らばっている引きだしがやたらと多い古臭い机などがある。


……正直なところ、あまり触れたくない。


「ここは、地上のあの場所とは違うことをしていたのですか?」


「そうですね。地上のあの施設も元々はこの場所の延長みたいなものですから。まあ、今となってはもうほとんど煙に巻かれてると思います」


ほとんどの人がもう既に忘れてしまったと思うのだが、僕は元々ここでの実験の材料だったんだよ。「望むものを確実に創り出す」という感じの計画とかだったはずだ。このことを聞いたのはもうずいぶん昔の出来事、しかもこそっと盗み聞きした程度だからあまり覚えてはいないけども。


そしてエイタのあの件以来、何故かはわからないが僕は件の能力を使うことができなくなってしまった。

エイタ曰く、自分含めてこんな状態に陥ってしまったことは一度もなく、そのせいか、僕のことをかなり気にしている様子だった。


しかし、事の経緯を知らない他の奴からしたら、『それなりの優位種が何故かいきなり能力が使えなくなった』以外に説明のしようがない。


甲に不必要と判断されたのか、それとも他の誰かの独断か。僕は牢獄の様なところに拉致監禁され、劣悪な環境下に置かれた。


失敗作を放棄するのならまあ当たり前なのかな、とも思ったが、

その時の僕は人間と同じ……いや、人間そのものだったから、普通に死ぬ危険があったわけだ。

エイタが1日3度面倒を見に来てくれなければ、もしかしなくても僕は死んでいた訳だ。


1秒でも早く忘れたい嫌な記憶だが、この先もしかしたら必要があるかもしれない。

願わくばそんな事ないといいんだけども。


そして今、僕はその本拠地と言っていいところに呼び出された。


その目的は何なのか。

再び僕を捕まえるためなのか。しかしそれなら完全体の力を使えばすぐに可能なはずだ。

何故あの気の遠くなるような道のりをわざわざ選んだのかわからない。


もうしばらく様子を見るのがいいかな。


「ただ、地上とここでは行っていることが全く違うのです。地上でしていることは貴方も恐らく一度は聞いたことがあると思いますし、何なら少し前にいいましたしね。 『欲望がなんでも叶うようになると人はどんな考え方をするのか』です。後もう一つ、つまりここでしていることは……」


ここで甲は饒舌だった口をピタッと止めた。


……甲は何がしたいのだろうか。この男、思考が全く読めないや。

 


ここでまさかのお茶目か、焦らすのが癖なのか、又は回答待ちとか。


次どんな風変わりな一言が来るか分からずに、奥歯を噛み締め、拳を強く握る。


こんな状態の僕がお目当てなのかな。

いやいや、まさかそんな事あるはずない。






甲が口を開いた。




「ーーごめんなさい、ど忘れしました」





ええ……そんな事ある?

思わず横にズッコケそうになってしまった。


しかも素振りや声色から、嘘でもない事が分かった。


どうやら本当に只のど忘れのようだ。

天才に見えたんだが、そんな事があったとは。


「すみません……」


こんな様子の甲は見た事が無かった。

僕は少し笑ってしまった。

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