チートと天才=変な人の話
無題
*月 *3日(木)
ここへ帰ってきて2日目。
初日の結果は……お世辞にも芳しいとはいえないものであった。ショックだなぁ。
あーあ、それにしても何もかもが久々過ぎてなかなか上手くいかないもんだねぇ……。まあ、長いこと触ってすらなかったし、****もご機嫌斜めになる事分かってたし。**も来てくれたから、流石に昨日よりはマシになってると思う。**は正直、何考えているか分からないって言われるからね。僕は**の考えることなら大抵わかるし、扱いには慣れているつもりだよ。伊達に*年も親友兼****勤めていないとでも言っておくか。
さて、***までなんとか本調子を取り戻せたらいいな。それまではほどほどに、頑張ってみよう。そろそろ時間だ。**に戻ろう。
あ、そうだ。3日後**様ゟ司令が来る手筈らしい。忘れると怖いから書いておこっと。
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今は昔、嘘。ちょっと前。
ここはなんかよくわからない自然の悠々しさの鱗片を感じ取れる放棄された坑道と自然生成の洞窟の中間、といったところか。
そこに変なのが2人現れたらどうなるだろうか。
結果は簡単、とにかくヤバい。
この騒動の中にて僕はそれだけ学んだ。
実際、僕も紆余曲折あんな事やこんな事を繰り返すうちに、かなーり無駄としか言いようがない時間を浪費してしまった自覚がある。
あれ、そういや何か忘れてる気が……
まあそのうち思い出すだろう。
人に似ている……もとい人は忘れる生き物だ。
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「ところで今作は何ヶ月この件で消化していくんですかね」
「この件……第四の壁を容易く超えるんですね、やると決めればそれなりの覚悟が無ければ場が冷めてしまいますよ」
「大丈夫大丈夫。今頃作者は中間試験前でヒイコラしてるだけですから。すぐに素面でこれ描き出すから僕たちは首に鎌でも当てて待っていたらそのうち新しい話が出てきますって」
やめてくれ僕が苦しいだけなんだ。
まぁ中間試験が近くにあるのは本当なので(ry
気ままに待っててください。
以上、少しのブレイクタイムでした。
………(これの存在価値あるんかな)
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「助かりました。僕は少し前からにのお手上げ状態なんですよね」
結局、あの謎のヒントを甲から教えて貰う事になった。
「じゃ、早く始めましょう。こんなつまらないところで時間を割く必要は多分ないので」
あー、面目ない。
そもそもなんで僕はこんな面倒な事をしなくてはならないのかという脱線ワードは封印して、甲の話を聞くことにしよう。
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「まず、さっき渡したメモの意味は分かりますか?」
「さっぱりわからない!」
「即答ですか……じゃあソフトウェアキーボードなんて分かりませんよね」
「ソフトウェア? なにそれ? 暖かいソフトクリームの事?」
「はい。斜め下の回答が来ちゃいました。ソフトイコールソフトクリームという考え方はやめた方がいいです。多分後悔しますよ。ところでなんでソフトクリームなんて言葉知ってるんですか?」
「エイタがたまに奢ってくれたんです。ソフトウェアキーボードってあの謎の紙の事ですか?」
「成る程、ではそのついでに彼にこの世の事を色々と教えて貰えなかったのですか? そうですね、ソフトウェアキーボードは見た目はそんな形です」
「まだ発展途上なんですよ。本当はもっと教えてもらいたかったんですけどこの騒動でね……。 それはよかった。それがこの謎解きにどう関係するのですか?」「えーと、この騒動の詳細は後でにしましょう。しかし分かったところで使い方がわからなかったら全く意味無いんですよね。そこら辺の子供に『余弦定理の証明をしてください』って言ってるようなものですね」
「何故ですか。気になっちゃうなぁ。ええと余弦定理の証明はまず角Aを鋭角にした適当な三角形をつくって頂点Cから辺ABに垂線ADを引いて直角三角形を2つ、ACDとBCDを作ります。それでBCDをピタゴラスの定理を使ってCD²+BC²=CB²で表して、三角比CB=a、CD=b sinA、BD=c−b cosAを代入したら、a²=(b sinA)²+(c−b cosA)²となり、これを展開して、
a²=b²sin²A+c²−2bc cosA+b²cos²A。b²で括りa²=b²(sin²A+cos²A)+c²−2bc cosA
すなわちa2 = b2 + c2 – 2bc・cosA となる。角Aが直角の場合は簡単です。三角形ABCは直角三角形となるので、ピタゴラスの定理よりa²=b²+c²となります。cosA = cos90 = 0であることから、a²=b2+c²−2bc cosA は成立します。
最後に、角Aが鈍角の場合はまず頂点Bから辺AC方面へ半直垂線を引いてその線と辺CAの延長線上の交点をHとします。
BH=c sin(180-A)=c sinA、AH=c cos(180-A)=−c cosAと表します。
BCHでピタゴラスの定理を使ってBC²=BH²+CH²と表して、
a²=(c sinA)²+(b-c cosA)²
=c² sin²A+b²−2bc cosA+c²cos²A
=c²(sin2A+cos2A)+b²−2bc cosA
=c²+b²−2bc cosA
よって、a₂=b²+c²−2bc cosAは成立します。
これと同様にすることでa²=b²+c²−2bc cos A、b²=c²+a²−2bc cosB、c²=a²+b²−2bc cosCが成り立ちました」
「凄いですね。バッチリ導き出しています。しかし余弦定理の証明が出来てケータイ文字の仕組みを知らないとは普通おかしいって思いませんか?」
「彼に教えて貰ったので。ケータイ文字?とやらは彼も知らなさそうですね」
「変わってますね」
「ところで」
「何でしょうか」
「ヒントはどうなりました?」
「あっ……」
「ええ……」
「すみませんでした」
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結局甲が解く事になりました。
「結局こうするのが一番早かったりしてしまうんですよね」
何であんな事言ったんだろう。
社会で役に立たなそうな学習第6位くらい鎮座してそうな余弦定理なんて解いちゃってさ。
脳がおかしくなったのだろうか。
僕は頭を軽く小突いてみた。
ゴン。
少しやりすぎた。首と顔より上がニュートンのゆりかごの様に吹き飛んで行くのがわかる。
かなり痛い。
はいはい、これは現実と。
ところで顔をぶっ叩いて夢か現実かを調べるって方法があるのは知っている。
エイタから聞いた。
それすら嘘だったら僕はもう2度と立ち上がれなくなる自信がある。
なんにせよ、仮に自分が現実ではない、夢の世界にいるとしよう。
自分は考えたんだが、例え夢であろうとも痛覚って機能するのではという事だ。
流石に現実と夢の世界では構造や物理法則が殆ど同じ聞く。
何やらG=9.801m/s ²だけ例外と聞いた。
(所謂夢の中だと体がふわふわするアレに似ているらしい。実際どうなるか知らないがもし違うのなら今度エイタ氏に痛い方のデコピンしておこう。)
要約すると、僕が言いたいのは夢の世界の中では夢の世界独自の痛覚を持ってしても変わらないのではないか、という仮説だ。
といっても、これを証明しろと言われてもどうする事もできないけども。
ピー。
ゴゴゴゴゴ。
「よし、行けました」
……などと支離滅裂な思考・発言をしているバカを片目に、どうやらエイタは扉の仕掛けを全て終わられてしまったらしい。
刹那、あまり聞き覚えのない電子音ののちに錆びた玉鋼と地面がこの世のものとは思えない程の奇声を上げながら、外開きの扉が僕ら2人の侵入を許した。
「ますます僕の存在意義が消えていく様な気がするんですが」
「もしそうなったら貴方は口封じで殺しますね」
よかった。まだ僕がここにいる理由がある。
それだけでも結構安心してしまう。
承認欲求は本当はよろしくないことなのに何故か抑制する事が出来ない。
多分、僕の心が弱いからなんだ。




