チートとすべての元凶
前話の投稿、15日前だってさ
笑える(ごめんなさい)
黄昏の日差しが地平線の彼方に消え、長い長い静寂の夜が訪れた。
そのあとすぐに、待ってましたと言わんばかりに夕凪が吹き付ける。
外に出る気力が完全に消えそうな、しかし慣れればどうって事ないほどの中途半端な風が吹く。
今日は新月の日。しかも空には目立った恒星が霞に覆われてその輝きを打ち消している。
そんなわけで、人里離れたとある場所にいる集団を照らすような大した明かりはなくなってしまい、もはや黒一色になっている。
「全く、『ここはヤバイから他の所に行ってあいつを探してこい』なんて……人使いが荒いなあ、あの人は」
ソウタはぶつくさ言いながら塀伝いに探索をしていた。
さっきまで彼は想像の練習をしていたのだが、エイタからの伝言を受け、外を見回る羽目になったのだ。
少し御機嫌斜めの様で、足元の瓦礫を蹴り飛ばしながら進んでいた、
「そもそも……『あいつ』って誰なんだろう……」
彼はこの施設についてを全く理解していない。
エイタにその旨を伝えたならば教えてくれただろうが、元よりその気ではなかった。
「過去なんて知ったところで」とその好奇心を封印して今に至るわけだが、これが今になって裏目に出るとは。
また彼は自分の不運を呪った。
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「成果はナシかぁ」
目を皿にして探索を続けて暫く経ったが、成果は芳しくなかった様だ。
「どんだけデカイんだよ、この施設」
青年が1人で探索できる範囲はたかが知れている。
それを東○ド○ム三個は余裕でスッポリ入りそうな敷地に、しかも全棟3階建て以上あるというおまけ付き(大部分は燃えたり破壊されたりしたが)の何処かにいる『あいつ』を探せと言われれば、大抵の人間は諦めるだろう。
「こんなのをずっとし続けないと行けないのかよ……先が思いやられるなぁ……」
今後の展開を想像して、早速胃がキリキリし始めた感じがした。
(あ、もしかして僕今後ずっとストレス溜まりそうな役任されるのか。吐血しそう)
しかしこういう展開は長続きしないのがお約束、
「……!!」
一瞬の事だった。
満身創痍のソウタの脳内に電気が巡ってきた。
勿論感電した訳じゃない。
例えるなら矢羽根の様な電気信号が頭の中に入り込んできた感じが。
「『こっちに来い』? なんなんだ?」
このまま探索を続けていてもラチがあかないとおもったもので、案内されたその方へ行ってみることにした。
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ソウタは案内されるまま、電気信号の示す道を歩いていった。
そうしてたどり着いた所が、施設の端っこの方の海がよく見える断崖絶壁だった。
(こんな場所があったのか……知らなかった)
興味があること以外は覚える気がないソウタにとって、この景色とここでした事はずっと心に残るほど興味が湧いたそうだ。
「貴方が……僕を呼んだので間違いないですか?」
見れば、崖に1人、白衣を着た銀髪の『人間』がいた。
ソウタは恐る恐る声を掛ける。
「ああ」
意外と軽く返事か来た。
「そもそも……何故こんな実験をしていたのですか」
チート見習いのソウタが、リーダー格の男に問い詰める。
「まぁまぁ、まずはじっくりと話させてくれ」
『君に問おう。
これも全部神とやらが仕掛けた舞台だったとしたら?
遠く、どこかの地から見ているとしたら?
急に言われても分からないか。
それは、中立に場面を静観しているものだったり。
それは、見たものを不安にさせる恐ろしい『何か』だったり。
観測者によってその違いは千差万別。
ひょっとして、隣にいる者とは違う物を見ていて、自分の見ている景色は唯一無二かもしれないし、世界のどこかで同じ事を考えたりしてる人もいるかもしれない。
そしてその景色は二度と見られない貴重な経験だったり、いつでもどこでも見られて飽和した経験だったり。
勿論、人によって考え方は違うだろう。
それが『個性』であり、『存在』そのものを表す。
これは本当に興味深い。
さらにもう一つ、『個性』で決まる事がある。
『それを見て考えた事』だ。
心理的状態や環境状態で多少の変化はあれど、感じる事は人それぞれだと思わないか?
わかりやすく例えを挙げよう。
或る者は、自分の空白を補填するため。
また或る者は、忌々しい束縛から抜け出すため。
また或る者は、友の為に命を懸けるため。
これが人間、いや、生物であるからこその長所でもあり同時に短所でもある。
短所とは……恐らく皆分かっていると思うし省かせてもらう。
兎に角、それが人間の研究に対しての理念といったところか。ただ単にそう思っただけの話さ。
(あ、これ長くなる奴だ。 一回区切られてもらおう)
ここで終わりかよw




