チートと旅のお誘い
ーーーーーーーー少し時は進みーーーーーーーー
僕がエイタと出逢いだいたい2、3カ月が過ぎた。
心を持った事で『実験』が自分にとって面倒だったなと考えていた時の事。
いつも通り彼はいつもの時間にここに来た。
「やっほ! 元気か〜?」
「ああ、こんにちは」
僕も初期に比べて大分喋れるようになっていた。
「もう人並みに話す事も慣れてきた様だね」
「貴方のおかげでね」
もう僕は人の『感情』の事もある程度理解して、慣れないながらも笑いかけれる様になった
それを見た彼はとても喜んでいた。
「いいねぇソウタ君。ところでなんだが……そろそろ僕がさんざん言っている『外の世界』に行ってみないかい?」
「ほぼ毎日聞かされているから、嫌でも興味は湧くよ」
少し嫌味紛いな事を言ってしまった。
僕じゃなくとも、多分普通の人ならそうなるよな。だよね今の僕?
「あはは……まあでも行ってみたくなったでしょう?」
エイタは頭に手を当てて、少し申し訳なさそうに言った。
(あ、この雰囲気は)
この時点で僕はエイタのする事を察して、鉄格子の縁へと移動した。
いつからか僕は他人の言いたいことが何となく分かる様になった。
今更だけども不思議に思うよ。
僕はまだエイタしか話した事は無かったのに。
……話が逸れた。
僕は牢屋越しにエイタの近くまで歩いた。
「へぇ…… 話が早くて助かるよ。言いたいことは言われたし、さっさとやるか」
話さずともエイタがして欲しい事をされて少し驚いていた。
そしてエイタは躊躇いなく牢屋の鍵を開けた。
鍵穴から音はしていなかった。
そういえば、彼も恐らく僕と殆ど同じ(もしくは似てる)能力をもっていた。
彼も僕と同じ事をされたのか……
「ところでだけど、これ見つかったら矢場いよな? どうするんだ?」
僕は牢屋から出て、今まで居た所をみて尋ねる。
「勿論対策はしてあるさ。 それ!」
エイタは手から僕そっくりの人形を創り出した。
それは僕はおろか、エイタとも見分けがつかなかった。
言うなれば僕とエイタを混ぜて均等に2で割った感じだろう。
しかし、遠目で見ると違いなんて分かるはずないだろう。
(そもそも両方似てるのもあるけど)
そして、エイタは僕が元いた場所に人形を置いた。
「さて、これで時間稼ぎくらいにはなるんじゃないかな?」
そう言いながら、エイタは牢屋の鍵を閉めた。
「彼奴、動かないから直ぐにバレると思うな」
「ああ。だからちょっとした細工をするしておいたんだよ」
エイタは悪戯を仕掛けた子供のように笑みを浮かべた。
「それじゃ……行くか!」
そして僕の手を掴み、転移を起動した。




