チートと反省会
「『落雷』で自然発火させて燃やすって言うアイデアは良かったけど、ちゃんと周りの状況を見てからにした方がいいです」
「……分かった。 気をつける」
只今俺とソウタは自宅兼図書館の三階の会議室でその場でできなかった絶賛反省会中だ。
俺の立ち回りや戦法はソウタには丸見えだったらしく、ソウタから説教を浴びせられている。
特に左手の負傷の件に対してはこっ酷く言われた。
まぁ、『幻影』が初めて上手くいって浮かれてたから気づかなかったって言う俺がやらかした案件だから仕方ないと言えば仕方ない。
「貴方は実践経験が浅いから、理想と現実の区別がついてないと言えば妥当かな……」
ソウタ曰く、シュミレーターに慣れると本物で機械の違いに戸惑う事件があるそうだ。
逆も然り、ベテランの電車の運転手でもシュミレーターで満点を取ることは出来ないらしい。
「確かにそうだ。 これから頑張って実践でも頑張るか」
「それがいいと思いますよ。後これを貴方に」
ソウタが差し出したのは、遺跡の宝箱の中身を無造作に詰め込んだ袋だ。
「僕が欲しい分は抜き取っておきました。後の物は自由に使っていいです」
俺はその箱の中を確認した所、結構価値のありそうな装備やスキル習得用のアイテムがあった。
「いいのか? これ以外の入手方法はないかもしれないんだぜ」
「欲しいと思えば幾らでも創れます。絶対しませんが」
ソウタにはチートがあるもんな……
「いいよなー。 したい事思ったら何でも出来るんだもんな? 羨ましいな」
つい、俺は愚痴をこぼしてしまった。
「冗談言わないでください! こんな塵みたいな呪い、出来る事ならさっさと消してしまいたかったんだ!」
ソウタがかなり不機嫌になる。
「あ……悪かった」
これは自分に非があったから、すぐさま謝った。
「僕は、チートを手に入れて嬉しいと思ったことは一度もありません。 チートには嫌な思い出しかないんです」
何故ソウタはチートを忌み嫌っているのだろう。馬鹿な奴ならこれで『無双してやろうぜ』なんて思うだろうに。
「ソウタ、何故お前はチートが嫌いなんだ?」
「っ……話せば長くなりますが……いいですか?」
「ああ」
「この話で二週間くらい使うかもしれませんが……いいですか?」
「ん?……ああ、いいよ」
「作者は早くバカ達のカオスな戦いを進めたいと言っているが……いいですか?」
「知ったことか!」
メタい! そして作者済まない!
「そこまで言うなら分かりました。お話しましょう」
長い長い昔話が始まった。




