ソウタの想像と作戦遂行
「かなり長期戦になるぞ……」
SPはまだそれなりに蓄えがある(+自動回復)からSPが尽きてぶっ倒れる事は無いだろう。
かといって、残りのHPを無策でオリジナルスキルで削りきる自信がない。
無茶してSP切れるがオチだろう。
因みに、SPはなくなるとぶっ倒れる。現実でも頭使ったら目眩がするアレだ。
スキル発動すると減る。オリジナルスキルの方が消費量が多い。
という訳で俺は『いかにして奴のHPを減らすか』の作戦を考えてみる事にした。
「ステージギミックとか無いか……?」
ボス戦が楽になる方法、或いは大ダメージの仕掛けが普通ならある筈だ。
「何処かに神様の救済措置があるかな〜あったら良いな〜」
しかしながら、目視出来る限りそんな物はある筈なかった。現実は残酷である。
「直視出来ないなら……地形データで!」
先程のレーダーは戦闘が終わるまで有効。その間なら何回でも使える。
レーダーは敵のステータスは勿論、地形や結界の位置・強度仕掛けなどの周りの状況が丸分かりになる優れものと説明文から聞いた。
俺はそれを応用して、地形データ及び絡繰が無いか調べてみた。
残念ながら味方になってくれそうな仕掛け等は無い様子だが……
「出来たぜ!最善の方法を!」
独りで大声を出して恥ずかしいと思ったが、そんなの直ぐに忘れた。
「決め台詞でいいかな、これ。」
なんて考えてたりした。
俺は自分の作戦を早速実行に移そうとする。
だがそこへと、思ったより早く奴の反撃が来た。
地面が十字にぱっくり割れたかと思うと、そこからマグマが噴出してきた。
多分この技の為に呼び出された自然消滅系のマグマだ。
俺はこの攻撃を『跳躍』で免れた。
元々飛ぶ予定だったから作戦になんら変わりはない。
「あーあ……綺麗な景観が勿体ない……」
と、口惜しながら呟く。
予想通り、マグマの噴火が終わったら自然と十字の跡は綺麗さっぱりなくなった。
しかし、奴はまだ追撃してくる様だ。咆哮が大広間中に響いてきた。
その時、それに呼応して壁から羽の生えた虫のような物が現れた。
「何⁉︎ 敵反応は無かったのに!」
俺の通り、さっきスキャンした時には確かに敵の反応は無かった。
「まさか今のこの瞬間、湧き出たと言うのか……?」
焦ってしまい、俺は無理に迎撃しようとしてバランスを崩してしまった。
「こーなったら……『風の刃』!」
一見迎撃しようとしている様に見えるが、これは上に登る為の手段である。
そう。作用反作用の法則だ。
当たったらノックバックを与えるスキルならその威力が地面に反射して浮かび上がるっていう絡繰さ。
「よし!」
もし失敗したら地面に激突して怯んだ隙に槍とか出てきてGAME OVER なんて事あるかもしれない。
「奴は追撃してくるんだ。最悪の場合を考えておかないと危なかった筈」
ちょっと頭がクラクラしそうだ。
こうして難を逃れて、後は足場に掴まる訳だが……
「ヤベ……ちょっと届かないかも……」
疑問が頭をよぎる。『高速転移』使うべきか。SPの無駄使いなのか。
悩んだ挙句、俺は『高速転移』を発動した。
しかしその必要は無かった。無駄にSPを使ってしまった。
俺は到達目標のかなり上に落とされた。
「いってぇ……『高速転移』使わない方が良かったか?」
ここは大広間のへりに引っ付いている所。
特に飾りなんて物はない。そして奴の真反対の場所。
ーーこうして、初めてレーダーではなく奴の顔を拝めた訳だ。
ノーマルスキル『ウインド・ブレード』
風の力で攻撃・ノックバック付与。
世界線と構造の話別に書いておこうかな……




