ソウタの想像と『違う奴』
お待たせしました。
ようやくボス戦始まります。
「アカギさん、ちょっとまって下さい!」
俺はノーマルスキルの記憶も終わり、さあボス戦に挑もうとしていた。
「なんだよソウタ。今からボスと戦う所なんだよ。早めに済ませくれ」
辺りから声が聞こえる。ソウタだ。
「いや……そんなに大した事ないんだけどこれを一応受け取ってくれ」
そう言うと、俺がいる小部屋の机の上に何かの音がした。
「説明は自分で確かめておいて。それじゃ」
そして直ぐに聞こえなくなった。
「それだけかよ」
という訳でまずアイテムに手を触れてみた。
名前『エネミーレーダー』
自分の周辺をスキャンして、スキャンされた者の「位置」「名前」「残HP」「特徴」「考えている事(人間のみ)」が分かる。
戦闘以外だと一回で壊れる。
交戦中だと戦闘終了まで自由に使える。
解説以上。
「よし、行くか……」
ソウタからのアイテムも回収して、俺は先にあるボス部屋へと進む。
「この部屋、外から見たより数段広いな……」
天井がベラボーに高く、開けた遺跡の祭壇のような所。
それは神秘的な空間を醸し出している。
しかし至る所に瓦礫が落ちており、それを台無しにしている。
「瓦礫に気をつけていれば、少し段差があるくらいで戦闘にはぴったりだろう」
数歩歩いた所で来た側の扉がバタンと閉じる音がした。
恐らくもう開かないだろう。
覚悟はとっくに出来ている。
俺は振り向かず先に行く。
だいたい真ん中くらいに到達した時くらいか、遥か上の方から地響きがした。
「上から来るだろうな。気をつけよう」
俺は衝撃に備え待機していたが、そこから普通とは違ったていた。
ふと、自分の周辺がさっきより暗くなった様な気がした。
「まさか……!『高速転移』!」
俺は何かを察して、その場から瞬時に離れた。
そしてその直後、俺が元いた所に瓦礫が落ちて来た。
「……!!」
あの場所に残っていたら即死だろう。
俺は『死』が身近に迫っている事に感じた。
「瓦礫落とし? 本体は?」
上を見渡すが、らしきものは全く無い。
と思いきや、咆哮と供にまた瓦礫がここへと落ちて来ている。1発ならまだしも、3つ連続で。
そしてさっきと同じタイプの緑の変なのが現れた。
「今頃ボスは上で俺のことを嘲笑しているのか。そう考えると相手はかなり知性的だな……」
普通の化け物とか魔獣のとかは一心不乱で生ある者を追いかけていた。
しかし、こいつは違った。
自分は極力動かず、配下や遠隔攻撃スキルでじっくり甚振るスタイルみたいであった。
「これは……かなり長期戦になりそうだ」
そう言いながら俺は手持ちからソウタの『エネミーレーダー』を使用した。




