ソウタの想像と『幻影』
「『幻影』!」
俺の声が電脳迷宮にこだまする。
手に入れたスキルを練習しているが、あまり上手くいかなかった。
「あつ……また外した……」
案外難しい操作に戸惑い、狙いが定まらない。
例えると、今まで一度も使ったことの無い筋肉を動かしている感じだ。
オールレンジ攻撃が難しい理由は、なんと言ってもその複雑過ぎる操作の仕方。
まるで自分の腕が4本くらい追加される様な感覚がする。
しかも、俺は針に糸を通すことが出来ないほどの不器用だ。初めてのことは説明を見ないと絶対出来ない。(逆に教わったら絶対に出来るのだが)
こんな高度なテクニック、初見で出来るはずがない。
「これは……相当練習が必要だな……」
俺は渋々『幻影』を解除し、来た道を引き返す。
道中何体かモンスターに出逢ったが、いずれも『幻影』の練習台にされて頂いた。
「すまないね。これも僕が生きる為に仕方のない事なんだよ」
だが、いかんせんスキルの上達には及ばない。
相変わらずコツが掴めないまま分岐点に戻ってきた。
「これは最初にここに来た道で、えーと……次はこっちだ!」
次に俺は入口に背にして真ん中の道へ進むことにした。
薄暗い一本道を歩いていると、また行き止まりであった。
目の前の壁には何か引きずっていた跡がある。
そして、僅かだが壁と床の間に僅かだが隙間があった。
「この付近には何か……お!」
俺はここの仕掛けに気づいた。
「あんな所にスイッチが……『幻影』!」
ダメで元々だが剣を飛ばした。
遠距離物理攻撃はこれしかなかった。
そして不器用ながらもその剣はスイッチにヒット。
「お! 当たった!」
俺は一度もうまく言った事がないので珍しく喜んだ。
そして、スイッチが入る事によって仕掛けが発動した。
目の前にあった壁がスライドして先の通路に進める様になった。
「よし……こんな感じか!」
やり方が分かったら後は簡単。
「『幻影』! もう一回……こんな感じで!」
今度は全弾ちゃんと狙った所に命中した。
「これなら……実際でも使えるな」
これで安心して先に進める様になった。
そして直ぐにモンスターと対峙した。
生物はスイッチとかと違い、動くのでしっかりと標準を定めないと剣は当たらない。
しかし、調子が良い今の俺にとっては造作もなかった。
「『幻影』!」
先程の下手くそな物とは違い、あっという間にモンスターを屠った。
全弾命中とはいかなかったものの、3発当たった。
「後は慣れだな。繰り返し練習すればなんとかなるか」
とりあえず先に進む事にした。
少し浮かれていたのか、周囲に疎くなっていた。
自分がトラップの起動感圧板を踏んでいたとも知らずに。
即座に後方から矢が飛んでくる。
この事にまだ俺は気づいてない。
さて、どうなるでしょうか?
To be continued……
終わり方を少し変えました。
やってみたかっただけなんです。




