ソウタの想像と過ち
「5727318! 54X二乗! 452.654!」
ここはソウタが想像した電脳世界。
永遠に湧き続けてる敵の問題を解いている。
そして黙々と問題に答えながら剣を動かしている。
常人ならとっくに音を上げている頃だろう。
しっかしこんなつまんなそうな特訓、読んでくれる読者多分いないだろうに。
「次!」
もちろん、終わりなどない。
俺が倒れるまで続く。
「4(8X−4X)+12=94」
「3!分の5!」
「⒋√5+12√121」
二次関数。階乗。平方根ときた。
かなり難しい。これを暗算で解けというのかよ。
俺の中で何かが吹っ切れた。
「……やってやろうじゃん? 本気みせてやるぜ!」
ーーsideソウターー
*ここからソウタの一人称視点になります
あいつを電脳世界に飛ばして早2時間。
「そろそろくたばるか? いや、あの人だからまだ3時間半くらい持つかな?」
アカギ君のステータスと才能は把握済みだ。
普通の日本人ならせいぜいノーマルモードで1時間が限界であろう。
ましてやここに居る人はイージーモードでも10分も持たないことは立証されている。
全く、イージーモードが許されるのは小学生までだって誰かが言ってなかったか?
「144÷12も分からなかったからな……流石バカと言っておこうか」
しかし相手はアカギだ。予め難易度最大、ベリーハードモードの問題を用意したが、たやすく解いてしまう。
なんて知力だろう。さすがクレイさんが『天才』候補に選んだことはある。
「もしかしたら僕と同レベル……いや、ほぼ互角に渡り合うかもしれないな」
これは頑張ってもらわないと……。
そこで、僕はつい『発想』してしまった。
「あの電脳世界が迷宮になってボス倒すまで外に絶対出れないようになればな……っっ!」
あ、やってしまった。
必死に取り消そうとしようとするが、もう遅い。
『想像』を叶える。
それは、時には起死回生の得策。
時に欲望を現実にする怠惰の根源。
そして。
制御が効かない邪魔な物。
「また……やってしまった!」
二度とこんな過ちを繰り返さないと決めたのに。
急いでアカギに連絡を入れる。
「緊急事態だ! アカギ君!」
「どうした? お前が声を荒くするって事は余程のことでも起きたのか?」
幸い、すぐに繋がった様だ。
「落ち着いて聞いて下さい。 君のいる電脳世界の形がもうすぐ変わる。 かなりの衝撃が見込まれるがじっとして動かないで」
「形が変わるって……さてはお前何かしやがったな?」
まあ、僕が原因だから責められるのは仕方ないか。
「ああ。僕の失態の様で。そこではHPが0になったらそこで人生終了。抜け出すにはボスを倒すしかない。まさに『デスゲーム』とか言うやつです」
「まじか。 ここから出たらなんか奢れよ」
ま…….まあ仕方ない……のか?
「分かったよ……。スキル使用禁止の縛りは解除しておいた。検討を祈る」
通話を切った。
頑張ってくれよ……アカギ君!
え? イージーモード?
キモーい!
イージーモードが許されるのは小学生までだよねー?




