16部隊とアカギ
「終わった……」
今度こそ倒せた。
念のため10分くらい警戒していたが、「魔獣」の動く気配は感じられなかった。
そう。俺が殺した。
俺は、「魔獣」であったものの前で合掌した。
そして。
「観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 照見五蘊皆空
度一切苦厄 舎利子 色不異色 空不異色 色即是空
空即是色 受想行識亦復如是 舎利子 是諸法空相
不生不滅 不垢不浄 不増不減 是故空中
無色 無受想行識 無眼耳鼻舌身意 無色声香味触法
無眼界 乃至無意識界 無無明亦 無無明尽
乃至無老死 亦無老死尽 無苦集滅道 無智亦無得
以無所得故 菩提薩埵 依般若波羅蜜多故
心無罣礙 無罣礙故 無有恐怖 遠離一切顛倒夢想
究竟涅槃 三世諸仏 依般若波羅蜜多故
得阿耨多羅三藐三菩提 故知般若波羅蜜多
是大神呪 是大明呪 是無上呪 是無等等呪
能除一切苦 真実不虚
故説般若波羅蜜多
即説呪日 羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦
菩提薩婆訶 般若心経
っと…これでよし!」
そう。俺は『般若心経』フルで唱えたのだ。(読み飛ばしても良かったんだよ)
それに完全に置いてけぼりにされているアカリさん。
「え……? 何だったの今の……」
ポカーンとしてしまっている。
まぁ、当たり前か……
「『般若心経』。詳しい説明は長すぎるので省くが、要するにせめて来世が幸せでありますようにってことだ。」
要約して説明する。
「へえ……。 でも良いのですか……? 敵にまで供養してしまうのは……」
「ああ……うん、敵とは言え、生きる者を殺したのは抵抗があるからな……」
これは俺の正直な気持ちであった。
幾ら元いた世界で人を恨もうが、生物を傷付けるのは若干の躊躇いがある。
所詮俺はそんなチキン野郎だよ。
「なら、軍なんかに入って良かったのですか?」
難しい質問だな……
俺は少し考えた後、結論を出した。
「この世界に来た時点で、もう覚悟は決めて置いたんだ。『自分が殺らなければ、殺される』と……俺は思ってしまったんだ。 そこからはもう躊躇いは無くなったよ。戦闘後に般若心経を唱えるのは、癖でついやってしまう……こんなとこかな」
俺はそう言ったらアカリさんは少し微笑だ。
「上野アカギさん。 貴方の決意と覚悟、しかと受け取りました。これからも、よろしくお願いします!」
それは隊長として、俺のことを認めたという表明であった。
俺は笑顔で、
「ああ。よろしく。」
と、俺は言ったが、アカリさんは、
「あ……あんな恥ずかしいセリフを……言うべきではなかった……どうしよう……柄でも無い……」
と赤面しながら呟いていたので、恐らく聞こえてないだろう。
「あ……隊員たちどうしよう! ……あとで考えるとしよう……」
暫く現実逃避している俺であった。
興味ある人は般若心経調べてみてね〜




