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進路を考える子供たち

「え、お前戻るのか?」

「そのつもりだよ?」


驚いた様子で聞き返してくるディアンだが、即答である。


当たり前じゃないか。

何度も言うけど地元大好きっこなので。

まあ、できればずっとラクラエンに居たかったのだが、逆にこうなってしまえば王都の学校を出たというのは向こうで仕事を探すにもプラスになる可能性が高い。箔が付くってやつだな。


「シャルロッテは?」

「私はどうしようか迷い中。上級学校もいいけど、回復魔法の授業が楽しくてさ。だから場合によっては神官目指すかも。」


シャルロッテの言葉に私はほう、と息を漏らす。

神官を目指すとなると、上級学校とはまた別の神学校に行くことになる。


「2年生になると、回復魔法習えるんですね!うわー!」


お、カリナちゃんが食いついた。ちょっと意外。


回復魔法。もろファンタジーの世界である。

そういえば、町にもお医者さんはいたけれどこの世界のお医者さんは病気とか怪我を魔法で治療するのだろうか。

幸いなことにお世話になることが無かったからどういう物なのかさっぱりわからない。


「1年生でも最後の方にちょっとやるよ。その時先生が言ってたんだけどね、この学校でも回復魔法の基礎の勉強はできるし、上級学校でも色々習えるけど、本格的にやりたいならやっぱり神学校なんだって。」


ほう、なるほど。魔法は魔法でも回復魔法ガチ勢は神学校へってことか。


「神官かぁ。」

「ただ、神学校出ても神殿所属じゃなくて、旅の神官…つまり冒険者になったり魔術師団に入る人もいるらしいよ。」


ていうか、結構いるんだって、と笑うシャルロッテ。まあ、シャルロッテならどっちでもできそう。この子器用だし。


それにしても戦う神官か。確かにRPGとかのゲームでも回復キャラは必須だったもんね。攻撃だけ強くてもいつか詰む。


「冒険者かぁ。サラちゃん、冒険者とかもできそうだよね。」


へーほー、と他人事のようにシャルロッテ達の話を聞いていた私だったが、隣にいたグレッチェンちゃんから突然そんなことを言われ慌ててそちらを振り向いた。


「な、なぜ冒険者。」

「いや、魔力の制御うまいなー、と思ってたからさ。この間の授業の時。」

「そ、そうかな?あ、でも、運動神経がイマイチだからな、私。」


前世でも体育は中くらいの成績しか取れなかった私である。

そして転生してもそのあたりのスペックがほとんど変わらないことに地味に子供のころは(と言っても今もだが)失望したのものだ。


「でも、サナーフェル君が魔法薬ぶちまけた時の動き、超素早かった。」

「あー、あの時ね!すごい勢いで飛びのいてたね!」

「あのときはあの時!」


先日行った実験時に起きたトラブル、他の班の子にも見られてたのか…。

いや、だって魔法薬とか浴びたくないじゃん。必死にもなるわ。


「冒険者、ねえ。私痛いのはなぁ…。」

「一攫千金狙えるっていうし、登録さえすれば重犯罪者でもない限り誰でもなれるからとりあえずやってみるっていうのも手かもね。そうそう、ラクラエンの役場の窓口に50歳くらいのおばさん居たじゃない。あの人元冒険者なんだって。」

「そうなの!!?」

「ある程度稼いで引退したらしいよ。でもあのおばさん、王都の学校には行ってないらしいけどね。それでもそこそこ有名だったとか。」


マジかよ…役場の窓口のおばちゃん…。ふつーの小太りで声のやたらでかいおばちゃんだと思ってた。


「意外と身近にいるもんだね!でもやっぱり私は町がいいなぁ。」


地元のおばちゃんの意外な過去にびっくりしつつも、私は改めてそうしみじみ思う。うん。いい町だよ、ラクラエン。


「サラはそう言うと思ってた。ふふ、安定した生活なら、騎士団とか魔術師団とかがいいって先生が言ってたよ。冒険者は少人数で動くから後衛の魔法使いとか神官でも危険は大きいって。」


まあ、現実だとそうだよね。敵が常に正面から来るとは限らないわけだし。

そうなると隊列を組んで戦う騎士団とか軍隊は比較的安全ってことか。


「ディアン、堅実派だったんだね…。町にいたころはあんなに色々やらかしてたのに…。」

「やらかしてたとか言うなよ!」

「サラちゃん、近所のおばちゃんみたい…。」


ディアンの成長にほろりとしていると、グレッチェンちゃんから冷静なツッコミが入る。なんてこったい!!


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