再会と告白
防衛隊の皆の拘束を解き、防壁から町の方に降りたところ、ユリスとグルガさんが待っていてくれた。。
「上手くやってくれたようね。こちらにも大きな被害がなくて本当に良かったわ」
「防壁のそばに大きな穴をあけてしまったがな」
「それも必要なことだったと言うことよ。向こうも攻めづらくなるだろうし」
「ユリスがそう言ってくれると俺は助かるな。」
それにしてもこの侵攻に王の盾のメンバーが揃っているとは思わなかった。
何かリアラは話をしたそうだったが四人相手では流石に油断など出来ない。
急にこちらに飛ばされたから話も出来なかったが、もし機会があればまたゆっくり話をしたい。
師匠に引き取られてからは、リアラとも本当の家族のように育ったからな。
それにミラも俺がいないと王国では大変だろうし。
そんなことを考えているとグルガさんが話し出した。
「それでユリス様。今後はどうなされますか?王国軍が本気を出してきたらヴェルサスの防衛隊だけでは荷が重いかもしれません」
「そうね。それについては王国がどう動くか分からないから、私たちがヴェルサスに滞在するわ」
「ユリス様がですか!?それはありがたいのですが皇都の方はよろしいのですか?」
「向こうはジルバに任せておけば大丈夫よ。ここのところ国内は手は足りてるわ。ロイド君と私が居ればた大抵の相手はなんとかなるでしょ?」
そこまで信頼されるのもどうかと思うが、確かにユリスと共に戦うことを考えたらかなり心強い。
「であれば、この町の防衛をよろしくお願いします。寝泊まりする場所はどうされますか?ユリス様に見合うような場所は提供できないかもしれませんが」
するとユリスは笑顔で爆弾を投下した。
「それなら、ロイドくんと同じ部屋ならどこでも良いわよ」
そこにいた全員の表情が驚愕に変わる。
唯一何かを察したようなグルガさんが切り出した。
「まだこちらまで情報が入っていませんでしたが、そのご様子だと決闘の結果はロイド君が勝ったと言うことですね?」
周りの皆がさらに驚く。
「そうよ。だからロイドくんはこの国の決まりによって、今は私の婚約者になったの」
顔を真っ赤にしながらミリアが俺に詰め寄る。
「ロイドさん!!皇都に行ったと思ったら、何で女王様と婚約してるんですか!?私という者がありながら」
さらにややこしくなるから勘弁してくれ。
「あら、可愛い子ね。第二婦人なら良いわよ」
さらにややこしくしようとしてる奴がいるな。
「俺は何も知らずに戦ったんだよ。だから今は婚約者ということになっているが、一年後に俺がしっかり返事をすることになっている。ユリス、紛らわしい言い方はよしてくれ」
「あら、私はなにもおかしなことを言ってないと思うのだけど」
ヒルダとマーキスは別のところが気になっていたようだ。
「ロイド!女王様に勝ったのかよ!?すげー奴だとは思ってたけど本当に驚かされたぜ!」
「兄上の言うとおりだ。この世に女王様に勝てる者などいないと思っていたからな」
「たまたまだよ。命をかけた戦いなら結果は違ったかもしれない」
そう思うくらいユリスは強かったからな。
そんな和やかなムードで話していると急に少し離れたところが光り始めた。
光が消えると現れたのはリアラとミラだった。
「ロイド!!ようやく会えたね」
「ロイド様!!ご無事で何よりです!」
二人は俺に話しかけるが、どういう意図でここにきたか分からない以上皆に近寄せるわけにはいかない。
「久しぶりだな。だがこれ以上近づかずに武器を置いてくれ。ユリス!大丈夫だとは思うが何かあったら俺が皆を守るから、二人と話をさせてくれないか?」
「ロイドくんがそう言うなら私は良いわよ。その子たちがこちらに危害を加えないならね」
リアラとミラは杖と武器を地面に置く。
二人ほどの実力者なら、それだけでは安心出来ないが、まずは話を聞かなければ。
「武器を置いてくれてありがとう。ということは、魔皇国に侵攻するつもりで来たわけじゃないんだな?」
リアラは真剣な表情で言う。
「ジュリアスたちを手伝っていたのは後方支援を頼まれたからなの。私とミラは王国軍を抜けてロイドに会うためにあそこに居たの」
「リアラさんの言うとおりです。ロイド様を見つけて駆け寄りましたが、私たちは魔皇国の皆さんに害を為すつもりは毛頭ありません」
二人は嘘を言ってないように思えるが、完全には信用出来ない。
「そうか、済まないがそれだけでは信用出来ないな。俺はこちらの皆にたくさん世話になった。だからこそ簡単に信用するわけにはいかない」
リアラは一瞬悲しそうな顔をしたが、すぐに真剣な表情に戻し話し始めた。
「そうだよね。いきなり来て、しかも王国の侵攻もあった今はタイミングが良すぎる。そう思われても仕方ないよね。でも追い返すにしても話だけでも聞いてくれないかな?」
俺はチラリろユリスを伺うが、笑顔のままだった。
「分かった。そのまま話してくれ」
「ありがとう。自分の気持ちを隠したまま生きるのは辛いし、その気持ちを伝えたい相手が目の前から居なくなるのはもっと辛かった。だから今ちゃんと言葉にするね――」
少しの沈黙の後、リアラは何かを決心したような瞳で俺に語りかけた。
「ずっと、それこそ小さい頃から言えなかったんだけど……。私はロイドのことがずっと好きだったの!ロイドのそばに居たいの……」
えっ!?そんなの知らなかったぞ。それになんでこの状況でそれなんだ?
俺が混乱しているとユリスが大声で笑いながら言った。
「私の未来の旦那様は向こうでもモテモテだったみたいね。その子が本気で言ってることくらい誰の目にも明らかよ。ロイドくんが責任を取るならこの国に居ても良いわよ。強い人材はいくらいても良いしね」
また俺が置いてきぼりのまま話が進んでいく。
とりあえず二人の疑いは晴れたみたいだから良かったのだろうか……?
感想を頂けるとこんなにモチベーションが上がるのですね笑
読んで下さる皆さんと共に良いものを作り上げたいなと思っています。
これからもよろしくお願いします。




