ロイドの所へ
リアラ視点です。
ロイドに吹き飛ばされたあと、防壁のところへ四人で戻ると大きな谷ができていた。
「これはロイドがやったみたいだね」
「そうですね。ロイド様は私たちにダメージを与えないように吹き飛ばしたのでしょう」
ジュリアスもため息をついて言う。
「こんな形でロイドに再会するとはね。そして、この谷で進軍が難しい状況になってしまった。僕らだけなら向こうに行けるだろうけど、ロイドがいるとなると勝つのは難しいな」
「そうですね。ミラさんの予想通り先輩は向こうについてましたね」
「ロイド様は人を見捨てるような人じゃないですから。双方に被害が無いようにしたのでしょう」
たしかにロイドは昔から優しい。
帝国との戦いでも出来る限り殺さずに済むように戦っていた。
「いずれにしても私とミラはロイドに会いに行かなきゃ。ジュリアス達はどうするの?」
「とりあえずは王都に戻ることにするよ。こうなったら侵攻は難しいし無理はする気は無い。向こうから攻めてくる気は無いみたいだし、このまま報告するよ」
「ロイドのことも報告するの?キールが困るんじゃない?」
「出来れ先輩が生きてることは知られたくないですね」
「じゃあそこは正体不明の強者にしておこう。幸い僕ら以外にロイドを見た者はいないし」
王都ではロイドは死んだことになっている。
そう伝えた方がとりあえずは良いだろう。
「じゃあジュリアス達の方は良いとして、私たちが向こうに渡る手段なんだけど……。キール。転移で送ってもらっても良い?」
「リアラさんに言われたら断れませんが、お二人で向こうに渡って大丈夫ですかね?」
キールは向こうで私たちがいきなり攻撃されたりしないか心配してくれているのだろう。
「多分大丈夫だと思う。危険な人たちなら先遣隊を殺してたはずだし」
「キールさん。私からもお願いします。せっかく居場所が分かったんです。一刻も早く会いに行きたいのです」
「分かりましたよ。ではとりあえずリアラさんに通信の魔術だけかけても良いですか?僕も先輩がどうしてたか気になりますし、お互いの情報は得られた方が良いでしょう」
「分かった。何かあったら連絡するね」
「はい。ではこれから二人を先輩のところに送ります。お二人の無事を祈っていますね」
キールはそう言うと、私たちを転移させてくれた。
これでようやくロイドに会える。
不安が無いわけじゃないけど、それよりもロイドに会いたい気持ちが強い。
後悔しないように私の気持ちをロイドに伝えなきゃ――




