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英雄ロイドの災難  作者: 古淵 有


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王国軍の侵攻

リアラ視点です。

 侵攻の当日、西門に行くと王国軍も集まっていた。


 ジュリアスが私たちを見つけて話しかけてきた。


「二人とも来てくれてありがとう。今日の侵攻は向こうの戦力が分からないため、どうなるかは未知数だ。二人には先日言ったように後方支援を頼むよ。陣地でのトップの命令には不測の事態がない限り従って欲しい」


「分かったよ。基本的にはそうさせてもらうね」


 私たちの仕事がなければ良いのだけれどそうもいかないだろう。

 王国の歴史の中で魔皇国の領土を奪うことに成功したことはないからだ。

 ただ、他の国が王国に攻める心配が少ないときに侵攻を試みて、あわよくば領土を奪おうというのは国としては分からなくはない。

 ロイドが魔皇国にいると知っていたら攻めることにはならなかっただろうけども。


「じゃあ、全軍侵攻を開始するよ!!」


 ジュリアスが声をかけ、魔皇国に向かって進軍を開始した。


 ◇


 半日ほど歩いて、日が昇りきった頃にようやく魔皇国の町の防壁が見えてきた。

 少し離れたところに、兵士達がキャンプを設置した。

 ジュリアス達のキャンプで侵攻前の最後の打ち合わせをして攻撃を開始することになっている。

 私たちも会議に参加して良いと言われたが内容だけを後で教えてもらうことにした。


 会議を終えたジュリアス達が町へ向かうため、それに私たちもついていった。

 道中聞いた話によれば、まずは先遣隊を向かわせて戦力を測り、それに見合う第二陣を展開させるとのことだ。

 なのでまずはジュリアス達と一緒に先遣隊の様子を見守ることにする。


 ◇


 さらに防壁に近づき私たちは待機し、先遣隊を向かわせる。

 昔の侵攻の際には、負傷はさせられても殺された兵がいなかったという事実があるため、おそらく今回も追い払うのが目的である可能性が高い。

 ジュリアスはそれも考慮して、先遣隊を向かわせて、私にも頼んだんだろう。


 二百人ほどの先遣隊が防壁に向かうのを見える位置に待機しているが、防壁の上に人が集まっているのも見える。

 先遣隊が近づくと、二十人くらいの武器を持った人たちが防壁から降りてきた。


 若い男女二人を先頭に他の人が後ろからついてくるような形だ。

 それを見てジュリアスが呟く。


「先頭の二人はかなりの強さだね。僕らでも少し手こずるかもしれない。先遣隊に対してどういう動きをするかでこちらの対応も考えよう」


 ジュリアスの言うとおり、先頭の二人はかなりの実力者だ。

 ジュリアスとキールならなんとかなると思うけど。


 そのまま様子を見てみると、相手は先遣隊に対しても致命傷にならないように攻撃しているのが分かる。

 力の差もあり、先遣隊はほとんどが追い払われてしまった。


「やはりこうなったか。向こうにはこちらを殺す意図が無いみたいだね。であれば僕とキールで無力化して捕虜に出来ると良いね。ロイドのことも聞き出せるかもしれない。リアラは負傷者を頼んだよ」


 そう言ってジュリアスは先遣隊と入れ替わるようにキールを連れて防壁に向かった。

 私は負傷者を回復しながらジュリアス達の様子を見ることにした。


 負傷者を大体回復し終わって、ジュリアス達の様子を見に行くと、見るからにジュリアス達が優勢な状況だった。


 キールが拘束の魔術を相手にかけ、ジュリアスが連れてこちらに戻ろうとしたとき、二人の前に誰かが音もたてずに現れた。


 あの魔力は――。まさか!!











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