六神将シオンとの戦い
本日三話目。
俺たちはみんなで王城の隣にある闘技場に来ていた。
ジルバが説明してくれたが、強い者を探せるのと、国民の娯楽のために闘技場での定期的な戦闘が行われているらしい。
今日は特に催しはないので、今闘技場にいるのは俺たちだけだ。
「ロイド。相手は六神将ッスけど大丈夫ッスか?」
モルが心配そうに声をかける。
「モルは俺の実力は知ってるだろ?心配はいらない」
ユリスが俺たちを見る。
「さて、とりあえず相手を降参させるか戦闘不能にしたら勝ちよ。あとはまずいと思ったら私が止めるわ。優秀な治癒術士がいるから息の根を止めない程度にやってちょうだい」
きっとマーキスよりは強いのだろうが、六神将の第五席の力を見せてもらおう。
「それでは準備はいいわね?始めなさい!」
俺は構えを取り、シオンの出方を窺う。そして声をかける。
「俺は魔術師でもあるがこの戦いでは使うつもりはない。六神将の力、見極めさせてもらおう!」
そう言うと、シオンは敵意をあらわにした目で睨んできた。
「お前は俺をバカにしているのか?」
「バカになどしていない、君の力はかなりのものだ。ただ俺はそれ以上に強いということだ」
するとシオンは表情を消し、手に持った両手剣に魔力を流し強化をかけた。
こいつはかなり強いな。
これなら王の盾のメンバーとも戦えるかもしれない。
そして俺は魔力を全身に流し、身体強化を行う。準備は整った。
シオンは一気に間合いを詰め、剣戟を振るう。轟音と共に俺の体にぶつかり、吹き飛ばす。
おお!これだけの威力を出すとはやるな。大剣持ちだったミラとの訓練を思い出すな。
シオンはさらに攻撃を続ける。大きなダメージにはならないが油断したら胴が真っ二つになりそうだ。
「受けるだけで精一杯か?たいしたことないな!」
守ってばかりじゃつまらないか。俺も力の一端を見せよう。
「ならばこちらからも攻めるとするか。魔力兵装――パワーシフト!」
そう言って俺は両腕に魔力を流す。
「一撃で終わるなよ?」
直後にシオンの背後に回りがら空きの背中に右腕を振りぬいた。
シオンが吹き飛ぶが、体勢を整える前に追撃をする。
迫る俺を見てシオンの目に恐怖の色が混じる。
何とか剣で受けようとするが、剣ごと殴りつける。
一度様子を見ようと攻撃の手を緩めるが、シオンはまだ立ち上がる様子はない。
「もう立てないか?降参してもいいんだぞ?」
シオンの実力が把握できた。もう終わりでも俺は構わない。
ようやく立ち上がったシオンがなんとか声を出す。
「これは俺から仕掛けた勝負。お前が強いのは分かったが降参などしない!」
シオンはそう言い、俺に攻撃をしようと迫る。
良い瞳をしている。勝てない相手に立ち向かうのは勇気がいる。
「そうか。その意気や良し!迎え撃ってやろう」
迫りくる大剣を掴み動きを止め、シオンを行動不能にするために両足を蹴る。
蹴られた勢いで手から放れた剣を掴み、シオンの首筋に近づける。
これでもまだ立ち向かってくるか?
そこでユリスが大声を出した。
「そこまでだ!」
まだ向かってくるなら加減が難しいところだったので俺も助かった。
その声を聞いてシオンに手を差し出し立たせてやった。
「なかなかやるな。それだけの強さを持つ者は王国にも数は少ない」
「お前こそ。これほどの強さとは恐れ入ったよ。俺の完敗だ……」
この国の人たちは相手の強さを認めたらほんとに素直だな。
そのほうがありがたいが。
「みんなロイドの強さは分かったわね?これでも文句がある人はいる?」
「今のを見て戦いを挑むものなどいませんよ」
一番強そうな大男があきれながら言った。
「よし!じゃあみんなで食事にしましょう!」
ユリスは元気よくそう言うと皆を引き連れて王城へと向かった。
「ロイドはほんとに強いッスねー。オイラ達も王城に戻って食事にするッス」
「ああ、この後は穏やかに過ごしたいものだな」
俺もモルと一緒に王城へ戻ることにした。
このあとは何事もなければいいが……
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