ジルバの思惑
魔皇国宰相ジルバ視点。短めです。本日二話目
王城の中の執務室で私は、六神将第一席イーガルが来るのを待っていた。
明日にはロイド様が皇都に着くという話を聞いている。
その前にイーガルと少し打ち合わせをしておこう。
しばらくして扉を叩く音が聞こえたので入室を許可する。
「ジルバ殿お待たせしたな」
そこには鍛えられた肉体を持つ壮年の男が立っていた。
彼の持つ六神将第一席という地位はこの国で彼より強いのは魔王しかいないという意味だ。
「いえいえ、こちらこそお呼び立てしてしまいすみません」
「いや、構わんよ。私もロイド殿に会うのが楽しみで早く皇都に来てたのでな」
そう言って彼は豪快に笑う。
「今日来てもらったのは少しだけお願いがありましてね」
「何かね?私に出来ることであれば手伝わせてもらうが」
これが上手く行けばユリス様の願いが叶うかもしれない。
「そんなに難しいことではないのですが、明日に予定している晩餐会で私がユリス様とロイド様が戦うように仕向けたいと思っています。イーガル様にはそれが実現するように話の流れをそれとなく私に同調して頂きたいのです」
それを聞くとイーガルは驚愕の表情を浮かべた。
「つまり、ロイド殿はユリス様に匹敵する強さの可能性があるということか!?」
「そうです。先日ユリス様がロイド様に会いに行ったあと、私に言いました。ついに勝てないかもしれない男性を見つけたのかもしれないと」
ユリス様は、魔王に就任してから真面目な顔をしていることが多かったが、ロイド様に会ってからずっと機嫌が良い状態が続いている。
「あのユリス様が勝てないなど、私には想像もつかないが……。噂に聞いていた英雄ロイドの強さはそれほどのものなのか」
「私が聞いている情報だけでもかなりの実力であると考えています。さらにはあのユリス様が感じ取ったという魔力。正直私でさえも胸が躍る思いです」
今までユリス様に匹敵する男性は先代の魔王様だけだった。
その先代に鍛えられたせいで今のユリス様の強さがあるのだが。
「なるほどな。では私もジルバ殿の話の流れに協力させてもらおう」
「イーガル様。ありがとうございます。私はロイド様に会えるのが今から楽しみで仕方ありません。ぜひ二人の戦いを実現させましょう」
「そうだな。私も楽しみだよ」
そう言って二人で笑い合った。
さて私は明日の準備をするとしようか。
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