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英雄ロイドの災難  作者: 古淵 有


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20/50

皇都での再会

今日は頑張って書くぞー!

 準備を終えた俺たちは皇都へと旅立つことになった。


 話を聞くと皇都までは馬車で少なくとも三日はかかるらしく、グルガさんが馬車を貸してくれた。

 グルガさんには何から何までお世話になりっぱなしだな。また恩返しをしに来ないとな。


 出発の時、グルガさん一家が総出で見送りに来てくれた。


「ロイド。俺は強くなる!必ず追いつくから待っててくれよな」


 マーキスはほんとに素直な性格だな。


「アタシも頑張るよ。だから……ここで待ってるからね」


 ヒルダは珍しく元気がないな。寂しく思ってくれてるのだろうか。


「ロイドさん。休みにはお土産買ってきてくださいね」


 ミリアは元気だな。この兄妹にも世話になった。

 また一緒に過ごしたいものだ。


「みんなありがとう。じゃあ行ってくる」


「ロイドのことは任せてくれッス」


 モルが胸を張る。

 さてこれから皇都で何が起こるかは分からないが、必要とされるならばしっかり仕事をこなしていきたい。


 ◇


 馬車での移動の途中は特にすることもないので、のんびり景色を眺めたり、モルと話を過ごしていた。


「モルはちゃんと家族に認めてもらったのか?」


 大丈夫だから来たのだと思うが一応確認しておきたかった。


「メルの恩人のために、しっかり働いて来いって言われたッスよ」


 メルも日が経つにつれて、かなり元気になってきたようで仕事も任せられるくらいになってきたそうだ。

 モルのおかげで皇都への旅路も不安はない。


「モルが来てくれて嬉しいよ。いきなり知らない場所に一人で放り出されるのはもうこりごりだからな」


「まぁ、オイラはロイドに出会えて良かったッスけどね」


「皇都に着いてからもよろしく頼むよ」


「任せてくれッス」


 そのあと俺たちは日が暮れる前に、街道沿いの町に入り宿屋に泊まった。

 それを何度か繰り返しようやく皇都に着いた。


 皇都の入り口で門番に呼び止められ、グルガさんから預かった命令書を見せたところ、かなり丁寧に対応してくれた。ここから王城まで連れて行ってくれるそうだ。


「六神将はかなりの地位を持つって話ッスからね」


「そうなのか。まあ地位も名誉も興味はないけどな」


「ロイドらしいッスね」


 ◇


 俺たちは案内してもらって王城の応接室にいた。

 どうやら準備があるらしくここで待っているように言われた。


「どこの国も偉い人は待たせるのが好きみたいだな」


「ここに来るまでに三日もかかったッスからね」


 仕方ないので大人しく待つことにしよう。

 それから一時間ほど待っただろうか。ようやく使いの者が俺たちを呼びに来た。


「女王様の準備が出来ました。私についてきてください」


「よろしく頼む」


 さて、謁見もすんなり済めばいいが。


 ◇


 俺たちは王城の玉座の間に案内された。室内を見渡すと、わりと質素な作りになっているな。

 派手な王国とは大違いだ。


 玉座の手前の方には五人が玉座を囲むように立っている。

 この五人はかなりの実力者だな。彼らが六神将だろう。


 それと玉座の後ろに控えている女性が一人。

 最後に玉座に居る女王を見る。

 おや?どこかで見たことがあるような……


「ロイド君。久しぶりね。まずは皇都に来てくれてありがとう」


 玉座にいたのはヴェルサスの町で釣りをしていた時に会ったユリスという女性だった。


「お前は!?そうかお前が女王だったのか!」


「ロイド。女王様に会ったことがあるッスか?」


 モルもかなり驚いている。


「あのときは黙っていて悪かったわね。直接あなたと話をしてから、六神将に招へいするか決めたかったの」


「いや、それを責める気はない。少し驚いただけだ」


 すると脇にいた男性が怒声を放つ。


「お前!ユリス様に向かって無礼な口をきくとは何事だ!」


 するとユリスはそれを諫めた。


「いいのよシオン。あなたたちにも口調はなんでも良いって言ってるじゃない」


 そう言ってユリスはむすっとする。シオンと呼ばれた男は不満そうだが引き下がった。


「ならば俺はこのままにさせてもらおう。もちろん任務はしっかりこなすが、丁寧な言葉は苦手でね」


「わかったわ。気にせずそのままでよろしくね」


「女王様、無駄話はそれくらいにして本題に入りましょう」


 ユリスの後ろに控えていた女性が言葉を発する。


「ロイド様。私は宰相のジルバと申します。今後お見知りおきを。」


「よろしく頼む」


 この人もずいぶん綺麗な人だな。魔皇国は美女が多いのだろうか?


「ではロイド様の今後について説明させて頂きますね。ロイド様は今回六神将の第六席に任命されます。基本的には強さで席次が決まりますが。ロイド様は任命されたばかりですので第六席になります。六神将の主な任務は、国内に出没した各地の防衛隊で処理出来ない魔物の退治になります。他にも緊急性が高く尚且つ難易度が高い任務をお願いすることがあります」


「なるほどな。基本的には命じられたところで魔物退治をするということだな」


「その通りです。詳しくはまたその時にお話ししましょう。まず今日はみなの顔合わせがメインでしたのでこの後食事を用意しております」


 確かに顔合わせは大事だな。とのんきな事を考えていると先ほどのシオンという男が前に出てきて言った。


「ユリス様。もし宜しければこの男と私を戦わせてください。やはり他国から来た実力も未知数な者をいきなり信頼することは出来ません」


 するとユリスは嬉しそうに答えた。


「そうね。ロイド君の任命はほとんど私の独断だものね。面白そうだし納得できないものは戦えばいいわ。私も見たいし」


 また俺を置き去りに話が進むのか。早く食事をしたい。


「いいわね?ロイド君。みんなにあなたの実力を見せてやってちょうだい」


「仰せのままに」


 俺はわざと恭しく了承する。


 すると六神将の一人の男性が小さな声で言った。


「シオンは力量差も分からないのか、だから末席に甘んじているというのに……」


 たしかに俺がシオンに負けることなどありえないだろう。彼はかなり強そうだけどな。


「じゃあみんなで闘技場に移動するわよ!」


 ユリスが楽しそうに言うのを、俺は何とも言えない気持ちで聞いていた。


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