ロイドへの想い
本日二話目。
ヒルダとミリア視点です。
「お姉ちゃん。ロイドさん皇都に行っちゃうんだね」
妹のミリアは今アタシの部屋に来ている。
「そうだな」
「それだけ?お姉ちゃんは素直じゃないなぁ。私はすごく寂しいよ。せっかく良い人が町に来たと思ったのに」
いや、アタシだって寂しいし行って欲しくない気持ちはある。ただ素直に言えないな。
「ロイドならこの国の魔物を滅ぼすくらい働いて、すぐにこの町に帰ってくるかもしれないぞ」
「いや、皇都に行ったらなかなか帰ってこれないと思うよー」
それも分かっている。六神将は魔王と国のために働く者達だ。
「お姉ちゃん。ロイドさんがいなくなるって話を聞いてからずっと浮かない顔してるよ? 私になら何を言っても良いじゃん」
そうかもしれないな。今この気持ちを隠したままにするのも辛い。
「ミリアに気を使っても仕方ないな。アタシは正直に言うと落ち込んでるよ。ロイドともっと一緒にいたいと思ってる」
「やっぱりね! お姉ちゃんもロイドさんのこと好きなんでしょ? 」
「そうなのかな? ただロイドの隣に立って恥ずかしくない女になりたいと思う」
「お姉ちゃん。それが恋というものなのだよ」
ミリアはドヤ顔で言う。
アタシにはそんなことは分からない。
「いずれにせよ。ロイドがいない間にもしっかり訓練して、気持ち良く再会したいものだな」
「お姉ちゃんはそればっかりだね。ロイドさんくらい良い男は見つけるのは大変なんだから。もっと必死に捕まえに行った方が良いと思うけどね」
ため息をつきながらこっちを見るな。
「この話はもう終わりだ。ミリアももう寝なよ」
まだ何か言いたそうだが、これくらいで勘弁してもらおう。
「分かったよ。まぁロイドさんも時々は帰ってきてくれるだろうしね。それじゃあおやすみなさい」
「ああ、おやすみ」
ミリアが部屋を出て行く。
アタシはこの後もなかなか寝付けなかった。
◇
ミリア視点
◇
お姉ちゃんとの話を終えて自分の部屋に戻ろうとしたら、居間にお父さんがいた。
「ミリア。まだ眠れないのかい? 」
「お姉ちゃんと話をしてたんだよ」
「ロイド君のことだろう?今回は皇都に彼を行かせることになって二人には悪かったと思ってるよ」
お父さんがそう言っても、行くことには変わりがないと思うんだけど。
「あれだけの力を持ってたら仕方ないよ。私でもそう思うもん」
「それもそうだな。はぁ。ほんとに家の婿になって欲しかったんだけどね。ミリアもヒルダも嫌じゃなさそうだったし」
「嫌じゃないよ。何でもう可能性がないみたいな言い方するの? 」
お父さんはすごく言いづらそうにしている。
「彼の能力を知ったら手放したくなくなるだろうというのがひとつ。それともうひとつが、もしかしたら女王様に勝ってしまうんじゃないかと思っているんだ」
お父さんの言葉にハッとする。
女王様はこの国で最も強い人だ。
もしもロイドさんが勝ってしまったら、たしかにこの町には戻ってこれないかもしれない。
「まだそう決まったわけじゃないし。私はちゃんと帰って来てくれるって信じてるよ」
「僕もそう思ってるよ。ミリアもそろそろ寝なさい。僕も寝るから」
「うん。おやすみなさい」
そう言って部屋に戻るが、さっきの話を聞いて胸騒ぎがして眠れなくなってしまった。




