30.農業を始める前
農業を始める間際に前の職場から電話がかかった。
私は携帯をみないからメールもみない。
電話にでるなんて非常に稀だ。
あのタイミングで電話にでたのは運命的だと思う。
運命だとかなんだって話は全く信用してないけれど、自分はこういう星の元にうまれて来たんだろうなぁと諦めのような感覚で受け入れる。
内容は私と入れ替わりで入社した社員が事情で出社出来なくなったから手伝えないかというものだった。
気持ちとは裏腹に条件反射で承諾した。
農業を始める準備がまだ整っていなかった事もあり時間の余裕があったのは救いであった。
亡くなった社長と一人の上司、これからAとする。に恩義があるのも事実だし応える義理がある。と自分で納得させた。
私も強くなったと思う。
その会社には、もう一人社員がいる。Bと呼ぶことにする。
Bは最低な奴だった。
以前にも書いたが不潔な人間だ。
それだけではなく、女好きで仕事中でも女性が歩いていれば目でおう。
目でおうだけじゃなくて、顔まで動いている。
そのくせ、ぶっさいくな女だなぁだとか平気で口にする。
取引先の相手は裏では全員呼び捨てで、口汚く罵っているし、社長が亡くなった時もこんなときに普通言わないだろうという悪口ばかりだった。
気違いだとか、かたわだとか差別的な言葉も平気で口にする。
おまけに仕事も出来ない。
ミスばかりするから同僚はいつだって尻拭いに追われている。
事情で来られなくなった社員は本当のところ、Bが嫌で理由をつけて逃げたのかもしれないとAから聞いた。
過去にもBと働くのが嫌で辞めていった人間が複数人いるらしい。
直接、今後かかわることはないと伝えて退職した人もいるようだ。
以前の私ならBと働く事も耐えたが、Bと直接話をして条件をだし署名押印するなら受け入れると言えたのは成長だと思う。
結局Bはプライドが許さなかったようで自分の親をつかって仕事を進めた。
やりたくなくても、自分が損をするとわかっていても受け入れて、我慢してしまう。
それで結局参ってしまう。
だから農業の準備は少し遅れた。




