18.高校生時代の私
18.高校生時代の私
中学生で不登校になったが、フリースクールの塾長と、良心的な3年生時の担任のおかげで、なんとか高校に入学することができた。
しかし、この頃には既に強迫性障害を発症していて、症状も随分悪化していた。
そのため、学校に通うだけでも結構大変だった。
毎朝、大変な儀式をこなしても、いざ登校となると強い腹痛に襲われた。
おのずと休みがちになり、2年生の出席日数は留年するギリギリだった。
自転車に乗れなくなった事件がある。
自転車を誰かに触られると乗れなくなってしまう。
それを避けるために、わざわざ遠くにとめていたのだ。
その頃、祖母が毎朝庭の草取りをしていて、その草取りをする場所が、日を追うごとに私の自転車に近づいてきていることに気が付いた私は最終的に自転車に触られるのではないかという恐怖に取りつかれ、それをとめてくれと頼んだことがある。
しかし、それは叶わずある朝ついに祖母は私がとめている自転車のすぐ横で草取りをしていた。
それを目撃してしまった私は、もうその自転車には乗ることができなくなったのだ。
その事件があった後、私は高校生で一人暮らしを始めた。
その一人暮らしは、私に安定をもたらした。
良かったかというと必ずしもそうとは言い切れないと思う。
安定をもたらしはしたが、強迫行為を邪魔する人間がいなくなったのだ。
私は安心して強迫行為を繰り返し、結果、強迫性障害にさらにどっぷりとつかるのと引き換えに日常生活の安定を得たのだ。
それは今だからこそわかることではあるが、当時は高校を卒業するのが最優先事項であって、それを達成するために、あるものを利用する苦肉の策でもあった。
一人暮らしを始めた途端に、遅刻と欠席は殆ど無くなったのだから、いかに強迫行為を満足に行えない弊害が大きいかがわかる。
強迫行為を行うのは決していいことではないが、一時的な安定は得られるのだ。
それとは別に、祖母の悪夢を見る回数が減ったことも嬉しかった。
今となっては、他人と生活することなんて考えもできないし、部屋に誰かを招くことすらできない。
私以外の人間を部屋に上げてしまうと、聖域は汚れに侵され、生活範囲がより減少してしまう。
下手をすると、引き籠りにならざるをえなくなってしまう。
私の強迫行為を目の当たりにして平常でいられる人間なんていないだろう。
それに、私も強迫行為を邪魔されると日常生活が立ち行かなくなってしまう。
八方塞がりだ。




