いつの間にやら10歳でしてよ!
遅くなってしまって申し訳ありません。
あっという間に10歳になりましたわ。
8歳から最近までありました、聖皇国と魔の国のピリピリは戦争も起こらず鎮火。主にお父様が走り回ったお陰と聞いております。
何をしたかまでは、聞いておりませんわ。予想はつきますわよ?こういうピリピリって、何か変な噂が飛び交ったせいの方が多いですからね。誤解を解いたり、両国との橋渡しをしたりをお父様がしたのでしょう。
戻ってきたお父様は、真っ先にわたくし達姉弟の元にやってきて吸いましたわ。
それはもう、言葉の通りよ。
わたくしの髪の毛の中に鼻を突っ込んで吸って、弟バルムヘルツのお腹に顔を押し付け吸いましたの。
猫ではなくてよ。とは思いましたが、わたくし達されるがままでしたわ。だって、凄く……疲れてる顔されてたのですもの……。
お母様は、大分引いてましたわ。メイド達と共に。
そうそう、聞いてくださいな。わたくしの弟、バルムヘルツが5歳になりましたの。もう、ぽてぽて歩いて来て「りーねえさま!」なんて言われて、抱きつかれてご覧なさいな。腰が抜けてしまうわよ。
「っ……僕はルーカス兄様だぞぉ。」
これは、わたくしを羨んだルーカスの言葉よ。苦笑いしか出来ませんでしたわ。あなた一応王族ですわよ?とは言いました。
相変わらず月1で来ては、わたくしとおじい様の鍛錬に混ざっていたルーカス。先日、辺境伯領に行ったそうですの。なんでも、魔物を倒して人々を護るという経験を積みたい。と陛下に直訴したらしいですわ。
偉いですわよね。
話は変わりますが、我が国では10歳になると洗礼式とデビュタントの舞踏会がありますの。
洗礼式とは……まぁ、言うなればスキルを授かる式ですわ。わたくしにはあまり、関係ありませんけど。だって、ねぇ?ご神託になるのかしらね。頂きましたからね。
我が国の子供達は、5歳から魔力を感じる訓練や、1番低級の魔術を習い始めますのよ。ですが、それは貴族の話。平民達は、10歳になってやっとスキルや魔術の事が分かりますの。
そうなのよ、この国学校がないのよね。いえ、語弊があるわね。貴族も平民も入れるアカデミーという所しかないのよ。13歳から通えるのだけども。こう、義務教育もないのよね。だから小学校とか中学校っていうのもないのよ。
わたくし、たまにこっそり……こっそりではないわね。アリアがいるから。アリアと共に孤児院や領地にいる子供達と遊んだりするのですけど。聞いてみてびっくりしましたの。あの子達、10歳になって洗礼式でスキルを授かり、親に魔術を教わるそうですの。
そりゃ、魔術師団が人手不足になりますわよね。
それでちょっと調べてみましたの。お父様やおじい様にも聞いてみたのですけど、今までの転生者や転移者達って俺TUEEEEしかしてませんのよねぇ。
恐らく、学校設立まで出来る権力を持った人や、学校に関心がなかったと思うのです。わたくしもしなくていいなら、勉強なんてしたくないわ。でも、この世界だとそうもいかない。
学校などの学べる場所が無い。と、いうことは。識字率が低い。字が読めない、書けないから騙される。なんて事が出てくるのよ。
だからわたくし、ルーカスに話してみましたの。学校ってどう思います?って。彼、あれから勉強も頑張っていますから、難しい話も出来るようになりましたのよ。わたくし嬉しくて、我が家のシェフに頼んでお菓子持たせて帰らせた事がある位。
「学校?……王立アカデミーの様な所か?」
アカデミーは、貴族も平民も通える学校ですわ。試験に受かりさえすれば、ですけど。その成績で、クラスが分かれるのですって。
試験は13歳から15歳が受ける事が出来て、学ぶ内容は聞いた限り淑女教育もあれば商業科、魔術科、騎士科と色々あるそうですわ。
「そうよ。平民が読み書きや計算、魔術を学べる場がないようなので何故かと思ったの。」
「そりゃ……あれだろ。権力を分散させない為とかじゃないか?あまり秀でていると、貴族が目をつけて養子にしたりするから。」
「あぁ……そういう……商人に騙されない位には、出来た方が良いと思うのだけど。」
「それは……まぁ、確かになぁ。」
という様な会話をしましたの。その後わたくし、お父様やおじい様に聞いてみましたの。寺子屋みたいなの、作ったらどうかしら?って。
「寺子屋?それは何だ?」
「お金のいらない学校ですわ。シスターや、神父様。退役軍人の方達とか、その方達から小さな子供に勉強を教えたり、剣や魔術の使い方を教えますの。お給料は勿論、お国からになってしまうけれど。」
「成程?言われてみれば、アカデミーはあるがそういう所は無いな。」
「儂のとこにも無いな。リーリエ、それは前世の知識か?」
「そうですわ。寺子屋はわたくしが生きていた世界の、ずっと昔の話ですわ。わたくしの生きていた頃には、教育が義務でしたの。15歳までですが。」
「義務か。まぁ、確かに義務にしたら通わざるを得ないが……難しいだろうな。」
「そうだのう。家族で商売をしていたりするし。そもそも、校舎を作らねばならんからな。」
「校舎?いりませんわよ?教会や、空き家でやれば良いのです。絵本や文房具も、売れない分を安く買って皆で使って貰えばよろしいかと。
最悪、紐と紙があれば帳簿の様な形に出来ますし。商人の子ならば、計算が出来た方がいいに決まっていますから、親御さんの方から説得した方が良いのではありませんか?」
そんな話をしたら、お父様とおじい様が黙ってしまわれましたわ。それから考えてみようと言われ、お父様の書斎から追い出されました。悲しみですわ。
どうなったのかしらねぇ。
あら、話がそれてましたわね。そういう事で、洗礼式とデビュタントがありますの。友達とか作れますかしらねぇ。お母様もわたくしのドレスに全集中していますし、楽しみですわ。
感想、評価など色々お待ちしております。
次のお話、その次にルーカスの心情的なものを投稿して、また書き溜めしようと思ってます。




