婚約者、ねぇ?
眠気に襲われています。
遅くなってしまって、申し訳ありません。
「僕は、国の色をまとうがリーリエは?」
「さぁ?お母様が張り切ってしまって、まだ内緒なの。」
カンカンと木剣で軽い打ち合いをしながら、デビュタントの話をします。
「内緒か。リーリエなら何でも似合うだろうな。」
「当たり前よ。わたくし可愛いですもの。」
あら、微妙な顔。ルーカスったら、辺境に行ってから鍛錬の日を狙って来るようになりましたわよね。いい事ですわ。
実は今日から、弟のバルムヘルツがおじい様の鍛錬に参加しましたの。とは言ってもまだ5歳。補助に軍の方を入れての参加でしたわ。わたくし?わたくしは、ほら……加護がありましたから、最初から全力でも大丈夫でしたのよ。
流石に体の出来ていないバルムヘルツが、わたくしと同じ鍛錬は難しいでしょう。にも関わらず、剣が好きな様ですから大変有望ですわ。
「そうだ、ルーカス。婚約者が出来たとか?」
「あいてっ!」
「あら……ごめんあそばせ。」
……え、何?当たり所悪かったのかしら。しょんぼりして、ちょっと泣きそうなルーカス。わたくし慌ててアリアを呼んでしまったわ。
強く振り下ろしてなんていませんわよ。軽い打ち合いですから。たんこぶも出来るかどうか怪しいもんですわよ。あれよ、準備運動みたいなものよ。
アリアにお茶をお願いして、庭の方へ移動します。庭にはガゼボありますし、季節の花々も咲いておりますからゆっくりお話が出来ますわ。
わたくしが着替え等をしている間に、ルーカスも落ち着いた様ですわ。バルムヘルツもルーカスを心配している様で、わたくしがガボゼに向かうとルーカスに抱き締められてましたわ。羨ましい。わたくしだって、抱っこしたいわ。
……気持ちはね、分かりますわよ。何だかほっこりする香りですからね。バルムヘルツって。
わたくしも対面の椅子に座り、一息つきます。
「バルム、そろそろこちらへおいで。」
「はい!ねえさま!」
5歳になった弟バルムヘルツ。顔立ちがお母様に似てきたせいか、とても天使ですわね。ちょっと癖っ毛なのは、お父様譲りね。
わたくしの隣に座ったバルムに、おやつを渡しつつルーカスが話し始めるのを待ちます。
「リーリエ。」
「なぁに?ルーカス。」
「婚約者が決まった事、黙っててごめん。」
「良いのよ。デビュタントで発表する計画だったのでしょ?」
「そうだ。」
「お相手は?」
「侯爵家の、セリーヌ嬢。」
「ふぅん……お会いした事ないけど、どういう方?」
「どういう……?」
少し考え込んでから、ルーカスが教えてくれました。
メイヴン侯爵家の末娘。メイヴン・セリーヌ嬢。王族が嫁いだのは、随分昔に一度きり。そして、ルーカスと同い年。
薄い茶色の髪の毛に、翠の瞳。眼鏡をかけてはいるけど、丸顔の様で愛らしい印象だとか。……やだ、これって惚気?惚気よね?
そして顔合わせの席の出席者は、当然王妃様とルーカス。お相手は、夫人とセリーヌ嬢。軽い自己紹介から始まり、他愛の無い話をしながらお菓子をつまんでいたそうよ。
そこにルーカスが別のお菓子も美味しいからと勧めた時、セリーヌ嬢が驚いた顔を見えてから、おっとり微笑んだのが可愛いかったとか。……やっぱり惚気よね?処していいかしら?
しばらくして、子供たちは暇だろうと王妃様からセリーヌ嬢を庭園に案内するよう言われたとか。連れて行くと商売をやっているせいか、草花の知識が多かったらしい。ルーカスは、純粋に記憶力良いんだかっこいい!と思ったらしいわ。……処していいわよね?
庭園の案内も終わりそうな時、思い出したらしい。
「事前に本が好きだと聞いていた。だから、僕の部屋にある本を見せようと思ったんだ。」
「メイドは連れて行ったのよね?」
「勿論だ。リーリエに言われて、マナーをやり直したからな。2人きりにならないようにしたさ。」
「よろしくてよ。それで?」
「それで、僕の部屋にある本を見せたんだが……」
「だが?」
「『申し訳ありません、殿下。私は物語が好きなのです。』と、言われてしまった。」
「あぁ……え?まさか、本って歴史の本とかをお見せしたの?」
ルーカスが頷き、しょんぼりした。
勉強に熱心に取り組む様になり、何がどう響いたのかルーカスったら歴史にハマったのよね。特に勇者や、過去の大魔術師がどのような研究をしていたかとか。
「どういう本が好きか確認を怠った……僕は逆に、勉強の延長で本を読むから、物語はあまり読まないんだ。だ、だが、英雄譚とかは読むぞ!あれは勉強にもなるし、面白いからな!」
「歴史の本に英雄譚って……あなたの様に帝王学を誰でも学ぶもんではなくてよ?」
「後で、母上に同じこと言われた……」
「それで?帰ってしまわれたの?」
「うん……メイド達が気を使って、母上に伝えてくれて……終わりの時間にしてくれた……」
わたくしはアリアを呼び、可愛い便箋とペンを持って来るよう頼みました。
「ルーカス、あなたから彼女へお手紙書きなさい。」
「え?何でだ?」
「次会う時に、彼女の好きな本を持ってきて貰って借りて読みなさいよ。」
「あ、なるほど!」
わたくしの助言に、ありがとうと答えペンを取るルーカス。さすがにここから手紙を出すわけにはいかないので、とりあえず下書きを作成させましたわ。
これで会話のきっかけも少しずつ増えていくでしょうね。
それにしても……婚約者、ねぇ……そもそもお友達もいないのだけど、わたくしに婚約者っているのかしら?
あんまり他の家の事って、気にしたこと無いから分からないわね。
そんな話も、された事ないし。……?無いわね?何故かしら?歳の近しい殿方がいらっしゃらないのかしら?そんな事ありますかしら?ルーカスという王族と近付きたい為に、計画的に子作りするとこなんて多いでしょうに。
考えても仕方ないわね。その内、何か言われるでしょ。
ルーカスがわたくしにも見て欲しいというので確認して、彼らしい手紙だったので清書してから送る事と、いつも一緒に来ている従者に見てもらう事を念押ししておきました。
「仲良くなれるかな。」
「今のあなたなら、大丈夫よ。良い子だもの。」
「なら、良いけど。」
え?バルムヘルツ?熱心にミルフィーユを1枚ずつ剥がして食べてるわ。はしたないわよ。とは言いますが、今はわたくしとルーカスだけ。遠くにメイド達がいますが、まぁ、お母様にわざわざ言う事でもないでしょ。
感想、評価など色々お待ちしております( .ˬ.)"
眠気がMAXです。ルーカスの心情は明日以降に見直して投稿するようにします。




