2話 ~パジャマで美人~
計太がリビングのドアを開けた途端、その場の空気の違いに足が止まった。
「え……」
そこには、見知らぬ先客がいたからだ。
髪を後ろでタイトに縛り、ぱりっとしたスーツを着こなした若い女性。意思の強そうな瞳に、整った鼻筋。はっきり言って美人であり、はっきり言って計太の好みだった。
「なんだ、パジャマのままで来たのか」
呆れた声をあげたのは、キッチンカウンターに寄りかかっていた流星だ。
朝日が差し込むリビングは、流星の性格を反映したように整然と片付けられていた。窓際に置かれた観葉植物のモンステラが、朝の光を浴びて鮮やかな緑を放っている。
「まあいい、早く座れ」
「……お客さんが来ているなら、最初に言ってよ」
文句を言いつつも、計太は気恥ずかしさを隠すように、言われるがままダイニングテーブルの席についた。
「計太のためにコーヒーを淹れておいた。砂糖とミルクがたっぷり入ったやつだ」
流星が、計太の前にマグカップを置く。
(わざわざそんなこと言わなくていいだろ、恥ずかしいな……)
隣に座る美女の視線を意識してしまい、計太は小さくなってカップを両手で包み込んだ。
「彼女の名前は上原桜さん。彼女がどうしてここにいるのかをこれから説明するから、飲みながら聞いてくれ」
「わかったよ」
計太は甘いコーヒーを飲みながら二人の関係性が気になっていた。彼が知る限り、流星が女性を家に連れてきたのはこれが初めてなのだから。
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