(初稿版)第六章・第九節:SANTA CLAUS
【極秘資料:OIA内部映像 “OPERATION SANTA CLAUS” 再現フィルムより抜粋】
> ナレーション音声(女性・冷静)
「1972年、アポロ17号の帰還をもって、公式には“有人月面探査計画”は終了したとされる。
だが、その裏でOIAは、“国家的熱狂の終焉”を管理する計画を秘密裏に発動していた」
> 映像:スタジオ・ゼロ。月面セットの脇に立つアクター。宇宙服を着ているが、ヘルメットの中であくびをしている。
「作戦名は《SANTA CLAUS》。
コードの由来は、“子どもたちに夢を与える存在”からであるとされるが、
実際には、**“子どもたちに現実を教える最終段階”**という意味合いが強かった」
> 映像:ヒューストン・ミッションコントロール。
映像スタッフと軍関係者が無線通信の訓練をしている
「作戦の概要は、スタジオ・ゼロで収録された偽の“遭遇劇”を、NASAの現地職員に“誤送信”させるというものだった。
その結果、NASA職員自身が“宇宙でUFOと遭遇した”と信じるよう誘導する」
> 「台本には、以下のセリフがあった」
【脚本:サンタクロース作戦・第4演出ライン】
> “この影は……何だ?”
“いや、ヒューストン、こっちには“サンタクロース”がいる”
“繰り返す。サンタクロースを確認。私たちは一人じゃなかった”
> 映像:NASAのフライトログに“Santa Claus confirmed”の記録が残る。
「この演出は、結果としてNASA内部で“宇宙人接触の記録がある”という都市伝説を形成させ、
世論は**“科学的宇宙開発”から、“スピリチュアルな宇宙幻想”へとスライド**していった」
> 「OIAの目的は、“予算を締める”ことではない。
**“宇宙を信じる者に、別の物語を与えること”**だった。
科学の終わりには、常に神話が配置される。
それが、この国の設計思想だ」
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a.n.hは、OIA記録資料の片隅で、その“台本のコピー”を見つける。
そこには手書きで赤く書き加えられた一文があった。
> “あまりに信じる者は、夢で沈めよ”
クレアが言う。
> 「アポロは月に立った。
でも、あの一歩は、人類の理性じゃなくて、熱狂の果てだった。
サンタクロースで終わったのは、ロケットの物語じゃなくて、信仰の物語よ」
a.n.hは、モニターに映る月面映像を見ながら呟く。
> 「なら、俺たちは今、何の下に立ってる?
宇宙か、演出か、神話か…」
そして、次に見る資料は“1973年UFO目撃急増”と、“NASA関係者の退職・沈黙”を記録したものである。




