地獄の授業! 熱血塾
夏の照りつける太陽は、肌に痛みを与える。体の芯の芯から暑さを噴き出さす。とめどなく汗を全身から出させる。そして今は、それに加え、体のだるさ、足の重さと戦っている。
そう、今俺たちはグラウンドを走らされている。10周走るまで、昼食は食べれない。
そりゃあ高校のころはサッカー部だったから走れたけど今はもう無理。体力とか精神が追い付いてない。
塾長は、グラウンドの真ん中で俺たちを見てる。なにか、黒い袋に包まれた細長いものを持ってる。
熱血先生が持ってるものってだいたい竹刀だろ。ありゃなんだ?俺は思考を巡らせた。
ってか、走ってる時って何を考えて走ればいいんだろう?楽しいこととかかな?そういってるうちに、
足利君は、もう10周走ったそうだ。あの体を見れば服を着てても一目でわかる。鍛えてやがる・・・・
まてよ、鍛えてるのに無職??なんてやつだ・・・・・
俺の後ろで上杉君が走っている。俺より2周遅れている口からよだれかなにかわからないものをはみ出さしながら走っている。よっぽど今まで運動してきてなかったことがわかる。
そうこうしてるうちに10周走っていた。一番最後は上杉君だ。情けない。
しかし、俺も情けない。俺は小さいころから、今まで妙なプライドを持っている。
それは、走りで女子に負けないことだ。そのプライドはもう捨てることにした。なぜなら、今日負けたからだ。甲斐さんに負けた。はあ・・情けない・・・
「よし、お前ら昼食だ!!弁当を一人一つずつ取っていけ」ドスの利いた声だ。今は、聞きたくない。
俺は弁当をとるために立ち上がり、弁当があるテーブルへ歩いて向かった。
俺は弁当を見た途端えっ?ってなった。
なぜなら弁当が4つしかないからだ。パッと見でわかる。4つしかない!!
他の生徒がきだした。ほかの生徒も気づいたようだ。気づいてないのは、まだゼイゼイ言って寝転んでる上杉君だけだ。どうする?みたいな空気が流れている。
先頭を切ったのはやはり石田君だ。石田君にはそういうところがある。わかりやすく言えば自己中心的だ
石田君が弁当を取った後、残りの3人も続々と弁当を取った。
あーやっぱり人間ってこんなとこがあるのかと、汚い一面を見てしまった。自分も含めて。
その後、上杉君はやっとこさ起ちあがり弁当があった場所に向かった。もちのろん弁当はない。
「ええ!!??何で僕の弁当がないの?誰か二つっとってるでしょ??」
「塾長、僕の弁当がないです!弁当の数が足りてないです!」
塾長は、一人だけ豪華な弁当を食べながらこういった。
「ああ?当たり前じゃろうが、4つしか発注しとらんからな」衝撃の言葉だ!
「なんでですか?生徒は5人いるんですよ?」
「なんだと!?お前が弁当を食べれるという保証がどこにあるんじゃあああ!?」
意味の分からない怒号はグラウンド中に広がった。
諦めたのか、とぼとぼと塾長のもとを離れていく上杉君を見ると罪悪感でいっぱいになる。
とぼとぼ歩く上杉君になぜか甲斐さんが近づいて行っている。
なんでだろうと、思ってみてるとなんと、甲斐さんは自分の弁当の半分を弁当のふたに入れて。上杉君にあげてるじゃないか!
俺はもう、泣きたくなった。なんかもう上杉君と会う顔がないと。自分のカラの弁当を見て思った。
さっき言ったことは訂正だ!!人間はみんな汚いわけじゃない。
弁当を食べ終わった塾長は満足した顔でまたグラウンド真ん中にたっている。
最初あった時とはもうだいぶ印象は変わっている。最初は温厚な爺さんだと思ってたが、もう違う。
「遅い!!!」
俺らに向かって声を張り上げている。俺らはダッシュでいった。
「さあ、午後の授業に入る!!」
「午後の授業では、場所を移す。みんなバスに乗れ!!」
俺たちは、指差されたバスに乗った。バスはクーラーがきいてて最高だった。
バスでは1時間ほど移動した。「よし!お前らバスを降りろ」
バスを降りたところは、どこかのキャンプ場だった。もう使われていないということは一目瞭然だ
しかも、ここは森の奥だ、もしものための携帯が使えない。
だが、希望は捨てたくなかった。ここが本当に圏外か確かめるため携帯を点けた。
すると、さっきまで火をつけるのに一生懸命だった塾長が目の色を変えて近づいてきた。
まずい、と思って携帯をポッケに隠した。だが、それはもう遅かった。
「携帯をだせ」ドスの利いた声で言ってきた。
「お前らも携帯を出せ!!」
「わしに渡せ」
こうなったら塾長は怖いからみんなすぐ渡した。最後まで渋っていた。石田君も携帯を出した。
塾長は全員の携帯を両手で持ち、さっき点火した火の中へ投げ捨てた。
「ああああああああああああ」
みんな目がテンになっている。
上杉くんはあわてて携帯のところに駆け出したがもう遅かった。
ばちっという火花が出た後、猛烈な青い炎が大きくなった。
上杉君は、大きな青い炎の前に泣き崩れた。
「俺のデータがあああ、ママ帰りたいよ―――ああああああ」
「わしが思うに携帯やインターネットの普及が青年たちをダメにしているとしか思えない。」
俺は、それは昔の考えだと思った。
「さあ、午後の授業を始める!!内容は松茸探しだ!!」
携帯の損失からまだ立ち直れていないみんなは、まだ愕然としてる。
「ここは、山だ・・松茸があっても何らおかしくないじゃろう。」
「お前らに一つずつコンパスを渡す。ゆとりの道具だ、このコンパスでここへ帰ってこい」
「いいな!!わかったら散らばれ探しに行け!!解散!!」
・・・・・・・・・
みんな立ち尽くしている。
「行かんか!!!!!!」
やまびこになって何度も聞こえる。そしてみんな散らばった。
夏の森ほど最悪のものない。なぜなら夏はいろんな虫が活発になるし。暑い。
俺は、今、森の奥の奥に向かおうとしている。
森の奥の奥は意外と涼しかった。一つ一つの木が大きくて、苔がはっていて、影になっている。
若干ジメジメしているのがちょうどいい。
本当は松茸なんて探す気はなかった。涼しい所に行きたいだけだ。てか、松茸なんてどこに生えてるのかわからないし、素人がキノコを採ったら危険だし。
適当な時間になったら帰ろうと思う。道は覚えてるし。
何十分ぐらい歩いただろうか?太陽が若干オレンジになってきた。帰ろう。
バン!!バン!!
遠くで銃声が聞こえる。びっくりしたけど、猟師がいるということで納得した。
バン!!!バン!!!
ん?銃声が近くなっているのに驚いた。俺は若干急ぎ足になった。
バン!!!!バン!!!!
もっと近づいている!!!その時だった。森全体が霧で覆われた。ファアーと雲に包まれる感じだ
前後左右1mぐらいしか見えない。身動きが全く取れなくなった。
ドン!ドン!
ありえないくらい銃声が近くに聞こえる。もう、後ろにいるくらい・・・・・・・
俺は、ありえないぐらい怖くなってその場からダッシュで離れた。
もう、帰り道とか考えなかった。霧で1mぐらい前しか見えないのも怖い!!
途中で木とかトゲトゲの付いた草にぶつかったけど、今は痛いより怖い!!
めちゃくちゃに走った。走った走った走った。
そうしてるうちに、霧が晴れた。ファアーと消えた。今は全部見渡せる。
ん?50m先ぐらいに人影が見える。何か持っている。
黒く細長いものだ。黒く細長いものと言えば、塾長が持ってた。
ということは、あの人影は塾長か・・・・・・・・




