入塾!!熱血塾
暑い・・暑い
汗が体中から噴き出してしたたり落ちる。なんでこうも暑いのか。
7月ってこんなに暑いものなのか?まじで、東京あついわ。北海道に生まれればよかったと思う。
俺の名前は、武田壮太、24歳、そして無職だ・・・
今は、平日の昼間でゴロゴロとテレビを見てるのだがすこぶる暑い。
家の作りがわりぃんだよきっと。風が来ねえし、狭ぇ、蒸すような暑さが部屋全体を覆っている。
俺は一週間前、上司に「できないなら、帰れ!!」って言われて。「おっしゃ!!帰るを通り越して辞めたるわ!!」って言い返して、辞めた。
情けないよね。
今は実家暮らしでまあ、常人からみたら、親のすねをかじってるっていわれてもおかしくない。
ふう、なんにもやる気起きねえし。やることもない。
ん?母ちゃんの足音がする。さては俺の部屋に来るな、うぜぇから寝たふりしよう。
ガチャ「あんたっまだ寝てるの?!?なんかあんたに手紙が来てたからここ置いとくからね。ここよ!わかった?」ガチャ
ふう、相変わらずうるさい。
しっかし俺に手紙?ありえない。そんな手紙送ってくれる友達なんていたっけ?
手紙は赤の紙に黒の文字で書いてあった。
まるで、戦争の召集のように。手紙にはこう書いてあった。
武田 壮太
あなたは、国が定めた法律、青年育成法により国が定めた基準を
満たしていますので、国指定の塾に入塾してください。
あなたの一番近い国指定の塾は熱血塾ですのでそこにはもう、入
塾手続きを取っておきました、なので下記の日に塾へ来てください
8月1日 午前10時集合 持ってくるもの、なし
食事は付いてきます。詳細は現地でお話します。
もし、こられない場合は、懲役25年、罰金1500万円又はその両方が
科せられます。
青年育成委員会会長 織田 勲
地図もついてきた。地図が示してた場所は、野球の練習とかで使ってるグラウンドだ
何度か来たことがある。小学生の時かな?
って言うかなにこれ!?いたずらの手紙だろ!
青年育成法ってしらねぇし、もし、これいかなかったら、懲役とか罰金とか・・・人生終わるレベルだし
ありえない。無視だ無視
ちっ最近のバカは意味わからんことするな。人を不安にさせることしやがって・・無視無視無視無視
・
・・
・・・
ミーーンミーーンミーーン
ミーーンミンミンミーーーン
セミは相変わらずうるさい、夏の暑さはこのセミの鳴き声で増幅するといっても過言ではない。
今は8月1日、午前6時30分。昨日はなぜか一睡もできなかった。
この感覚は中学以来だ。修学旅行前の感覚がして眠れなかった。
そう、俺はグラウンドへ向かっている。無視とか言ってたけど、実際は怖い。
グラウンドに変な奴がいたら即帰ろう。
早朝を歩くのは久方ぶりだ。所々で子供たちやおじちゃんおばちゃんたちがラジオ体操してる。
ラジオ体操を聞くのも、何年振りだろうか?
懐かしさに浸っている内にグラウンドについた。集合時間まで、まだ3時間弱あるぞ
俺は、グラウンドの周りにあるベンチに座って、携帯をいじって時間を潰すことにした。
携帯いじり始めて3分後ぐらいだろうか?
誰かが近づいてきた。俺は気づいてないふりをしようと思った。
だけど、俺の真横に座りやがった。できるだけ目を合わせたくないから携帯に夢中になることにした。
「武田 壮太君だね」ドキッっとした。名前を呼ばれたから。
[はい、そうですけど」俺は言いながら初めて横を見た。60代後半ぐらいのお爺ちゃんが和服を着て座っていた。お爺ちゃんは髪は全部白髪で、オールバックだった。
「入塾おめでとう。君も今日から、熱血塾の生徒だ。自己紹介はあとにしよう。では、また」と言ってどこかえ去っていた。
なるほど、あれが塾の先生か。てかマジだったんだ。あの手紙もなにもかも・・・
でも、何かほっとした。俺はまた携帯をいじり始めた。
9時50分ぐらいになったらグラウンドに人がぽつぽつと現れ始めた。
そして、さっき会った老人がグラウンドの真ん中に立っている。
俺は、老人のところへ向かった。
でも、まだ疑問があった。なぜ塾なのに集合場所がグラウンドなのか?
そんな疑問を差し置いて授業は始まろうとしていた。
塾の生徒は俺合わせて5人だった。みんなそれぞれ赤の他人で、みんな同じくらい若かった。
老人は腕を組んで仁王立ちだった。みんなは、老人の前に立ち、老人の言葉を待っていた。
そして、5分後ぐらいに老人の重い口が開いた。
「熱血塾へようこそ」どすの利いた声が響く
「私は熱血塾の塾長でもあり、青年育成委員会会長の織田勲だ」
「この塾は国の法律に基づいた塾だ」
「これから君らが学ぶのは、勉強ではない。社会の厳しさだ!!」
はあ?っと思った。誰もがはあ?という顔をしている。
「この塾の説明は以上だ!何か質問はあるか?」
・・・・・・・・・誰も口を開かなかった。
「ふうむ、では自己紹介をしていけ。左から自己紹介をしろ!!」
指を差された一番左の奴は、えっ?っていう顔をしている。
「はよ!!お前だ!!」
「はいっえーえーえー、名前は足利紀夫と言います。よろしくお願いします」
「次」
「俺は石田和人。以上」
「俺は武田 壮太です。24歳です。」
「えーっと私は、甲斐愛美です。よろしくお願いします。」紅一点だ。顔は若干かわいいでも、おれの見る目は信用できない。なぜなら、3年間工業高校に通っていたから。女性には失礼だが、中くらいのレベルなら、全員かわいいと思ってしまう。ブサイクは中くらいにみえる・・・なんてことはない。ブサイクはブサイクだ。問題発言だ。
「僕は、上杉太陽です。」
「よし、全員の自己紹介は終わったな。じゃあ、お前ら右足を一歩前に出せ!」
「よし!ズボンを膝の上までまくり上げろ!!」
何でこんなこと言うのかわからなかったけど、みんな言うとおりにした。
「じゃあ、スネ叩いていこっか!!」
???!!!このおっさんは、なにをいってるのか?あいた口がふさがらない。
買い物いこっかぐらいの軽さですごいこと言ったぞこのじじい。
と、思ってる間にじじいは、自分のこぶしに息を吹きかけている。みんな驚きすぎて、微動だにしない。
まずいぞ、目が本気だ!
ゴス!!「ぐは!!」オラ!!「いったあああ」ゴン!「きゃーー」
俺の番だ!!バチッ「いった」
ガン!!「ああああああ」(涙目)
「なにすんだよじじい!!」
「社会の理不尽さはこんなもので済まない!!もっとひどい。お前らはこんなことで悲鳴を上げてるぐらいじゃまだまだだああ!!」
なにいってんだよ、このイカレじじい、スネパンチされたら誰でも、悲鳴あげるっつうの。まだいてえ。
「帰る」突然言い出したのは、石田和人だ。「つきあってらんねえよ」
「ふっふ、お前らはあの赤紙を見てここにたんじゃろう。ならわかってるはずじゃ、帰れば犯罪じゃ懲役25年、罰金1500万円、又はその両方が科せられる。ん?帰れるのか?」
「ちっ」
「ふふ、正直に言おう。お前らは国に選ばれた、役立たずな社会人ということだよ。この塾から帰れるのは、お前らが社会に貢献できる正真正銘の社会人となったときだ!!」
うすうす感づいてはいたが、言葉でいわれると精神的にきついし腹が立つ。
「おまえらにはこの塾で過激な理不尽を与えていく。そうすれば、社会での理不尽さなどちっぽけなもののととらえることができる。どうだ?」
どうだ?と言われても・・・・・スネが痛いことだけに神経がいってる
「さあ、本格的な授業へ入る覚悟はいいか?覚悟がないやつは死を意味する。」
地獄の授業の始まりだ。




