<閑話休題>
その後、今回の接触は失敗と言う事で、もう少し彼らの文明が進み言語会話が可能になるか、翻訳装置的なものが出来るまで俺はコールドスリープすることにした。
こっそり外部ユニットの支援を受けて降下艇までたどり着き、そこにあるコールドスリープユニットで凍結状態に入る。
そして、装置に入った俺はでかいヘルメットのような物を被らされて深い眠りに。
眠りに……。
あれ? なんかヘルメット外されましたよ?
あれれ? コールドスリープを開始したはずの俺がなぜか装置から出されてここに居る。
「なあ、アリス? 俺確かコールドスリープ中だよな? それか、あれか? トラブル?」
「はい。そういうことになっています。いいえ。予定通りですのでトラブルでは有りません。」
うん、やっぱりそうだよね。……っておい。「なっています」ってなんだ?
「えーっと、アリスさん。つかぬ事をお伺いしますが、なっていますとはどういうことでしょうか?」
「人類の体に限らず、生物の身体を凍結状態にした場合、正常に解凍処理が可能な期間は当設備の能力では最大限長く見積もっても100年が限界です。」
ふむ。うなずいて、先を促す。
「ですので、一旦コールドスリープを開始したという状況をつくり記憶のバックアップを取り、記憶自体はその時点で凍結処理を行います。その後想定の状況が整った段階で再び体を再構築し記憶と結合しています。ちなみに今回で3回目です。」
「ほう。3回目……って。ええ!?」
「今回の処置に関しては前回の貴方と以下のようなやり取りがあり、その結果取られた処置です。」
犯人は前回の俺か! って、なんでやねん!
「前回、記憶のバックアップを取得後、会話を行ったところ貴方の希望は、今回のバックアップが終了した段階で状況の説明を行って欲しいというものでした。」
「そもそも、地表に降りて長時間の活動後は地表のナノマシンによる汚染が生体組織に対して始まっていますので、仮にコールドスリープを行ったとしても無意味です。」
「ナノマシンの汚染を母船まで拡大する危険は看過できませんので、記憶というデータのみを静止軌道上の母船に送り後ほど再生された身体に記憶を合成する形になっております。」
どういうこと?
「再生した際の記憶に不備が発生しないようにコールドスリープを開始した、という区切りの情報を与えてからバックアップを取ったということです。」
「追記するなら、降下艇に大気圏離脱能力はありません。それに類する装備も備わっておりません。以前は貴方の精神面が不安定でしたので大気圏離脱カプセル云々という架空の記憶を作成しました。」
「えーっと、じゃあ今ここに居る俺はどうすれば良いわけ? というか前の俺はその後何してたの?」
「はい。前回の貴方は最後まで私の話し相手になってくださいました。」
あー。それでいきなり自然言語会話が上達していたのか。というか、おかしな知識植えつけたのもまず間違いなく前回の俺の仕業だな……。
「ははは……なんとなく状況はわかったよ。」
「それは良かったです。」
「それじゃあ、仕方ないな。次回の俺に喜んでもらうためにも色々考えようか。」
「はい」
「じゃあ、早速。次回までにアリスにはもう少し人間っぽい姿かたちを手に入れてもらおうと思う。」
――こうして、誰にも知られる事の無いまま人類最後の男は次の自分を驚かせるためにアリスと色々企んだそうです。
***
大分間が空いてしまったので何書いたか自分でも把握して無い部分ががが…
整合性取れて無い部分あれば容赦ない突込みをお待ちします。




