第3世界 異世界創造の素 ー魔配合ー
ポルップゥー(ハトが妙に人間臭い目でニヤニヤしながら飛んでいく)
ちわー、天界郵便です。
ルミナ「ご苦労様です」
【届いた荷物の段ボール箱を開けるルリナ】
神『えっ?今ハト居なかった?ハトさんのマークの天界郵便屋ってこと?ドローン的なので来るもんじゃないの?ハトに大事な荷物預けるなんて、江戸時代かよ』
ルミナ「あ、旧神様より『異世界の素』が届いたみたいです」
神『入浴剤かよ。『お風呂で異世界旅行♪』とかCMでやってそうじゃん』
ルミナ「まずは“世界素材”の選定です。光・影・風・土・水・魔力・感情・運命などのバスボムから魔配合していきます」
神『だから、それ入浴剤だろうが!ってか、“魔配合”って堂々と言っていいんだ?ファミレスで「魔配合ドリンクください」とか言いながらドリンク作ってる客がいたらやべー奴でしょ。即通報案件だよ?』
ルミナ「次に“世界法則”の設定です。重力、時間の流れ、魔法体系、死後の処理などを決めます」
神『死後の処理って言い方やめて?それよりさ、いきなり天界に連れて来られてトイレすら行かせて貰えてないんですけど。膀胱が限界なんで、先に"神の汚物"を処理して欲しいんですけど』
ルミナ「続いて“住民テンプレート”の作成です。知能、寿命、文化、繁殖方法などを設定します」
神『繁殖方法!?そこ俺が決めていいの!?え、この作品とか18禁とか大丈夫な設定だったっけ?え、ありなの?本当にいいのこれ?』
神『重力は……まぁ、よく分かんないから0.8倍くらいでいいよね?この、ぎり1倍にしませんよ、感に玄人感出てるでしょ?ジャンプしたら気持ちよさそうだし』
ルミナ「住民が天井に頭ぶつけて“バキィッ”って逝きます」
神『……じゃあ1.2倍くらいで。筋トレになるでしょ』
ルミナ「住民が全員マッチョになります。赤ん坊の時点で肩幅が冷蔵庫です」
神「肩幅冷蔵庫!?それもう赤ちゃんじゃなくて『新生児型最終兵器』だろ!『ただいまー』って帰ってきた瞬間、家中のドアが全部壊されるんじゃねーか!『パパ、今日も肩でドアぶち破ってきたよ』とか言われたらどうすんだよ!」
ルミナ「毎日『ガシャン!』って音で目が覚めるので、目覚まし要らずになりますね」
神『魔法は、全部“一発芸”で発動にしよう。なんか派手でいい感じじゃね?』
ルミナ「適当すぎるのですが」
神『そうかなぁ。斬新な異世界が出来ると思うけどなぁ。じゃあ「魔法発動の合言葉が全部食べ物名」ってのはどう?「ピザァァァ!」って叫べば火魔法出るとか』
ルミナ「急にファミレス感が増しましたが」
神『じゃあ「ラーメン!」で雷魔法。「カレーライス!」で回復魔法。腹も減るし一石二鳥じゃん』
ルミナ「世界を食い物にする気ですか」
神『……完璧なの思いついたわ。「魔法全部擬音語」でどう?「ドカーン!」で爆発魔法、「ビュン!」で風魔法、「グギュルルル……」で毒魔法』
ルミナ「次、住民の名前設定です。どうされますか?」
神『“あ”から順番に自動生成で』
ルミナ「“あああああ”という住民が大量発生しますが?」
神『じゃあ『ルミナ』から順番に番号追加で。自動生成で』
ルミナ「……ルミナ村ができます。」
神『いいじゃん、観光名所になるじゃんルミランド!ルミナの像建てたらいいよ。でっけー像作って『ルミナ様ありがとう』って毎日拝ませようよ』
ルミナ「ちっ……」
神『また舌打ちぃ?アンドロメイドのくせに感情ダダ漏れ過ぎじゃない?』
ルミナ「そのような感情は許可されておりません」
神『はい引っかかったー!許可されてないなら、舌打ちするのもいけないと思いまーす!』
【ルミナさんが荒ぶっておりますので、少々お待ちください】
ルミナ「……最後に“モンスター生成”です。ランダム生成でも構いません」
神『……はい、すいません。今度から無言で執拗にスネを蹴るのやめて?お願いだから。じゃあ、モンスターは全部ラクダで』
ルミナ「却下です」
神『じゃあ、全部カバで』
ルミナ「却下です」
神神『カバって強いんだよ?最強だよ?アンドロメイドのくせにカバ最強説知らないの!?あのデカい体と短い足で意外と速いんだよ?水の中も陸も両方強いし、牙も鋭いし、性格も短気で即キレるし……マジで最強だと思うんだけど』
ルミナ「知りませんし、知りたくもありません」
神『……カバのこと何も知らなさ過ぎでしょ。カバってさ、昔から「水中の王者」って言われてるんだよ?ワニとかもカバには勝てないんだよ?俺、前世でカバのドキュメンタリー見たことあるんだけど……』
ルミナ「前世で見たのと、現実でモンスターにするのは別問題です」
神『じゃあカバの口からレーザー出す感じで』
ルミナ「悪化してます」
神『じゃあカバの口からカバが出る感じで』
ルミナ「増殖すな。マトリョーシカ人形か」
神『じゃあカバの口から“カバの口”が出る感じで』
ルミナ「概念攻撃やめてください。初期のエイリアンか」
神『……じゃあ、もう全部カバでいいじゃん。カバがカバを生んで、そのカバがまたカバを生んで……最終的に世界がカバで埋め尽くされる……カバ・ザ・ワールド……』
ルミナ「カバへの執着なんなんですか。前世でカバに育てられたんですか」
神『……育てられてたら俺、もっと優しい性格になってるよ?お母さんカバに「今日はちゃんと草を食べてね」って言われて、「はい、お母さん」って素直に食べて、
夜は「早く寝なさい」って言われて、お父さんカバに「明日もカバらしく強く生きろよ」って頭を撫でられて……なんかいい感じの人生送れてそうじゃん』
ルミナ「……カバは"世界一人を殺す哺乳類"ですが」
神『えっ、人もたくさん◯しちゃってんの?まぁでも、モンスターとしては殺傷能力があった方がいいでしょ。よし、じゃあこの設定で――』
ルミナ「お待ちください!その設定は危険です!世界が――」
神『ぽちっ』
ルミナ「押しましたね?」
神『押したね』
ルミナ「押すなと言いましたよね?」
神『言ってたね』
ルミナ「じゃあなんで押したんですか?」
神『……そこに、ボタンがあったから?』
ルミナ「登山家の理論やめてください」
神『いや、押すなって言われると押したくなるじゃん?人間だもの』
ルミナ「神様です」
神『神様だもの』
ルミナ「みつをの真似して誤魔化さないでください」
神『まぁまぁ、世界なんて作って壊してまた作ればいいんだよ。どうせ練習なんでしょ?』
ルミナ「軽い!異世界に対する姿勢が軽すぎます!あなたの世界観、紙より薄いです!」
神『紙より薄い世界観って何?ペラペラ異世界?』
ルミナ「住民が風で飛びます」
神『紙飛行機かよ。……あ、"神"だけに?』
ルミナ「……では次回は、この“ふざけ倒した設定で作られた世界”に、勇者を送り込みます」
神『いや、それもう勇者じゃなくて“被害者”じゃん』
ルミナ「被害者です」
神『言い切っちゃったよ』
ルミナ「覚悟しておいてください。あなたが創った世界ですから」
神『俺のせい!?いやまぁ、俺のせい……なのか?』
ルミナ「では、地獄の世界創造編 〜勇者召喚されたら豚野郎(田中)呼ばわりされました〜、開幕です」
神『また、田中かよおォォォォォ!!なんで毎回、田中が出てくるんだよ!俺の世界、田中率高すぎだろ!』




