双子の学園生活 1
「「ダブル首位!!」」
校舎の入り口に成績上位者が張り出されていた。
ルードとリアは、顔を見合わせて手を合わせた。
総合点は二人とも同じ。
座学ではルード、魔法実技ではリアが勝った。
その瞬間、二人を金色の光がまばゆく照らした。
――総合点が同じで一学年の主席となったルードとリアの制服のブローチは、金色に色を変えた。
ブローチは成績順に色を変える。
今回は二人とも金色だが、次回はどちらかが金色でどちらかが二位から五位までを示す銀色になるかもしれない。
「「満点取れば、ずっと二人で金色だもんね~! がんばろう!」」
二人は、努力家であるだけでなく、天才でもある。
入学時には緊張と蜘蛛の出現によりミスをしたリアだが、ルードに勝った。
ルードは、少しばかりまだ光の魔力がない状態で魔法を使うことに慣れていないようだ。
教室に入ると、周囲の視線がルードとリアのブローチに向かった。
一年生は入学試験の順に分けられているため、ルードとリアのクラスメートは、銀、赤、青の者がほとんどだ。
ウィルソン公爵家カールのブローチの色は銀色だ。
座学が満点だった第二王子フレッドは、青色だ。
彼は魔力がないため魔法の実技を受けることが出来ず、総合点で金や銀になることができないのだ。
ルードとリアは、フレッドに駆け寄った。
「おはよう! フレッド殿下、座学で満点なんてすごいね」
「うん、最後の問題、すご~く難しかった」
「おはよう……。そうだね、このクラスにいるためには座学で点を取るしかないからね」
フレッドは謙遜したが、最後の問題については実は中級魔法の後半相当の内容だったことをルードとリアは知っている。
見たことがある術式ではあったが、残念なことに魔法陣を完全に再現することが出来なかったのだ。
「「……」」
ルードとリアが、微妙な表情を浮かべた。
彼らが考えたのは、もちろんメリッサのことだ。
メリッサはとても優しくて、賢く、能力が高い。
だが、魔力がないそれだけのために周囲にはメリッサを馬鹿にする者が絶えないのだ。
「満点なのはすごいこと」
「そうだよ! 頑張ったってことだもん!」
ルードとリアがそう言うと、フレッドが顔を真っ赤にした。
たぶん、彼は褒められ慣れていない。同じく魔力を持たない彼の曾祖母フレデリカや、叔母アンナーティアは彼の努力を認めているのだろうが、二人とも幼い者を褒めたりはしないのだろう。
「――そうだね。僕は座学では負けたくない」
フレッドは、決意を込めた表情を浮かべた。
ルードとリアは、にっこりと笑った。
「「負けないもん!!」」
「俺も!」
そこにカールが合流してくる。
彼は公爵家の者らしく座学も魔法実技も高い点だったが、とくに剣術に関して教師が舌を巻くほどの実力を持っている。
――彼は、魔力を持たないにもかかわらず騎士団長にまで上り詰めた、ディグムート卿に憧れているのだ。
教室の扉が開く。
入ってきたのは、レティシア・フィアーレだった。
彼女のブローチも銀色――彼女はルードとリアに次いで三位だった。
しかし、彼女は物憂げな表情を浮かべたまま、自分の机に座り前を向いた。





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