怒りの感情
少女が旅に出て数日
しばらく街に出て人間観察に
勤しんでいる時
一人の男に話しかけられた
「お嬢さん
今時間よろしいでしょうか?」
いつもなら受けずにいたが
今は感情について結構知れたので
機嫌がよかった
「ええ」
だから受けた
「お嬢さんは
宮木 ハルという人をご存知ですか?」
「ええ それは私ですが」
少女はなぜ名前を知ってるのか
不思議に思いながら
続けて聞いた
「それで?あなたは誰でしょうか?」
「そうですね
ここでは言いにくいので
少し裏の方に行きませんか?」
「ええ いいですよ」
疑問にも思わず
少女は男についていく
「さ ここら辺でいいですね
じゃ 俺の名前から行きましょうか」
先ほどと
口調を変えた男に少女は聞く
「ええ お願いしますね」
「っ舐めがって!
俺は斉藤だ!
この名前に聞き覚えはないか!?」
「え?ない」
あっさりとそう言う少女に
男はさらに顔を赤くして
声を荒げる
「ぐっ!貴様が
殺した男の名前だ!」
そう言っている男の様子を見て
少女は『あぁ これが怒りの感情か』
と思い質問する
「何でそんなに怒ってるんですか?」
それがさらに男の怒りを加速させる
「おまっ えがっ!!
殺した男はっ!
俺の!弟だ!!」
「どうして?」
男が感情を発露させればするほど
少女の本領が発揮される
質問が繰り返される
「お前は人間としての感情がないのか?」
「じゃあ 何であなたには感情があるの?」
「おまっ だってお前・・・」
徐々に怒りを超えて
恐れが出てくる
なぜこの女は人を殺しといて
何も感じていないのか
殺した近親者に見つかったのに
恐怖を感じないのか
だが 男は少女の一言で
再び怒りが上回る
「殺されたぐらいで
そんなに怒るの?」
こいつは何を言ってるんだ?
”ぐらい”だと?
「おまえ!!
ふざけてんじゃねぇぞ!
こんなところに
トコトコついてきやがって!!
アホだな!?お前は!
お前なんかぶっ殺してやるよ!!」
「どうして?
私の方が圧倒的に強いのに?」
「お前の頭はどうなってんだ!
この状況でお前がどうやって勝てるんだよ!
今から命乞いしても意味がねぇぞ!
ぜってぇぶっ殺してやるからなぁ!!」
ハハハと狂ったように笑い声をあげる
男の手にはナイフが握られ
少女に向けている
そして
男は少女を殺すために
歩いていく
少女の方は
歩いてくる男に首を傾げながら
手の形をナイフのようにし
男に向けた
すでに狂った男には恐怖心が存在せず
ただ少女を殺すためだけに
動いてるようだったが
少女が動いたように見えた瞬間
男の稼働が止まり
体がずれる
少女はそんな男に
背中を向けながら
怒りという感情について考えをまとめていた
読んでくださりありがとうございます




