033 次なる道へ
「次のアニメはどうされるのですか? あれだけ大盛況ですし、明日の新聞はもしかしたら」
「今回は報道関係を遮断したんだ。だから口コミ以上には広まわらないと思う」
「それはどうしてですか?」
「本当に大盛況になるかは半信半疑だった。正直帝国楽劇に比べてアニメは先進技術を多く使っている。帝国人が時代についてこれない可能性はあった」
アデライードを使って販促を行おうとした時、セレスは引かれませんか? と質問をしたことを思い出す。もし時代についてこれず、アニメなんて認めないという風潮だったらどうなっていたか。
「ついてこれなかった場合は……」
「アニメプロジェクトを十年凍結することも考えた」
(大盛況で良かった!)
だが実際は大盛況で終えた。この結果をもってレオンは皇帝陛下に報告を行い、第二次上映に向けて動き
始めることになる。
「次回作は決まってるんですか?」
「ああ、基本的に作品というものはターゲットに向けて作ることが多い。今回は男性が9割いる帝国騎士向けだったため火竜を出し、アデライードという評価を得やすい美少女を出した。だが次回作は違う。今度は帝国中にアニメの名前を知らしめる作品とする。そうなった時、帝国の流行は誰か作ると思う?」
そこでセレスは考える。今回は男性向けの作品だったと言えるだろう。
流行を考えていなかったから凝った作風で心にガツンと来るようなものをレオンは作り上げたと考える。
帝国の流行。帝国の最先端はやはり帝国楽劇である。帝国楽劇で最も人気なのはヨノエル。
ヨノエルを好むのは……。
「貴族の女性向けということですね。帝国の流行は彼女達が生みます。帝国楽劇も彼女達の支援あってのものですから」
「さすがだな。今回が身分差冒険譚ものであれば、次作はロマンスラブだ。複数人のヒーローを出して、主人公との恋愛を楽しむ」
「いいですね! 私、ロマンス作品大好きです。帝国楽劇でも台本を買うくらい好きで、ヨノエル様のプロマイドなんて何枚も……」
「嬉しく思っていいが。ラブロマンスである以上主演は女性になる。つまり、今度の作品の主人公はセレス……いや、ステラ。君になる」
「……え。ええええっ!?」
今回は主演をジュリアンに譲っていたため気軽にやれていたが、次回作は主演がセレスであることがここで決定してしまった。
「セレス、第二回上映界を大成功させて、アニメを象徴するプリマステラになってくれ」
帝国楽劇のトップ演者である証がトップスタァである。アニメトップ演者はプリマステラという名称を付けている。
セレスがプリマステラになるためのロードを歩み始めたのだ。
そして1週間が経過する。
今、セレスが何をしているかというと……。
「あの……どうしてレオン様まで一緒にいるのでしょう」
「ん? 里帰りをするのだろう? 俺もハルモニア市は初めてなんでな。楽しみだ」
そう、セレスは婚約破棄の詳細や皇子のプロジェクトに参加することを実家に報告していなかったため呼び出しを受けてしまったのだ。
次の話はそこから開始される。




