作務衣の客(後編)
ラビーはまず魔法で鉄板の温度を出来るだけ下げた。
牛乳、 卵黄、 生クリーム、 砂糖をボウルに入れてかき混ぜる。
バニラエッセンスも忘れずに。
そして冷えた鉄板の上で混ぜながらヘラで形を整える。
「・・・・・」
練習をしたので綺麗にまとまり、 アイスクリームが出来上がる。
アイスクリームを器によそい表に出て来る。
陶芸家は器を持ってスープをごくごくと飲んでいる様だった。
「ぷはー!! からえええええええええええええええええええ!!」
「スープ残せば良いのに」
「私はラーメンもスープまで飲む派だ!! はー!! はー!!」
ひーひー言っている陶芸家。
水も全部飲み干す。
「これ、 店からのサービスです」
そう言ってアイスクリームを出すラビー。
「何だこれ? 冷たい・・・とりあえず頂こう」
アイスクリームを一匙食べる陶芸家。
「あまぁああああああああああああああああああい!!
そしてつめたああああああああああああああああああい!!
こんな物も作れるのか女将!!」
「まぁね」
「辛い物食べた後にデザートか・・・何とも嬉しい心遣いよ!!」
勢い良く一気にアイスクリームを食べる陶芸家。
「ふぅ・・・・・満足した・・・女将はこれは代価だ、 受け取るが良い」
幾つかの器や皿を貰うラビー。
「ありがたく頂いておきますね」
ラビーは王妃教育で陶芸品の美術的価値を鑑定する事も学んだ。
貰った器や皿は美術的観点から言って価値は無いが。
普通に使用出来るので問題は無いと思い受取った。
態々価値は無いという事も無いだろう。
「それは私が作った作品だ」
「なるほど」
「如何だ? 何か感じる物が有るのではないか?」
「いえ、 特に・・・」
「この作品には私の魂を込めた」
「はぁ・・・」
「何故かそれが伝わらないと嘆いていたが今日分かったよ」
「つまり?」
「愛だ!!!!」
「あ、 愛ですか?」
「その通り、 気持ち、 心と言い換えても良い
女将さんが私にデザートを振舞った、 私を思いやる気持ち、 心遣い
媚びずにその気概を出す、 何とも素晴らしい事よ」
「あ、 ありがとうございます」
「私の作品に魂と心を叩き込む!! それでもっと良くなる筈だ!!」
「そ、 そうですか」
「今までの作品は女将に渡そう、 使ってやってくれ」
「は、 はい・・・」
「ではな!! 失礼する!!」
そう言って陶芸家は去って行ったのだった。




