表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
my life  作者: zengen
9/16

what happened

story NO.8


小学校に着くと校庭にはお父さんも誰もいなかった。

さっきのおじいちゃんの会話が不吉で不気味な気分に加えて校庭でひとりぼっちの寂しさに思わず大きな声で叫んだ。


「お父さーん!どこおるん!?」


返事はセミの鳴き声しか聞こえてこない。


もうすぐにでも家に帰りたくなった時だった。

お父さんが激しく息切れしながら自転車に乗って校庭へやってきた。

来るなりグローブを俺に渡すと怒りを堪えきれてないトーンでキャッチボールを始めると言いだした。


俺はもうキャッチボールより今日はみんな変な気がしてたまらなくなっていた。

だが、お父さんは気合いを入れて投げて来いとグローブを叩いている。

そして持っているボールを思いっきり投げてきた。


「おえ!優!本気で投げてけぇ!」


お父さんはホームベースのど真ん中にグローブを構えて怒鳴っている。


もう俺はヤケクソになってお父さんに向けてボールを思いっきり投げた。


「バシッ!!」


ボールがグローブを弾くいい音が校庭に鳴り響いた。


「もう一発思いっきり投げてけぇ!」


お父さんの返球も全力だ。そしてもう一度投げようとしたその時だった。


「ピーポーピーポーピーポー」


小学校の前の道路を救急車が通りかかって来た。

俺は投げようとしたボールを投げず救急車を見てモーションを止めてしまった。するとお父さんがまた大きな怒鳴り声で

「なんしょんなら!」

と怒りながら俺の方へと近づいて来ている。


俺は救急車の助手席を見るとなぜかおばあちゃんが乗っている事に気付いた。


「お父さん!救急車におばあちゃんが乗ってるよ!」


お父さんはパッと立ち止まり、怒りが戸惑いへと変わっていくように小さな声で呟いた。


「オフクロが救急車!?なんでな。どうゆう事な!?」


俺はもしかしたらおじいちゃんに何かあったかもしれないと思うと胸がバクバクしてきて喉が締め付けられるような苦しみを感じたら泣きそうになってきた。


「優、すぐに家に帰るで!早よグローブ、チャリのカゴに入れて俺の側から離れるな!!」


俺とお父さんは急いで校庭を出た。

お父さんは自転車を手で押しながら俺を守るように車道側を歩きながら周囲を警戒して家に帰った。


俺は不安で胸がいっぱいになっていたから帰り道は何も話せなかった。


セミの鳴き声さえ耳には入ってこないような、心が凍りつきそうな帰り道だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ