病院のロビー
story NO.10
家の前まで着く頃だった。向かいの道からお母さんと妹が一緒に帰って来ていた。
玄関の前でお父さんは下を向いて不安でいっぱいな声でお母さんに言った。
「優がさっき小学校の前でおふくろが救急車に乗っとるの見たって。。」
お父さんは言葉が喉に詰まってしまって窒息してしまいそうだ。
「潔ちゃん!しっかりしてよ。とにかく家で話そ。ほら、優くん。家に入るよ。」
お母さんがそうゆうと家の電話が鳴りだした。みんなで家に入ってお父さんが電話に出た。
深妙な面持ちでお父さんは話している。
電話を切るとお父さんはみんなに落ち着いた声で告げた。
「親父が自転車で転けてそのまま田んぼに落ちたらしい。今は病院で意識不明の状態になっとる。とりあえず病院に向かおう。」
みんなは車に乗りお父さんの運転で病院へ向かった。
病院に着くとロビーにおばあちゃんが泣きながら俺たちを待っていた。
「潔!どこに行っとたんで。もう大変な事になってしもうてから。」
おばあちゃんはハンカチで涙を拭きながらお父さんを睨んでいる。
「親父はどうなったんな?」
お父さんは俺も気になっていた事を聴いてくれた。
「.今、病院の先生が来られるから待ってなさい。」
俺はなんでおばあちゃんはお父さんに怒りながら泣いているのかわからなかった。
病院のロビーで待ってる時間はまるでサスペンス劇場の一場面。これがテレビならチャンネルを変えたい気分だ。
結局その日、おじいちゃんには会える事が出来なかった。病院の先生の話も子供の俺は聞かせてくれなかった。
夏休みだってゆうのに気分の晴れない曇り空のようなmindだ
おじいちゃんが意識を取り戻さないまま俺の誕生日を迎えた朝だった。




