4、人選ミス
12月後半ごろに投稿し、すぐに取り消した4話は自分の不手際です。すいません。
あれは幻だったということで気にせずこの本物の4話を読んで下さい♪
感想等、いつでもウェルカムです(^O^)
全くあてにならなかったルべリオお兄様のことはいったん忘れて他の人に相談しようと思う。
誰か適任な人はいないかときょろきょろしていると「アリシアーっ、どこにいるのー?」という声が近くから聞こえてきた。多分お母様だろう。よく耳を澄ましてみるとお父様やアルシヨの声まで聞こえてくる。
「カイン、なんでみんなが私を探しているの?状況が全く把握できないんだけど」
私のそばに控えていた従者のカインに尋ねてみると、いつも落ち着いて分かりやすく伝えてくれるカインが珍しく切羽詰まった様子で
「お嬢!早く家出するなら早くなさった方が宜しいですよ。今ご家族の皆様がお嬢を引き留めるため、メイド総出でお嬢を探しております!」
と、答えてくれた。
・・・えーと、家出?なんのことかな?
確かに「家を出る」とは言ったけどそれはあくまで自分探しの旅であって「家出」とはまた違う。まぁ、出ていくことにかわりないから「家出」でもなんでもいいけど。
だって私は王子に婚約破棄された身として肩身が狭くなるからこの際学園はやめようと思ってるしずっと家で何もせずただお世話になっていくのも悪いし。でもその前に色々やっておくべきことがある。
私は行動に移すため再びカインに声をかけた。
「カイン、馬車お願い。私、ちょっと学園に行ってくるわ。それと家出じゃないからってお母様たちによろしくね」
「はいっ!」
私は早速用意された馬車に乗り込み、目的地である学園へと向かった。
さぁ胸を張ってテンション上げていざ出撃!
私は軍人、そう特殊任務中の軍人よ!
前方に人影が!・・・ほっ、庭師の人か。
今度も庭師の人かな?
なぬ!?あれは敵陣の姿!それもかなりの人数!
撤退!撤退!!
「あら?アリシア様ではないですか。私、先日王子と婚約したミリアですわ。覚えてらっしゃいますか?こんなところでアリシア様にお会いするとは驚きですわ」
「・・・」
えぇ、えぇ。私も驚きだよ。ついて早々に会うのがよりにもよってミリアなんだから。
私は「どうも私のかわりに王子と婚約してくれてありがとうございますっ、そしてもう二度と会いたくないです」と心の中で感謝しながらも社交辞令用のとびきりの笑顔を作って祝福の言葉と別れの言葉を端的に口にした。
「えっ?ちょっ!」
はい撤収ー!
私はミリアの戸惑った声もガン無視して行動に移そうとすると案の定ミリアの取り巻きたちに行く手を阻まれてしまった。
「なんでしょう?」
「はあ?私は未来の国王になるルヴィウス様の婚約者なのよ!そんな態度、絶対に許されないわ!不敬罪よ!」
胸を張って叫ぶミリアの姿は以前見た時とは打って変わって傲慢な少女へと変貌してしまっていた。そんな姿に若干驚きつつ同時に納得してしまう。
ミリアは私たちの協力があったからこそ王子と婚約できた、それを知らないのだ。
だからわたしが王子に「ミリアさんはね、とても素晴らしい方なんですよ」とか当の本人とは喋ったこともないのに褒めまくっていたことも、ミリアが近くに見えたらそっとその場を離れて私の取り巻きたちに二人がちかづけるように行動してしてもらうよう手伝ってもらっていたことももちろん当の本人は何も知らない。
だからそんな姿を見ているとちょっと笑えて来てしまうし、こっちの努力も知らずに高笑いをしているミリアにイラッと来てしまう。
「ふふふっ、それを言うならあなたも不敬罪になるでしょう。だって次期国王の正当権は第一王子であるグレーディア様のはずですのに、グレーディア様を差し置いて第二王子のリヴィウス樣が国王になると言うだなんてそれこそ不敬で一歩間違えたらあなたは反逆者になりますわよ」
ついついそう言い返してしまったと気付いた時には明らかに切れてしまっているミリアの姿が目に入った。
「うっ・・・。でも第一王子は今ご病気だとか」
「ええ、そのようね。」
「だからっ」
「だから何ですか?まさかグレーディア樣がお亡くなりるとでも。そんな都合のいい話、あるわけがないでしょう」
「・・・黙りなさい!あなたは所詮捨てられた女でしょ!もしかして私への当て付け?ふふっ残念ね。リヴィウス樣はもう私のものよ!」
お、おう・・・。えーとどこから突っ込めばいいかな?
あまりにも突っ込むところが多すぎて逆にいちいち指摘するのも面倒だ。
でも今日一つはっきり気づいてしまったことがある。私が重大な間違いをおかしてしまったということだ。
それは・・・人選ミスったぁぁ――!
なぜ私はミリアをあの第二王子の婚約者に担ぎ上げてしまったんだろうか。まさかこんなにも頭の方が残念な方だとは思いもしなかった。ある意味残念な少女と残念な王子でお似合いだけど今はそういう問題じゃない。
というか誰が想像出来るだろうか?
私の元に届いたミリアの資料は成績は普通、ミリアの取り巻きは全員平民。リヴィウス樣に憧れているも学園内では控え目にしている方だと書いてあった。
てっきり私は平民でも皆平等に優しく、清楚にひっそりと編み物とかが好きそうな女の子なのかなと思っていたのだ。
だったら資料の中の君は一体誰だ?本物のミリア?それとも別人か何かか?こうなるならもっと前に私が実際に会ってみるべきだった。後悔後先たたず。
「とりあえずあなたは捨てられたんです!金輪際近づかないで下さい」
まだ喋っていたのか、そう私はある意味感心しながら「用事があるんで」といいその場を去った。ふぅ、いろんな意味で一気に老けた気がする。
それからもずっと声まではかけてこないけど遠巻きに視線を感じながら私は学園の廊下を一人で歩いた。
一人で廊下、それも視線を一身に浴びながら。
・・・あー、泣けてくる。寂しいとかそういうのじゃなくなんかこう、無性に泣けてくる。
「あっアリシア樣こっちです」
比較的人通りの少ない廊下をテクテク歩いていると使われていないはずの教室から私の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。
「こっちです。皆待ってますよ」
ひっ!皆待ってますよだって。それは天国か地獄の話ですか!?私まだ死んでませんのでどっちもお断りです。
「何してるんですか?アリシア樣。そんなに頭を横にぶんぶんふっておられると髪型崩れちゃいますよ」
「もしかして・・・ミーヤ?」
恐る恐る顔を上げるとそこにたっていたのは信頼している取り巻きの一人、ミーヤが立っていた。
「先ほどから何度も同じことを言いますが皆待ってますよ、アリシア樣のことを」
「えっ?あっそうでしたね。ごめんなさい。ちょっと気が動転していて」
それからミーヤと共に教室に入ると私の心強い取り巻きたちがずらりと揃っていた。




