930.再び異世界(24) ヤミゾラ帝国(1)
そして今、ナヤダン帝国に戻ってきた。
「敗残兵アルミタよ、私達は戦うことになった」
「えっ、いつの間に決まったの?」
この世界での時間経過は無い、
「たった今決まった。 これは本当の神々の意思。
やつらの情報を教えて」
神々に押し付けられたとも言う。 良く言えば新米神に課された先輩神からの試練だけど。
・・・・・
アルミタによると、やつらの本拠地はヤミゾラ星、便宜上その世界をヤミゾラと呼ぶ。
統治者はヤミゾラ・ロントロ、代々受け継ぐ名だ。
アルミタはロントロが賢者神から逃れた当初にたどり着いた星の王族、ここも便宜上アルミタと呼ぼう。
同族が殺された今、彼女が最後の継承者であるアルミタという事になる。
ヤミゾラはアルミタから更に先に進んだ一族の流れでロントロ純血といってはいるが、怪しいものだ。
それに純血に意味はない、ヴァンパイアとかの様に純血以外は力が劣るというわけでは無いからね。
彼らは自分たち以外のロントロを否定して、統一を図っている。
彼らは世渡りの技術を極め自由に世を渡りその勢力を伸ばしてきた。その勢力は絶大である。
私は彼らの世渡りの技術を根絶するのが目的で、彼ら自体を根絶する必要はない。 それが必要であれば別だけれど。
アルミタの話では世渡りは出来るが時間軸は変わらないらしい、神の世渡りのようにゼロシフトは出来ず、渡った世界ですごした同じ時間後にしか戻れない、もちろん時間を遡ることも出来ない。
おそらくはパワー不足とナビゲーション可能かが原因と思われる。
彼らは原初の神々が構築した魔法システムを使えないのだから。
ナビゲーションもなくなぜ世渡り出来るかというと、適当な世界にアンカーを打ち込み、それを伝って渡るのだとか。かなり強引なやり方である。自由にというわけではないらしい。
1つ疑問がある。ロントロは魔力のない世界の人、異世界は魔力に満ちて住めないはず。
アルミタによると、最初は常にシールドを張った状態でないと生きていけなかったが、
ミトコンドリアの様な働きをする現地の原始生物を人工的に体内に取り込む事でエネルギーに変換する様にしたのだ。
だから魔素毒には耐性が出来たが魔法は使えない。ただし魔素からエネルギーを得られるので食べ物のカロリーが少なくて済むようになりあまり食べなくても良くなった。食糧事情の良くなかった当時としてはありがたい効果であった。
それに魔法は使えなくても科学技術が発達しているので全く不便はない。
“アンカーを打ち込み” ?
そのアンカーはここに刺さっているって事?
と、言うことは、やつらがここにやってくる?
駄目じゃん、何やってくれてんのアルミタちゃんってば
でも、逆に言えば、アンカーを辿ってやつらのところに行ける。
やつらの世渡り装置は設置型らしい。今はアルミタの居た星に設置されている装置につながっている。
そして全てのアンカーは最終的にヤミゾラにたどり着くと言う。
「シリル、探査機を送ってヤミゾラの世渡りネットワーク地図を作成して」
『りょーかいです
で、世渡りってどうやるんです』
「アルミタの乗ってきた宇宙船とその周辺を解析して、アンカーの痕跡があるはず」
『なるほどです』
「同じ機能を、シリルとランダにも搭載して」
『もっちろんです』
「それと調査結果に従って、全部の装置に到達するルートを作成し、それぞれに誘導弾にも搭載して」
『ヤミゾラに行かないんですか?』
「行く必要ある?」
『その装置を作ってる工場とか・・潰さないと』
「そうだね、新たに作られたら困るね
それを作れる人も・・・」
『工場を探しておきます』
「お願いするわ」
思ったよりも面倒だね




