857.番外編(3) 皇舞亜の場合(68) ロントロの末裔(60) コンパス帝国(28) キンクロ星(7)
アミタ君から調査結果レポートが提出された。
無駄にしっかりしている。
自分の体を変形させて凸版印刷するなんて業を使うとは思わなかった。 優秀な従魔だ。
レポートによると、
偽代表達は陽動隊が退いた事で落ち着きを取り戻し、私達への捜索隊を増員した。
私達の姿を見失った地点から捜索範囲を広げていっているらしい。
私達を誘導した給仕は捜索隊から離れて行く側に逃げていったので逃げ切れるだろうと言うことだ。
街中での会話の内容に、
“代表を見つけろ”
“せっかくクーデターが成功したのに”
“人質作戦は失敗だった”
“奴らを速く捕らえろ”
が含まれる事から、先日の代表は偽物と考えられる。
アミタ君、人の話を聞けるんだ。 えっ『取り込んだ者の能力を自分の物に出来る』って? 初耳だ、何それ人食べちゃったの? 『大丈夫、あの吟遊詩人暗殺者だから』って? まあ良いか。
『普段その能力使えるけどちょっと気持ち悪いから嫌われない様に使わない』んだって?
聴く時は耳の形になるとか?
うん、私の前では使わないでくれたまえ。
一方ドリは、能動的に情報収集してくれる。いわゆる聞き込みだ。
それによると、クーデター陣営は約10万人、こちらの陣営勢力は1万人程度、残りの人口は様子見らしい。 ちょっと厳しい戦況だ。
新しい首都は掘っ立て小屋だし。
私としては勝った方が交渉相手だけど、クーデター政権は敵だから、その場合キンクロ星は敵になる。 そして私の敵と言うことは帝国はクーデター政権に味方することはない。
そしてここの戦力だけで星を守る事は出来ない、詰みだよね。
かと言って旧政権に味方するのはどうなの? それは帝国に委ねるべきなんじゃないかな?
じゃあ帝国への連絡はしてあげよう。
「ハジロ代表、帝国への連絡はする。
正式にはまだ代表だからね」
「助かる、現状を何とかしたいんだが何か良い案は無いか?
正直厳しい。手詰まりなんだ」
「クーデター政権は基本機能を全て掌握しちゃってるんでしょ、
奪還したとしても維持できないでしょ、
戦力不足ね。
増援の見込みは無いの?」
「他の都市は全部様子見だ、
あとは・・・論外か」
「何か他にがいるの?」
「原住民・・・彼らには参政権がない」
「参政権を交渉材料に取り引きしたら?
政権を奪還したら参政権をやるとか」
「いや、彼らは人種じゃないからな」
「えっ? どんな生物?」
「我々は獣人って呼んでいる」
「えっ! この世界に獣人居るの?」
「居るぞ、基本的には大森林に住んでいて、ほとんど姿を見せない」
それは是非とも会わなければならない。
もふもふ天国ゲットするぞぉ
「全権を委任していただけるなら、
私が交渉しましょうか?」
「奴らは閉鎖的で好戦的だぞ、
それにこちらの味方になった所で政権の奪還など・・・」
「手詰まりなんでしょ、可能性にかけたら?」




