835.番外編(3) 皇舞亜の場合(46) ロントロの末裔(38) コンパス帝国(6) コンパスβ(6) 極新鮮乾燥機
塔の国とロントロ王国、大師匠の塔のある所は何だっけ?領主の所?の3箇所は同盟を結ぶ事にした。
塔の国が発展が一番遅れていたので、ロントロ王国からの支援を期待している。塔の国は資源が豊富なのでその供給をする事で折り合いが付くと思う。
盟主はローズにした、塔は元々彼女のため物だったのだから・・その監視者は私だけどね。ローズがちょっと頼りないので私がフォローしないといけない。 “ちょっと” じゃなかった、“だいぶ”の間違いだった。
盟主はお飾りとも言う、世の中そんなものだよ。
教会と司祭派遣の手配も終わったので、宰相と代表の案内のもと、ようやく視察に出発出来た。
装甲車で走ると、ひたすら牧草地、そして畑、そして放牧地・・・
視察だ、仕方がない、これなら空から視察したほうが楽なのにな。
景色に飽々してきた所で大きな施設が見えてきた。
ここは食品加工工場らしい、新鮮なものを近隣星に運ぶのは難しいので日持ちのする加工をして出荷している。
穀物は乾燥させて粉にする。 野菜・茸はピクルスにするか乾燥する。乳製品はチーズなどに加工する。
肉類は缶詰にする。・・などなど・・・
乾燥・・・大師匠から聞いた物語に出てきた・・極新鮮乾燥機なる物を作ってみよう
水分を取り除く魔道具と紫外線照射器を合体する・・紫外線はビタミンDを増やすためだ
熱を加えないので色鮮やかである。 また乾燥しすぎると脆くなるので水分残量は調整できるようにする。
工房で試作を作ってみた。
実験の結果、『極新鮮乾燥機』として機能するのを確認。
これをファクトマに解析させて完成品にしてもらう。パラメータ指定でサイズの変更も可能になった。
こうして新しい技術もファクトマは自分の技術にしてしまうスグレモノなのだ。
塔の能力とは工場としての機能よりも、解析して新たなものを作れるというとんでもない特別な能力。
これを作った開発者の技術に脱帽である。 帽子被ってないけど・・
加工工場用に “極乾燥機ルーム” を作ってもらい、大量の乾燥処理に対応する。
更に『極新鮮乾燥復元機』を作る、これは逆に『極新鮮乾燥機』で乾燥させたものに水分を適切に加えて復元するものだ。
これは輸出先に設置する。
これによって送り先で新鮮な野菜に復元できる。
これを試験的に運用してもらう事にした。
もちろん利益が出たらリベートをもらう、機械の材料費かかっているからね。
絶対に動物には使わないように注意しておいた。 即死だからね。
安全装置付けておこうっと。 一定以上の大きさの生きたものは処理できない様にしておこう。
死んだ直後に乾燥して、復元して蘇生するなんて事は出来ない。魂は冥界門に飛んでいってしまうからね。
輸送だけを考えるなら星間をゲートで繋いでも良いんだけど、保存性を良くするという意味もあるから乾燥にした。
とりあえず道具だけ作って運用方法などは任せることにした。 私はこの地の風習・習慣などは知らないから、現地状況に合わせて利用してもらえれば良い。
例えば、薪の乾燥に使っても良いし、衣類の乾燥でも良い、加熱や冷却せずに乾燥できるというメリットを活かせてもらえれば良い。
「マイ様、我が家にも1台・・」
「高いよ、セットで1億ゼル」
業務用だからね
「やっぱり止めておきます」
高野豆腐みたいに出汁で復元すると味が染み込むよね。
だだこの機械は形・色を保ったまま乾燥する事ができる・・・ドライフラワーなんか良さそうだね。
ちょっとやってみよう。
加工工場の周りに咲いていた花をドライフラワーにしてみる。
乾燥しすぎると触った時に粉になってしまった。 残存水分量の調節が必要だね。
色々なものを粉末に加工するのに良いかもしれない。
コメは水分量14.5%らしい。
色々と実験は必要だね。
“まあ頑張ってくれたまえ”、と次の視察現場に向かうことにした。 宰相には以後報告を依頼しておいた。
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「花を入れて、乾燥させて、日持ちがする。
うん、俺、天才じゃないだろうか」
「バカね、今、そういう物だって教わったでしょ、
まるで自分が発見したみたいに言わないでよ。」
「そうね、新大陸を見つけて発見者・・バカじゃないの・・現地人は昔から知っているわよ
自分視点でしか物事を見られないバカ」
「いるいる、そういうの、
ごはんに卵をかけて、醤油をかけて混ぜる・・・美味しい、新発見だ・・なんてバカ。
それを言うなら、卵に醤油をかけて混ぜてからご飯に乗せる、よね」
「バカバカ言うな」
「それはみーんな知ってる事実だから。 あんたの給料低いの、そういうのが原因だからね」
「なんで俺の給料知っている?」
「私は、経理をしてるからね」
「なんでバラす。 個人情報だぞ」
「バカと自覚してないバカは自覚させないと前には進めないでしょ、
私、貴方の助けをしているのよ」
「恩着せがましいこと言うな、俺だって自分がバカだって知ってるさ」
「そうなの、じゃあバカな事は言ってないで、仕事、仕事
考える仕事は他人に任せれば?」
「おれだってな、やるときゃやるんだよ、
薪を乾燥させてだな・・」
「それも、今、教えてもらった事。」
「野菜を・・」
「それも!」




