第六十六話 焦土の中で
今回は短いです。
パチパチと木々が弾ける音が鳴り、一帯に舞うのは破壊の後とも言える粉塵が降り積もっていた。
「ってえ、アルテミスの奴、いきなりぶっぱなしやがったな」
瓦礫がそこら中に散乱しているなかで一つの瓦礫が盛り上がり一人の青年が出てくる。辺り一帯には夥しい破壊の爪痕が残っている。一面焦土の場に一人この場に似つかわしくない一人の女性が降り立った。
「ふぅ、流石にやりすぎた感はあるかしらね」
「おいアルテミス!お前いきなりあの矢をぶっ放すとか何考えてんだ!」
「ごめんなさい、トール。つい私の弓の腕前を馬鹿にするように言われた感じがしたからつい・・・」
「つい、でお前の極破の矢ぶっ放されちゃたまらねえよ!」
「でも出力を抑えたから許してよ」
「ああ、まあ・・・確かに抑えなきゃもっと被害大きくなってるか」
トールは頭を抱えながら辺りを見渡す。
「おーい、お前ら生きてるか~」
「し、死ぬかと思いましたわ」
「ぼ、僕の果物が全て粉々に・・・」
その他にも瓦礫から起き上る人が続々と出てくる。
「よし、全員生きてるな」
「アルテミス!極破の矢を放つなら言いなさいな!」
「そんなに言う事かしら・・・」
「当り前ですわ!」
それでもアルテミスは少々不満気に顔を渋くしていた。
「やってくれたな・・・」
「おっと、流石に無事か」
砂煙の中から十二魔騎士が顔を出す。
「俺達が治める国を潰して、ただで済むと思うなよ?」
「へぇ、そいつは悪いことをしたな」
「貴様ら、覚悟はいいな?」
ルークは自分の首から下げていたペンダントを手にし、尋常ではない魔力を込める。
「湖の貴婦人よ、我が聖剣に水の加護を・・・湖の聖剣」
「随分綺麗な剣だな。蒼い剣か?」
「ランスロット家の聖剣だ。確実に殺してやるぞ、国賊共」
ルークが聖剣を振りかぶり襲い掛かろうとした瞬間、一振りの刀が降り立った。
「そこまでだ」
「刀・・・アレスか?」
「トール、目標は達成した。ここで退くぞ」
「そうか、なら退くぞ」
「逃がすと思うか?」
「逃げるさ」
トールは少し下がり一つ指を鳴らした。
「目眩ましか!」
ルークは急いで聖剣を振るい閃光を水魔法で壁を作り軽減しようとする。
「そう簡単に防がれるほど油断はしてないつもりだ」
聖剣を振るおうとしたルークに矢が放たれる。他の十二魔騎士もルークに放たれた矢を振り払おうと手助けしようとするが矢を放ったアルテミスはその全てを計算し、他の十二魔騎士達に矢を既に放ち動けないように牽制をしていた。
「じゃあな、国の英雄さん」
「ちっ、必ず貴様らを捕まえる。覚えておけ」
閃光がなくなった時にはその場には十二魔騎士しかいなかった。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
今回の話は自分の中の予定的にいくとキリがいい地点だったのでこの程度の分量にさせてもらいました。
そろそろ物語も復讐編に向かいます。復讐編が始まるときは大分時間が空くかもしれません。復讐編は全て書き終えてから投稿する予定ですので毎日投稿するつもりです。
謹賀新年。今年もよろしくお願いしますm(__)m




