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『生徒会室にて』  作者: 老眼X


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3/4

転 留学生が・・・

ついにグレーのブラを露わにしたとき僕たちの目つきが、、女だけ特に見つめるではなく睨みつけるようだった。それは羨望と悔しさが混ざっているようにも見える。

あまり詳しくない僕でも分かる。

シンプルなデザインなのに、不自然な窮屈さも隙間もない。まるで最初からそうあるべき形だったみたいに収まっていた。

女子役員が睨んでいたのは、その完成度だったのかもしれない。

しかも無理に形を作っているようには見えない。それが余計に反則だった。


会長と女子役員もようやく負け始めた。

もっとも、失ったのは靴や靴下といった差し障りのないものばかりだ。

じゃんけん勝負は数秒で決着がつく。

金髪をここまで追い込むのにも数分とかかっていない。

二人が負け始めたところで、大した時間稼ぎにはならなかった。

そしてついに、留学生は上下おそろいのグレーの下着姿になった。

見慣れないTバックほどではないがお尻が半分ほど丸出しの切れ上がった下着だった。

部屋が少し静かになる。

ここまで服装に隠されていた全体のシルエットが、初めてはっきりと分かったからだ。

すらりと伸びた脚。引き締まった体つき。そして金髪と整った顔立ち。

まるで雑誌のモデルがそのまま生徒会室に現れたようだった。

思わず見入ってしまう。女子役員は小さくため息をついた。

会長も珍しく無言だった。

本人だけはそんな周囲の反応を気にする様子もなく、次の勝負の準備をしている。

その余裕があるのか無いのか分からない態度に、僕はますます調子を狂わされるのだった。


それまで表情を崩さなかった金髪が、初めて明らかに困った顔を見せた。

また負けたのだ。さすがに次は勝手が違うらしい。

彼女はしばらく動きを止めたまま、どうするべきか考えているようだった。

部屋に微妙な沈黙が落ちる。


「Can I help you?」


女子役員が声を掛けた。金髪は少し安心したような表情を浮かべる。

そして何かを決心したようにうなずくと、女子役員に背中を向けた。

その仕草だけで、女子役員には事情が伝わったらしい。


「ああ、O.Kそういうことね」


ためらいもなく近づいて背中に手を伸ばす。俺には何が起きているのかよく分からない。

だが二人の間では説明不要だったようだ。

さっきまで勝負相手だったはずなのに、その瞬間だけは妙に協力的に見えた。

文化の違いなのか、同性同士だからなのか。

少なくとも、その役目だけは僕たち男の出番ではなかった。


ホックが外れると、金髪は片手で胸元を押さえながら、もう片方の手を肩紐から抜いた。

女子役員は背後からそれを手伝い、外れたブラを受け取る。

右手で胸元を隠したまま左側の肩紐も外し終えると、女子役員の手にはグレーのブラだけが残った。

金髪は両手で胸元を大事そうに隠しながら、ゆっくりとこちらへ向き直る。

僕――たぶん会長も同じだったと思う。肝心な部分は隠れている。それでもなお、圧倒されるには十分だった。


「32D? 嘘でしょ!? 私と1カップしか違わないのに、この差は何よ。倍くらいありそうなんだけど」


女子役員は思わず声を上げた。驚きのあまり、自分のサイズまで暴露してしまっている。

「なんだお前、Cもあったのか?」


「何で知ってるのよ(怒)」


「何でって、今Dと1カップ・・・」


「あ・・・」女子役員にしては珍しい天然ぷりである。

会長が珍しく口をはさむ。

「アメリカと日本ではカップの基準が違うんだ。だいたいアメリカのDは日本のFぐらい。アンダーに差があるとそれこそ体積は倍になっても不思議ではない」


「男のくせに良く知っているわね。変態なの?」

会長にまで辛辣な女子役員。


「知識は身を助ける。知らないより知ってる方がいいぞ。」

・・・ブラのサイズが身を助けるのか?


日本語の分からない金髪は、何を言われたのか分からず首を傾げていた。完全に「?」という顔である。

僕は親切心から翻訳アプリで説明してやった。

内容を理解したらしい金髪の顔に笑みが戻る。

一方で女子役員からは鋭い視線が飛んできた。

……どうやら余計なお世話だったらしい。



僕たちが「えっ?」となることが起きた。

金髪が胸元を隠していた手を放したのだ。

部屋の空気が止まる。誰も言葉を発しない。思わず見とれてしまう。


2つの白い山脈の頂にピンクの美しい花が乗っていた。


肌の色も、色素の薄さも、日本人とはどこか違う。

金髪も、灰色の瞳もそうだ。

目の前にいるのは同じ人間のはずなのに、越えられない人種の壁を見せつけられたような気がした。

だが彼女は周囲の反応など気にも留めていない。

前へ手を伸ばし、手のひらの上に拳を乗せる。

次のハンドの準備だった。緩みかけていた空気が再び張り詰める。

そこまでしてゲームを続けるつもりなのか。

驚いているのは、負けている本人ではなく、むしろぼくたちの方だった。



皆、好奇心に支配されていた。

余裕などなかった。

"Oh, my God..."

金髪の悲鳴のようなつぶやき。

金髪がチョキを出したのだ。

気付けば、俺もグーを出していた。会長も。女子役員も。全員だった。

出した瞬間に後悔した。これは勝負ではない。

彼女がここまで守り続けてきた最後の壁を、好奇心だけで壊しにいく行為だ。

だが、その時にはもう遅かった。



"Oh, my God..."には日本語には訳しきれない様々な意味があ。

文化は違えど隠すべき所は同じはず。そこを隠せなくなった時の感情。

まさに金髪の気持ち全てを含んだ便利な言葉が"Oh, my God..."なのだろう。




金髪は慌てた様子でスマホを操作し、翻訳アプリの画面をこちらへ向けた。

だが文章が長すぎる。しかも所々で意味がつながらない。

翻訳アプリが悲鳴を上げているようだった。

僕は画面を上から順に読む。


「以前にも似た経験はあります」


「その時はまだ子供でした」


「大人になってからは初めてです」


「とても恥ずかしいです」


「助けてください」


そのあたりまでは理解できた。だが後半になると文章が崩壊していく。

主語が消えたり現れたりする。時制も怪しい。

翻訳アプリが処理しきれていないのだろう。

それでも一つだけはっきり伝わった。


「写真や動画は禁止します」


という部分だった。僕たちは顔を見合わせる。

もちろん誰も撮っていない。そんな余裕もなかった。

画面にはさらに長い文章が続いていた。

きっと他にも言いたいことがあったのだろう。

だが翻訳アプリは限界だった。それだけ彼女が動揺しているということでもある。

ここへ来るまでほとんど表情を崩さなかった留学生が、初めて助けを求めていた。


僕たちは小声で相談を始めた。

翻訳アプリを一番使いこなしている女子役員が、意見をまとめて伝える役になった。


「で、どうするの?」


最初に意見を聞かれたのは僕だった。少し考えてから答える。


「こんな機会、滅多にない」


二人が黙って続きを待つ。


「いや、多分一生ない」


会長が苦笑した。だが僕は続けた。


「だから最後まで見届けたい」


言ってから思った。絶対に軽蔑される。特に女子役員には。


『そんなに好奇心が大事なの?』


くらいは言われるだろう。だが意外にも返ってきたのは別の言葉だった。


「それは同感」


あまりにもあっさりしていた。


「え?」


思わず聞き返す。


「だって気になるじゃない」


女子役員は肩をすくめた。

「こんな状況、普通に生きてたら遭遇しないもの」


会長も頷く。

「まあ、それはそうだなぁ」


どうやら三人とも似たようなことを考えていたらしい。

誰も立派なことは言わない。助けるべきだとか、止めるべきだとか。そんな言葉は出てこなかった。

結局のところ、誰も反対しなかった。僕たちは全員、同じ理由でここにいたのだった。



「写真や動画については、本人の意思を尊重してもいいんじゃない?」


最初に口を開いたのは女子役員だった。


「確かに、それは危ない行為だし」


僕も頷く。

そもそも撮影するつもりなどなかった。


「そこは同意でいいと思う」


会長も異論はないようだった。

だが、そのまま話を終わらせなかった。


「ただし、一つだけ言っておいた方がいい」


珍しく真面目な声だった。


「最初に条件を決めたのは本人だ。」

確かに始める前に

【“I want to see every single part of the Japanese body.”

「私は日本人の体の隅々まで見ておきたいです」】

と金髪は言っていた。

僕たちは黙って続きを待つ。


「不利になった途端に条件を変え始めると、こっちではあまり良い印象を持たれない」


会長は少し言葉を選んだ。


「別に責めるわけじゃない。ただ、日本ではそういう行為はフェアじゃないと思われることが多い、という説明は必要だろうな」


女子役員が頷く。


「文化の違いもあるだろうしね」


「そういうこと」


会長は肩をすくめた。


「撮影禁止は受け入れてもいい。でもルール変更は厳重注意だ、ってことだけ伝えればいい」


なるほど、と僕は思った。

助けるか助けないかの話ではない。

まずは同じルールを共有しているか確認する話だったのだ。



ようやくまとまった意見をアプリを通じて伝えた。

In Japan, breaking the rules is not tolerated. Rules should be established from the outset, and changing them later constitutes a serious breach of etiquette.

Your proposal has been accepted. The condition you set at the beginning—that you want to see every single part of the Japanese body.

Unfortunately, as per the original rule, you will have to take off your clothes. I apologize.


・・・後で分かったことだがこのアプリが吐き出した文は大きな誤解を招くものだった。


金髪は画面を見つめた後、"I agree・・・"

金髪はついに、ついに最後の布に指を掛けゆっくり下ろしてその全貌を明らかにした・・・が・・・

そこに僕が求めていた色は無かった。

一度も日に焼けたことのない真っ白な一本の草も生えない雪原が広がっているだけだった。

人類史的にはどうでもいいが、僕の疑問は文化の違いによって未解決のまま終わった。

金髪は再びアプリに何か入れ始めた


画面には「私はルールに厳格な日本の文化を尊重します。受け入れていい私の意見は最初に決めた全部見るだけだと受け止めます。」

「撮影しても構いません。ただし私のお願いがあります」」

「これは私からのお願いであってルールではないです。私の写真はここにいるあなた達だけで楽しんでもらえますか?決してアメリカに送らないでほしい。Plz,Plz」

と表示されていた。

(写真撮っていいの?)何か誤解か誤訳があったのか?

女子委員が試しにツーショットの自撮りを試そうとしたら金髪はポーズを構えて待機した。


女子委員がツーショットを撮り終え次に動いた会長はとんでもないことをしでかした。

「ここは隠しておいてやろう」といいながら

左胸の頂ピンクの部分の上に手を乗せてのだ。

「なんてことをしてるんだ」と僕の突っ込みに

「写真に乳首が映らないように隠したんだ」・・・それ言い訳か?苦しくないか?

なんてことを・とうらやましい・僕も触ってみたいという思いが同時に起きた。

会長はもう一つの手で僕を手招きしてからスマホを構えた。

僕はためらわず空いてるピンクの花の上に手を添えた。{メッチャ柔らかい}

至福の瞬間だった。僕は金髪の空いてる手を雪原の奥から覗く神秘の谷を隠すように誘導してスリーショットを撮った。


●ここでなぜ金髪が勘違いをしたか解説します。

一番の原因は、女子委員が写真・動画について直接触れなかったことがです。

"Your proposal has been accepted."「あなたの提案は承認されました。」

の提案を撮影の事として書いたつもりが、金髪は最初に提案した「日本人の体を見たい」の事だと勘違いした。

更に撮影に関しては後付けルールはマナー違反だから受け入れてくれないと思ってしまった。●


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