2章までのキャラ&メカニック表
〇アマテラス艦隊
♦イラコママ ??歳 銀河歴???年?月??日 一人称:ママ(語尾を伸ばす話し方) イラコママ
黒髪をおかっぱじみたボブショートに揃え、クラシカルな正統派メイド服を着こなした小柄な女性が、軽くスカート裾をつまんだお辞儀で答える。
小柄な見た目と、日系人の身体的特徴からは信じられないほど豊かな胸をゆさりと揺らしながら、メイドさんが笑う。
まあ、とにかく俺の母親である人物……見た目は十代半ば、黒髪ショートボブのトランジスタグラマーなメイドさんが、両手をポンと合わせながらこう言ったのである。(本文より)
好きなお菓子:いつか死ぬほどきんつばを食べてみたいですねー
◆ナイーダ・トランクウィッロ 16歳 銀河歴945年2月21日 一人称:うち 斬撃艦フレイヤ副長(ディートの副官)
通信ウィンドウに姿を現したのは、なんつーかこう、アレだ……ギャル。
着ている服こそ、マミヤちゃんたちが普段着てるような女子広報士官用のミニスカ士官服。
だが、ウェーブの入ったサイドテールで盛った茶髪といい、素材を活かす範囲とはいえ、目鼻立ちのみならず、まつ毛の一本一本に至るまでバッチリとキメているメイクといい、俺の周囲にはいないタイプの女の子だ。(本文より)
好きなお菓子:アフォガード
〇イセ新選組
♦ゼファー・ショウナン 22歳 銀河歴939年5月31日 一人称:オレ イセ新選組副長
そう言ってきたのは、日系人と思わしき20代の青年だ。
思わしき……であるのは、本来は黒色だろう髪を薄い金色に染め上げているから。
その上でサイドを刈り上げ、天を突くかのように立ち上げているのだから、凶暴な顔つきと相まって、凄まじい威圧感があった。
着ているTシャツは、オーダーメイドか、あるいはハンドメイドか……。
水色をベースに、袖口が波のようなギザギザ模様で白く染め上げられている。
下に着用しているのは建設現場の作業員が使っていそうな作業着で、防波堤の地面をジャリリと踏みしめる安全靴は、見るからにゴツい。(本文より)
好きなお菓子:赤福
◆レンゲ・オレンジ 16歳 銀河歴945年5月8日 一人称:ボク イセ新選組遊撃隊長
声もかわいらしかったが、振り返って明らかになった姿もまた、可憐。
真新しく油の染み一つないツナギに包まれた肢体は、華奢であり、小柄。
オリーブがかった褐色肌をしていることから、おそらくはイタリア系かスペイン系。
栗色に赤みが入った髪色から考えるに、後者だろうか?
その髪は、あまりヘアスタイルに興味がないのか、ややボサボサかつ短めに切り揃えられている。
少年のようにも思える中性的な顔には、実用性重視の武骨な眼鏡をかけていた。
好きなお菓子:ひねり揚げ
○その他
♦イゾーロ・ヤマモト 91歳 銀河歴870年4月4日 一人称:私 イラコの師匠
体格は、中背にして小肥。
太っているというよりは、加齢により自然な脂肪がついたという印象である。
色素の抜け落ちた薄い髪は、後ろへ撫でつけられており……。
着流し姿でいるのは、いつも通り。
年齢に見合わずこう……かくしゃくとしていて。
そう、資料で見たタカモリ・サイゴーをどこか彷彿とさせるような、立派なお人であった。(本文より)
好きなお菓子:ういろう
♦セバスティアン 72歳 銀河歴889年7月25日 一人称:私 銀河皇帝影の側近であり執事
一言一句丁寧に、デジタルボードへと書き込んでいくセバスティアンの姿は、まさに老執事の鑑……。
そして、トランプとか武器にして戦いそうな風貌である。(本文より)
好きなお菓子:ガトーショコラ
〇M2
♦メガアームズ・ユニット
イセ新選組特攻隊長であるカワハラが操るのは、他の隊員が扱っているのと同様、新選組カラーに染められた違法品のドンナーであり、武装は右手の粒子小銃だ。
ただ一つ異なるのは、左手のマニピュレーターが、万力じみた通常仕様ではなくなっていること。
では、どのように改造されているのかといえば、それは、大昔の映画でしか見られないガソリンスタンドの給油ノズルめいたパーツに置き換わっているのである。
タッチパネル操作により、自機と同じくデブリに偽装し漂っていたオプションを誘導。
ガイドレーザーに従ってカワハラ機の前に飛んできたのは、灰色一色のドンナーであった。
ただし、その形状は一般機と大きく異なる。
まず、象徴ともいえるブラウン管テレビじみた頭部パーツがない。
代わりに備わっているのは、無理矢理に接続された粒子バズーカ。
しかも、頭部のみならず、両腕までがバズーカに置き換わっており、両肩には大型の粒子ガトリングガンが装備されているのだ。
推力といえるのは両脚部のスラスターのみであり、本来、メインのスラスターがある背部には、何かを差し込むアタッチメントが配されていた。(本文より)
メガアームズ・ユニットは反帝国連盟からイセ新選組に贈与された二機一組の機体であり、惑星レクの内乱においては、イセ新選組特攻隊長エグザイル・カワハラがパイロットを務めた。
最大の特徴は、なんといってもドンナー一機を丸ごと火砲ユニットとして運用していること。
アタッチメントに親機のノズルを接続し、完全な静止状態でチャージしなければならない性質を思えば、機動兵器というより野砲や迫撃砲の子孫に位置する兵器であるといえるだろう。
そうして放たれる最大火力の一斉射撃は『チェンジ・ザ・ワールド』と名付けられており、戦艦レベルの電磁シールドすら貫き、撃沈することが可能。
弱点は、通常の状態でチャージを行うとM2でありながら駆逐艦レベルのリアクター出力に達してしまうため、エネルギー感知にすぐ引っかかってしまうという点である。
それにしても、本機に使われているリアクター同期による出力増加システムは、アマテラスオオカミが合体によって行うそれとほぼ同様の技術だ。
ということは、エステ・ジーゲルに匹敵するほどの天才が、反帝国連盟に属しているということであろうか?
♦ロビンフッド
全身、装甲の塊。
ロビンフッドの外観を評するならば、そのようなものになるだろう。
そもそもの原型機であるピノキオは、スマートなスポーツ選手じみたシルエットに、五指型のマニピュレーターとツインアイタイプの頭部を備えたヒロイックなM2。
白を基調に青色が走るカラーリングの機体を、回収品のジャンクで補修し、さらに、その上から無骨な追加装備を施したのが、ロビンフッドという機体の概要であった。
機体体積を三割増しにはしているだろう追加装備の数々は、単純に塗装を施していないため銀色。
着膨れしてそもそものシルエットを失い、かつ、本体のジンバニアカラーが隠されているこの機体は、ある意味、今シレーネが置かれている立ち位置を象徴しているように思える。
最大の特徴は、装甲と共に機体各所へ配置された火器類。
両脚の脛をカバー型の装甲と共に覆うのは、六連装ミサイルポッド。
両肩には、装弾数四発の240mm炸薬式キャノン砲が一基ずつ背負われており、背部の増加バックパックは、それと半ば一体化。推進用スラスターと弾薬供給システムを兼任していた。
右手に下げるのは、今はアタッシュケース状に折り畳まれているガトリングガン。
展開状態では、ピノキオの脚一本ほどにもなる大きさの重火器であり、多銃身の砲口は、凶悪な破壊力を予感させる。
なお、このガトリングガンも、荷電粒子弾を撃ち放つ当代の方式ではなく、それより何世代も前に先祖返りした炸薬式。
コンパクト——人間サイズに換算すると長財布程度——なマガジンに装弾されているのは、120発の特殊徹甲弾。
秒間30発もの連射速度を誇るため、最長四秒間でワンマガジンを撃ち尽くす短期決戦用兵器だ。
代わりのマガジンも両腰のハード・ポイントに一つずつマウントされているが、それを加味しても、息の長い運用は想定していないことが明らかだった。
つまり、ロビンフッドという機体は、それぞれ有限の火薬式実体兵器で、短期的な攻撃を行うためのカスタマイズM2なのだ。
落ち着き払ったシレーネのコマンドを受け、ロビンフッドは手にしていたアタッシュケース型のガトリングガンを展開させ始める。
まずは、ストックを引き出し、次いで折り畳まれていた多銃身をガトリングガン本来の形に戻す。
最後は、銃身基部に存在するテンキーに順次、セキュリティコードを入力したのだ。
7、5、3、8……!
『サイコーデス』
音声アナウンスと共に全ての準備が整い、ガトリングガンがロビンフッドの両手で構えられた。
右手が持つのは、当然ながら、グリップ。
左手は、回転する多銃身部の底面に備わったマグネットカバーを下から支える形だ。
このカバーは、その名通り強力な電磁石と化し、機体のマニピュレーターと半ば一体化。銃撃を支えるのである。(本文より)
鹵獲した兵器を実戦で運用した例というのは、古今東西、枚挙に暇がない。
敵の一鍾を食むは、吾が二十鍾に当たるとは孫氏の言葉であるが、そのように高度な考えまでは至らずとも、単純に、ある物は全てを有効活用せねばならぬのが前線という場所であるのだ。
……という前提を踏まえてみれば、各種増加パーツの“芯”となっているピノキオそのものは、他に鹵獲された同機の部品を共食いさせただけのほぼ未改修品とはいえ、こうまで徹底した武装強化を行い、元々の設計思想からかけ離れた役割をこなさせている本機は、やはり埒外にある存在であり、発案者であり設計者でもあるエステ皇女の趣味の産物と言えるだろう。
特性は、なんといってもステルス性。
装備火器の全てが本体出力にほぼ頼らない実体兵器ということもあり、本来は武装に割かねばならないエネルギーを生まずに済むリアクターは、極めて小さい出力で運用可能。
しかも、外部に着せている装甲は内側からのリアクター反応を打ち消す機構が含まれており、防御性能よりもそちらが本命とされているのだ。
弱点は、特注品の例に盛れず、構成する武装が——消耗品の弾薬に至るまで——極めて高価ということ。
本機を通常運用する費用は、基本仕様のドンナー一個小隊を運用するそれに相当するのである。
なお、見た目は派手な肩部のキャノン砲であるが、M2相手には十分な威力を発揮できるものの、所詮は実体兵器の悲しさ……戦艦クラスの電磁シールドには無力であり、仮に通常状態の給糧艦アマテラスに直撃させたとしても、大した損害は与えられない。
◆白光
それは、ひどく細身の……繊細さすら感じられるシルエットをしたM2であった。
機体を構成するラインは――直線。
直線的にカッティングされた装甲が、全身のフレームを覆っている形だ。
設計思想としては、タイゴンに近いものがあるのだろう。フレームは関節可動域の広さを重視したもので、装甲そのものはあまり厚くないし、覆っている面積も広くはない。
カラーリングは純白。
重要なセンサー系が集中した頭部ユニットは、バイザーがカメラを守る形式となっている。
総じて、近接戦闘能力における運動性能を重視した機体。
フォーミュラカーのごとく、無駄となるものを削ぎ落としたような雰囲気が感じられる機体だ。
だが、このM2に関して特筆すべきなのは、右手に下げているその大剣だろう。
いや、これを刀剣と称するのは、正しいのかどうか……。
コミックにでも登場しそうなほど巨大で肉厚で……非現実的な大きさをした鍔なしの大剣なのだ。
何しろ、刃渡りは握っているM2の機体本体と比べても遜色なく、刀身そのものの幅も、やはりM2の胴体ほどもあるのである。
要するにこれは、剣の形状こそしているが、M2を掴んで振り回すのと大差ない代物であった。
まさに、質量の暴力と称するべき得物なのであるが、かといって、その刀身が雑に一体成型されているのかといえば、そうではない。
よく見ればこの刀身は、両刃部分を一対のグレートソード、その内側部分をやはり一対のカタナ、中央部分をこれも一対のロングソードが構成する形で合体しているのが分かる。
つまり、このバカデカい得物の正体は、合計六つもの用途が異なる剣を合体させることで、斬撃艦の艦首対艦刀に匹敵するほどの攻撃力を達成した巨大剣なのだ。
柄元は小型のリアクターとなっているようだし、おそらく、戦艦クラスの電磁シールドでも切り裂けるほどの電磁圧をまとえるに違いない。(本文より)
SVT-900-001白光は、その形式番号から分かる通り、スマート・ヴィークル社が銀河歴900年に開発した対艦用試作M2である。
M2に対する戦艦の絶対的な優位性を保証するのは、リアクター出力の差から生まれる電磁シールドの防御力に他ならない。
M2が携行可能な武器では、通常、戦艦に対して蚊が刺した程度のダメージしか与えられないのだから、彼我の戦力差は明らかというわけだ。
だが、第二次世界大戦時、戦闘機による対艦攻撃が大きな戦果を挙げたことからも明らかなように、もし、M2サイズで戦艦を撃沈可能な打撃力を実現すれば、その有用性は計り知れない。
そのため、各社では定期的に対艦用のM2を試作しており、銀河歴900年にスマート・ヴィークル社が見出だした答えが、分厚い対艦刀による超接近攻撃だったわけである。
本機の特徴である対艦刀は、戦艦の電磁シールドをたやすく斬り裂くことが可能。
さらに、同じM2との戦闘に対応するため、それぞれ二本ずつのグレートソード、カタナ、ロングソードに分割することが可能なマルチウェポンとなる……はずだった。
が、所詮は机上の空論。
実際の戦闘で威力を発揮するには、装甲の薄い本機で、戦艦の対空火器をかわしきり、接近せねばならぬという大きな問題が立ち塞がる。
結局、スマート・ヴィークル社はこの問題を解決しきれず、同機は予備パーツ共々、フリーレン自由商業同盟へと渡ることになった。
なお、本機が渡った時点で、すでに銀河帝国はフリーレン自由商業同盟を仮想の侵攻先として定めていたが、その上であえてこのような供与が成された背景には、スマート・ヴィークル社のコウモリ的な思考が窺える。
あるいは、単純に使いこなせるパイロットとしてイゾーロ・ヤマモトを選定した結果かもしれないが、当時のヤマモト大佐は後方から指揮を執る立場にあり、彼が実戦でこの機体を運用することも、そのデータが開発元へ送られることも、結局はなかった。
余談であるが、タイゴン以上の超旧式機である本機が、タイゴンと互角に渡り合えたのは、ヤマモトが保管していた本機に、反帝国連盟がアップデートを施したからではないかと推察される。




