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ココロノツバサ-Eternal Odyssey-  作者: Kanra
sector8 北の大地、北海道
109/110

第108話 NSX vs S2000

 一見すると仲が良い坂口愛衣と坂口拓洋の夫婦。

 それを自認して、自慢げに歩くのは坂口愛衣なのだが、一方で、入り婿の拓洋はそれを言われると心を閉ざしてしまう。

 三条神流と松田彩香の重連と同じだ。

 相変わらず、何ら変化のない。と言うより、何も起こせず確実にレースを進めていく三条神流と松田彩香の重連は、一つ順位を上げた後は、日奈子のロータス・エキシージの後ろに付き、同じ順位をキープしている。

 一方で、坂口拓洋と坂口愛衣はチームメイト同士でのトップ争いだ。

 旭浦の高速ヘアピン。

 またも、スーパー耐久マシンに引っかかる。

 アンドリーガールのFITとまたHONDAだ。

「退け!」

 と、坂口拓洋は何度もパッシング。

 コーナーの都度、オーバーテイクしようとすると、そこへFITを持って行き、ブロックするのだ。

 大会本部から黒白旗で警告される程で、青旗も何度も無視している状態だ。

 旭浦のヘアピンで、とうとう、坂口愛衣に抜かれてしまった。

 するとどうだろう?

 FITは坂口拓洋に道を譲ったのだ。

「何ですか今のは!?」

 と、無線で怒鳴る。

「政治だ政治。」

「-。正孝さん、いや、監督。そういうの俺嫌いだと言ってますよね。政治的な圧力で、負けたり勝ったりするの。そんなのレースではないって教えてくれたのは、監督です。」

 坂口愛衣も「ふん!」と、露骨にブレーキを蹴飛ばして、坂口拓洋の後ろに戻った。

「私は純粋に、拓洋とレースがしたいのです。政治的圧力で勝っても、うれしくありません。」

 坂口愛衣も、こうした考えは坂口拓洋と同じだ。

「このロングストレートの先、高速のS字が待ち構えている。どっちが引くか、度胸試しよ。」

 と、坂口愛衣。

「望むところだ。」

 浮見堂公園から洞爺町交差点までのロングストレート。

 ここで、2台が並んだ状態で、高速で駆け抜ける。

 この先のS字は、日奈子と三条神流がスピンを喫した場所だ。

 両者、時速250キロ~300キロでロングストレートを駆け抜ける。

 コーナーが見えた。

 インサイドに坂口拓洋。

 先にブレーキングをしたのは坂口愛衣。

 一瞬、坂口拓洋はブレーキが遅れた。

(ちっ!若干オーバースピードだがこのまま、ケツを出し気味に4ドリで!)

 4輪ドリフトで坂口愛衣の頭を押さえる。

 そのまま、左コーナーはクリッピングを手前に取って、慣性ドリフトでクリアすると、アクセル全開でストレートに突入。

「あちゃぁー」と、坂口愛衣はNSXの後ろ姿を見ながら、苦笑いを浮かべた。



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