備え過ぎが丁度いい
昼食を食べ終えて帰宅した後。ヘルガは昼寝の予定を変え、ソグルスへ下見に行く支度を進めていた。
愛用してるMk18からM203を外し、代わりにショートタイプのフォアグリップに付け替えて軽量化と共に保持のしやすさを向上させて取り回しを良くする。
普段の仕様と比べて軽くなって取り回しは良くなったが、その代わりに火力は落ちた。
ヘルガにすれば別に構わなかった。
だが、ソグルスにも極稀に大物が現れる。
しかし、その大物は今装填されている徹甲弾をバイタルパートに複数発叩き込めば殺せる。
だからこそ、ヘルガは敢えてグレネードランチャーを外し、取り回しを優先する事を選んだ。
そんなヘルガは小さな雑魚モンスター等の対処をする為にベッドの下からガンケースを出すと、ベッドに置いて開ける。
中には見た目がポンプアクション式の散弾銃であるレミントンM870と、見た目はポンプアクション式のと似たセミオート式散弾銃……ベネリM4が収められていた。
2丁の散弾銃は長さが異なっており、レミントンM870はショートバレルでストックレス。対するベネリM4はロングバレルとバレルと同じ長さのマガジンチューブとピストルグリップ付きのストックがあった。その2丁に共通点があるとするなら、どちらにもダットサイトとマズルブレーキが付いてるぐらいだ。
そんな2丁の散弾銃を見詰めるヘルガはどっちにすべきか?悩みを露わにしてしまう。
「どっちにしようかしら?軽さを取るか?性能を取るべきか?」
迷いと共に漏らすヘルガは考える。
取り回しと軽さ優先に全振りしたレミントンでも至近距離なら小物を殺る分には問題無い。
でも、空を飛ぶ小物を対処するには射程が足りないし、離れた所の小物を仕留めるにもやはり射程が足りない。
後、弾も薬室に装填したのを含めても4発しか入らない……
「しゃーない。重いのを我慢してベネリにするか……飛んでるのとか離れた所の小物を殺るにも良いし、弾も薬室に装填したのを含めれば8発入るし、警護なんだから万が一に備えなきゃならんし……」
軽いノリと懸念からベネリM4を選ぶと、ヘルガはソレを手に取ってベッドへ放った。
その後。ベネリM4分のスペースの空いたガンケースをベッドの下に押し込むと、ヘルガが3つの金属製のアモ缶を取り出してベッドに置いた。
それから00と書かれたシールの付いた蓋をパカっと開けると、中にはバックショットと呼ばれる12ゲージ散弾銃の赤色のシェルが沢山詰め込まれていた。
そんな赤色のシェルを1発取ると、ベネリM4排莢口から滑り込ませて中に入れ、後退させてたチャージングハンドルを前進させた。そうして薬室に装填すれば、下部の装填口から1発ずつバックショットをクポクポと滑らかな手付きで装填していく。
程なくして8発のバックショットシェルを装填し終えれば、ストックにある6発のシェルが収まるホルダーに4発のバックショットをセット。
それからSlugと書かれたアモ缶の蓋を開けると、中に収まるスラッグ弾の青いシェルを2発取ってシェルホルダーの空いた2箇所にセット。
その後、排莢口の前にある緊急時用のシェルホルダーにスラッグ弾を1発セットすれば、ベネリM4の準備は完了となった。
こうしてベネリM4を何時でも使える様に準備を終えると、ヘルガは綺麗に整備されたガンベルトを取る。
ガンベルト前面の左右にある両サイドにM67破片手榴弾が取り付けられた2つの米軍の旧式弾嚢の蓋を開け、中に収められていた樹脂製の弾倉を取り出すと、ヘルガはその中にバックショットの赤いシェルを詰め込んでいく。
普段ならMk18の予備弾を優先する所だけど、雑魚モンスター用にバックショットを使いたいから今回は5.56は少なめにする。
予備のスラッグは……シェルホルダーに6発。否、12発あれば十分ね。
そう判断したヘルガは2つの弾嚢にバックショットを詰めれるだけ詰め込むと、プレートキャリアやチェストリグに取り付ける用のシェルホルダーを手に取り、其処にスラッグ弾の青いシェルを詰めていく。
程なくしてシェルホルダーに12発のスラッグ弾を詰め終えると、ソレをチェストリグ中央の弾嚢の両サイドに取り付けた。
コレで散弾銃周りは完了。
後は……普段通りの荷物持ってけば良いわね。
そう決めると、其処からは早かった。
チェストリグの弾嚢に徹甲弾が装填済の40連の樹脂製弾倉を6本入れ、大きなパウチと言える手榴弾嚢にM67破片手榴弾を入れる。
それからガンベルトの入れ組品を入念に点検し終えると、ガンベルトにある2つの水筒とバックパックの両脇にある大型の水筒を2つ。合わせても4つの大小異なる水筒を手にすれば、其れ等全てに井戸の水を汲み入れて満水にした。
「後は携行食を途中で買えば準備完了ね。下見だけだし、着替えや予備の弾とか爆薬持ってく必要無いから楽だわ」
そう独りごちると、ヘルガは全ての水筒を元の位置に戻してチェストリグとガンベルト。それに暗視ゴーグル付きのヘルメットを被り、ブーツを履いてバックパックを背負おうとする。
だが、ふとした拍子に予感を覚えた。
「気の回し過ぎつうか、考え過ぎかもしれないけど万が一に備えとこ……」
そんな言葉を漏らすと共にバックパックを背負うのを辞めたヘルガは再びベッドの前に赴くと、ベッドの下に手を入れてゴソゴソとさせながら1つのガンケースを取り出す。
ソレをベネリM4の時と同じ様にベッドに置けば、蓋を開けて中身……ロシア製の独特なデザインが目を引くポンプアクション式グレネードランチャーであるGM94を見詰めながらボヤく。
「流石に過剰過ぎるかしら?でも、万が一に無いよりはある方がマシなのを考えれば持ってく方が良いか……」
誰に言う訳でもなくGM94を見詰めながら独りごちるヘルガはまたベッド下から弾薬箱を取り出すと、蓋を開けてVGM93.900と呼ばれる43ミリ榴弾がギッチリ詰まってる事を確認。
そして、GM94を手に取って砲身を包み込むフォアグリップを兼ねたスライドを前進させると、手に取った43ミリ榴弾を薬室に送り込んでスライドを後退させて装填。
その後に上部カバーをカパッと開け、露わとなるマガジンチューブへの挿入口に43ミリ榴弾を1発ずつ装填していく。
マガジンチューブに3発の43ミリ榴弾を装填し終えると、安全装置を掛けた。
それからGM94と共に収められていた2つの布製のグレネードバッグに43ミリ榴弾を12発ずつ詰めれば、其れ等をバックパックに収めた。
こうして支度が過剰とは言えども完全に済めば、ヘルガは重くなったバックパックとベネリM4を背負い、Mk18を手に自宅を後にするのであった。
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