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前世持ちのエルフ冒険者さんは、気楽に生きたい  作者: 待っててコイサンマン
ヘルガという冒険者

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59/90

我思う。故に我在り


 本当なら、シレーラスを踏破しようと思った。

 そのつもりで私は此処に来た。

 サリーの誘いはそのついで。と、言うよりは金を得るのも兼ねた準備運動でしかない筈だった。

 だけど、あの忌々しいクソトカゲ(邪竜)のせいで、やる気は無くなった。

 あのクソトカゲと殺し合ったからなのか?

 そう問われたら、否定したいけど少し難しい。

 だけど、クソトカゲから問われた事が今でも頭の中に引っ掛かっているのは事実。

 だから、否定出来ない私が居る。





 食事を済ませた後。

 ヘルガが激戦から生還したが故、サリーは好意は先に風呂に入かせていた。

 身体を洗い終えてから温かい湯に浸かるヘルガは、己がクソトカゲと呼ぶ邪竜から問われた事を考える。

 だが、その答えは未だ見付からない。

 それ故に敢えて口に出しながら考えていく。


 「私がシレーラスに来たのは中途半端なままなのがしっくり来ないし、暇潰しもしたかったから……それだけの事で御大層な目的は無い。つうか、多分そう言うのとは関係無いわね」


 自分がシレーラスに来た目的を思い出す様に口に出し、自分が悩んでいる事とは無関係。そう判断する様にして自ら切り捨てれば、ヘルガは更に考える。


 今思い返すと、ヘルガって冒険者の私って今まで色々して来たわね……

 ゴブリンやオークを殺したり、盗賊を殺したり、空飛ぶデカいモンスターを殺したり、海でデカいタコ(クラーケン)を殺したり……って、殺してばっかりなのウケる。

 まぁ、討伐の仕事ばかり請け負ってたんだから当然か。

 でも、こう見えて護衛や救出の仕事もしてるのよ?護衛はあんまりしたくないけど……

 それでも商人や隊商の護衛はした事は何度もある。

 そっちはこないだの様なトミーの妹って言うVIPの護衛と違って、重い責任を背負わずに済む。

 で、救出に関してはExtractionって映画のタイラー・レイクって奴みたいな事をしたりした。

 タイラー・レイクって奴が誰で、映画とやらが何なのか?知らんけど。


 前世の知識を挙げたヘルガは映画って何よ?そう思うと同時、自分も前世の男が経験、体験した娯楽を自身も味わってみたい。

 そんな気持ちが湧いた。

 それ故に……


 映画や漫画。それにアニメって奴を私も実際に観てみたい。

 前世のクソ野郎はそれが意外と好きだったみたいだし、私にその記憶もある。


 「だったら、私自身もそれの経験と体験して、楽しんでみたい。だけど……」


 これは私の欲求であって、厳密な生きる目的ではない。


 それを理解していたが故、ヘルガは振り出しに戻った気持ちを持った。

 しかし、それでもコレは生きる目的を模索する為の小さな一歩目であった。

 それ故にヘルガから希死念慮が完全に消え失せる。

 そして、同時に……


 私を最も殺したがってるクソトカゲには私が私自身で見詰め直す機会を与えてくれた礼に、望み通りブチ殺してやる。


 何れ来たる邪竜との再戦に強い意欲と戦意を露わにし、燃やしていく。

 だが、ヘルガは湯船を出ると、そんな自身の熱を冷ます様にして氷の如く冷たい水を何度も頭から浴びれば、浴場を後にした。

 その後。

 全身の雫を全て拭い落として洗濯して綺麗にした下着上下と靴下。それに戦闘服を纏って着替えを済ませれば、ヘルガは公衆浴場を後にして歩みを進めていく。

 そして、途中でアイスクリームを売ってる屋台を見つければ、アイスクリームを買い、冷たい甘さを味わいながら宿へと帰るのであった。


ブクマと星評価。

感想とかレビューを貰えたら滅茶苦茶喜びます

なので下さい。マジで下さい


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