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前世持ちのエルフ冒険者さんは、気楽に生きたい  作者: 待っててコイサンマン
ヘルガという冒険者

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敵なら殺せ


 「証人よろしく」


 「あいよ」


 サリーが暢気に返すと、対照的にネッドは強い緊張に気分が悪くなりそうになる。

 だが、そんなネッドを気遣う事無く現実は進む。


 「よう!お前等の装備と其処のお宝。全部、俺達に寄越してくれんなら、生命だけは取らねぇでやるぜ」


 その言葉を放った唾棄すべき冒険者達の頭。

 否、盗賊の頭に対し、ヘルガは不快感を露わにすると共に今直ぐに皆殺しにしたい欲求に駆られながらも理性で抑え込んで問い返す。


 「ねぇ……一応聞くけど、私の警告を聞いてた?」


 「あぁ、愚かな真似をするなって奴だろ?聞いてたぜ……でもよ、テメェの武器と其処のお宝の山を奪う方が良いって俺達は思っちまったんだ。幸い、テメェの武器を高く買ってくれるって奴が居るんでな」


 それを聞いた瞬間。

 ヘルガは躊躇いなく引金を引いた。

 くぐもった銃声が連続で響き、警告を無視したと返した者達以外が次々に穿たれ、バタバタと倒れて逝く。

 程なくして警告を無視して、気分良く答えた奴が一瞬で仲間全員死んだ事に顔を青褪めさせると、ヘルガは静かに歩みを進めた。


 「く、来るな!来るんじゃねぇ!!」


 手にしていた剣を向けながら必死に喚く彼に対し、ヘルガは躊躇いなく彼の剣を持つ肩を撃ち抜いた。


 「ギャアアァアァァ!!?」


 右肩を撃ち抜かれた激痛に悲鳴が挙がり、剣が地面に落ちて転がる。

 だが、ヘルガは落ちた剣を気にする彼に銃口を向けると共に問うた。


 「盗賊は基本的に死刑。それを知らない訳が無いわよね?」


 「た、頼む!二度とこんな事はしない!!心も入れ替える!!だから!!」


 彼は必死な形相で命乞いをした。

 だが、それは叶わなかった。


 「サリー、コレってちゃんと正当防衛よね?」


 命乞いを一刀両断するかの様に眉間をブチ抜いて彼を殺したヘルガが涼しい顔で尋ねると、サリーはまたも暢気に返した。


 「立派な正当防衛だ。お前はキチンと警告したし、そのバカ共は警告を無視した盗賊だし……何処をどう見ても問題無い正当防衛だな」


 そんなサリーとは対照的にネッドは呆然としていた。

 すると、サリーはネッドに真剣な面持ちと共に師として語る。


 「前も言ったがな、ネッド……冒険者をしてるとな、時にはこう言う冒険者から盗賊に堕ちたバカを相手にする羽目になっちまう事もある。後、武器を持ったままの命乞いは命乞いに入らねぇから覚えとけ」


 その言葉にネッドは何も返せない。

 だが、それでも自分の言葉が聞こえていると共に理解している事を察するからこそ、サリーは師として更に続ける。


 「ネッド。俺だってこう言う事に遭遇したくねぇし、仮にも同じ仕事をしてた仲間を好き好んで殺したくもねぇ……勿論、ヘルガだって同じだ。多分だがな」


 その言葉にネッドは頷くしか無かった。

 すると、ヘルガが空気を読む事なく面倒臭そうに言ってきた。


 「お二人さん。しんみりしてる所、悪いんだけどさ……さっさとお宝片付けてくんない?」


 「相変わらず空気を読まねぇ女だな、テメェは」


 サリーが呆れながらも収穫した宝を拾い集めれば、ネッドも慌てて拾い集め始める。

 そうして集めた宝を背嚢にしまってると、ヘルガは死体の首からドッグタグとも言える冒険者証を回収し、集めていく。

 そんな姿に気付くと、ネッドはサリーに尋ねる。


 「ヘルガ、何してるんだ?」


 「見ての通りだ。アイツは冒険者証を回収してる」


 「それは解ってるよ。俺が聞きたいのは何の為にって所なんだよ」


 ネッドが具体的に知りたい事を口にすると、サリーは答える。


 「盗賊に堕したとは言え、冒険者なのは変わらない。だから、ギルドに亡くなった冒険者の事を報告する為に冒険者証を集めてる」


 冒険者は常に死と隣り合わせの仕事だ。

 だからこそ、どんな理由であれ死した者達の事を報告して記録に残す為に冒険者の証を集め、ギルドに渡す必要があった。

 そんな死の後始末をするヘルガを見詰めながらサリーは更に続けて語る。


 「今回は嫌な形で死んじまってるが、共に闘った仲間の場合はソイツに家族が居るかもしれねぇ……で、居るんなら死んだ事を家族に伝えてやんなきゃなんねぇし、必要ならソイツの取り分を支払ってやらなきゃならん。だからこそ、冒険者証を回収する必要があるんだ」


 そう語ると、サリーは締め括る様に告げる。


 「お前さんが俺を抜きにヤマ踏んだり、独り立ちした時に冒険者の死体を見付けたら冒険者証を回収してやれ……そのまんま放置するよりは、冒険者証をギルドに渡して報告してやる方がその死んじまった奴の為にもなるし、残された連中にとってもケジメを付けて踏ん切り付けやすくなるからな」


 死した者の為。

 死した者を愛し、死した者が愛した者達の為。

 赤の他人であろうと、その死をキチンと伝える必要がある。

 サリーがそう告げれば、ネッドは真剣な面持ちで静かに頷いた。

 そうして話が済めば、3人は静かに立ち去る。

 9階層目まで戻れば、其処で夕食を食べた。

 そして、其処で一夜を明かすのであった。





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感想とかレビューを貰えたら滅茶苦茶喜びます

なので下さい。マジで下さい


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― 新着の感想 ―
さすがにご都合主義が大き過ぎると思います。不意打ち、闇討ちを狙うならまだしも、ヘルガが道中殺したと傷口で分かる死体の数々を見て追いかけてきたのに、真正面から「上から目線のセリフ」で恐喝するなんて。ヘル…
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